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未来を可視化する
長谷川章のアート眼
vol.2

社会の未来を語るキーワード「シンギュラリティ」をテーマに、
長谷川章のアート眼が捉えるものを連載していきます。
人類が生命を超え、加速する未来を可視化する鍵を探ります。

  長谷川 章(はせがわ あきら)氏
デジタルアートクリエイター
1947年石川県小松生まれ。日本民間放送連盟TVCM部門最優秀賞を始め、ACC賞など数々の賞を受賞。NHK大河ドラマ「琉球の風」を始めNHKニュース、中国中央電視台(CCVT)ロゴ、企業TVCMなど、数千本を制作。
 Akira Hasegawa

人類はこんにちIoT,AI、シンギュラリティー、などこの先の未来はどうなるのか?先行きがみえないと恐れおののいている。

それは、過去の延長上に未来があると思い込んでいるからである。
パソコンが1万倍のスピードで演算できる性能になったら?世界が逆転するのだ、そして時間と空間から開放されるのだ。

そこで、一例を考えてみた。

鬼の面 後ろの正面 のっぺらぼう

73億人民の、73億人民による、73億人民のためのニュース 7.3 billion people news

技術の積み重ねの延長には、新しい発明やアートは生まれない。
今存在する国家、大企業、エネルギー、情報の常識などはむしろ現実を維持が実務でであり守りの砦であるからだ。

そこで、まさに1世紀にもならんとするマスメディアに一石を投じるとしよう。


リアルタイムを捉える

いまやテレビはニュース番組が80%になっている。

これは人々の関心が常に「現在」にあるからである。動物はいつも、いま何が起こっているのかを知りたがるのだ。

しかし、すでにニュース番組はリアルタイムからは取り残されてしまった。
テレビ局という中央集権システムがある限り、本当のリアルタイムを捕まえることはできないからである。

カメラマンや新聞記者、共同通信、ロイターの記者たちは、事件が起こった後を撮影しているに過ぎない。
燃えたあとの家を映し、交通事故の後始末をリポートするのみである。

これは大きく捉えれば、時間の設定の問題である。時間とはタイミング合わせの方便であり、人が定めた古い尺度でしかない。
いまや人々はテレビを見ずにネットを見る。なぜならテレビは「管理者側」の時間であり、ネットは「自分たち」の時間だからである。
人々はすでに自分たちの時間を生き始めているのだ。

ネットの発達により、我々はようやく時間の檻から抜け出そうとしている。
大勢のタイミング合わせのための時間ではなく、人それぞれに時間が流れていることに気づき始めているのだ。

そして事件は、人々の時間の中に不意に起こるものなのである。現在の中央集権システムでは、それを捉えることはできない。

これから望まれるのは、本当のリアルタイムを捉える分散型のニュースシステム。それが我々の提案する7.3 billion people newsである。


7.3 billion people news

地球の人口73億人、それぞれがスマートフォンやそれに類するデバイスを持っている。
個々人の生きている時間で起こる事件こそが本当の意味でのニュースなのだ。
人はニュースソース(資源)であり、ニュースオリジン(起源)であり、ニュースそのものである。

73億人のそれぞれの時間に起こったライブニュースを、リアルタイムでネットにアップするプラットフォーム。それが7.3 billion people newsである。

アップされたニュースは人工知能によりカテゴライズされ、関連ニュース、
情報とともに公開される。
事件、政治、経済、売れ筋、カブ、天気予報、音楽、タレント芸能、アートシーン、
スポーツ、文化…
旧来のカテゴリを逸脱するニュースもこれからどんどん増えてくるだろう。
新しいニュースカテゴリの創出が起こるのだ。また過去のニュースとの関連により、
過去のニュースに新しい見方を提供することもできるだろう。

閲覧数や引用数によってニュースはランキングされる。
直近1時間のベストニュースから、1日、1週間、1ヶ月、1年…

これらのトップランキングのニュースは、既存のテレビ局へ放送契約され、投稿者にキックバックされる。

我々のあとを、テレビ局や新聞社がついてくるのである。


運営について

この運営はプラットフォームではなくてむしろプラットホームレスである、これは一団体や企業、放送局が運営するのではない。
あくまでも73億人の一人ひとりが自主的に参加し、投稿する。つまり73億の放送局があるようなものである。

撮影するデバイスを同一のものにすることも考えられるだろう。
撮影、アップなどが行えるデバイスを入手することで、この7.3 billion people newsに参加したことになる。

オリンピックニュースカテゴリを開設し、全人類がオリンピックニュースチャンネルを共有する。
閲覧数や引用数の多いランキング上位のニュースにはポイントを発行し、そのポイントでアマゾンやアリババといったECサイトで使用できれば、あくまでも個人による、新たなオリンピック経済圏を構築できるだろう。




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