計地中構造物をモデル化するとき、構造物と地盤が接触するときに地盤が抵抗し、離れるときは地盤が抵抗しない挙動をモデル化したい場合があります。この場合、ばね要素を用います。ところが、平板要素の節点は非常に多いため、各節点位置に適切なばね要素を配置することは大変な労力を要します。Engineer's
Studio(R)には、平板要素に地盤ばねを自動配置する機能があります。
地層特性のパラメータを入力するだけで、各節点位置におけるばね要素が分担する面積とばね特性の各剛性をプログラムが自動的に算出しますので、大変便利です。以下に入力手順と結果の例を紹介します。
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- 地層特性を作成します(図1)。地層特性は、層厚、地盤反力係数([kN/m3])、最大地盤反力度([kN/m2])の3つのパラメータです。いずれも設計でよく用いられる地盤定数です。
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■図1 地層特性の入力 |
- 側面と底面の平板要素のzl軸が外側を向いている状態にします(図2)。
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■図2 平板要素のzl軸の向き |
- 4つの側壁をクリックします。平板要素が選択状態になります。
- リボン「モデル|編集|地盤ばね」をクリックします(図3)。
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■図3 リボン「モデル|編集|地盤ばね」 |
- 図4の設定画面を入力します。ばね要素の方向は「正方向」を、座標系ylベクトルは「全体Y」を指定します。
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■図4 地盤ばねの設定画面 |
- 底版をクリックします。平板要素が選択状態になります。
- リボン「モデル|編集|地盤ばね」をクリックします(図3)。
- 図4の設定画面を入力します。ばね要素の方向は「正方向」を、座標系ylベクトルは「任意設定」とし、(Vx,Vy,Vz)=(1,0,0)を与えます。
- 図5のように地盤ばねが自動生成されます。
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■図5 地盤ばねが自動生成された様子 |
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図6は、ばね要素の要素座標系の様子です。ばね要素のxl軸が外側を向いています。
ばね特性のTxlが地盤が抵抗するばねになります。図7は、自動的に生成されたばね特性です。ばね特性は常に負方向バイリニアになります。ばね特性の各数値は地層特性と平板要素の面積から自動的に算定されています。
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■図6 ばね要素の要素座標系の様子 |
■図7 自動的に生成されたばね特性 |
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(Up&Coming '11 晩秋の号掲載) |
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