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 新製品とバージョンアップ
新製品のリリース概要
今回の新製品紹介では、2002年第4四半期から2003年第1四半期にリリースされた新製品、バージョンアップの概要を紹介いたします。

 UC−winシリーズの新製品としては、動的非線形解析プログラム「UC−win/FRAME(3D)」の初版を2002年11月にリリースしました。2003年1月には日本語英語切替版(図−1)をリリースいたしましたが、今後も結果抽出・出力機能の強化、モデルジェネレート機能、活荷重の対応(無償改訂)など様々な改良を予定しており、新バージョンを順次リリースしていく予定です。


 「UC−win/Road」については、Ver.1.05を5月リリース目標として、鋭意開発を進めています。画期的な新機能(図−2)の提供を予定しており、有償のプラグインとして、3D樹木作成・編集「3D-Tree option」(図−3)及びAVI動画ファイル作成「AVI option」をリリースする予定です。AVI動画作成機能は、多くのCODECに対応しており、DivX(800×600ピクセル)など高品位の動画記録がサポートできます。
▼図−1:UC−win/FRAME(3D)日本語版
  部材入力画面

▼図−2:UC−win/Road Ver.1.05、主な新機能
No. 新機能名称 内容
1 任意地形 メニュー選択で経緯度,標準時の指定が可能になっている。また、経緯度の各方向は、10〜20kmまで1km毎に任意に設定が可能である。
2 Merge UC−win/Roadデータのマージ機能
3 地形読込位置情報 50mメッシュの読み地形の位置情報を+表示
4 3D樹木作成 別売りプラグイン(3D-Tree option、価格\150,000)作成及び編集
5 Draft mode ドラフトモード、再度の地形切り土盛り土処理など省略でき、効率的なデータ作成を支援
6 Lake機能 湖沼(海岸線)を作成し、水面域を定義できる。標高を指定することで自動でreflection水面を作成する。
7 ストリーム機能 道路面の動作、川やエスカレータなどの表現
8 Undo機能 線形定義時などオブジェクト単位の操作を取り消せる。
9 平面交差編集機能強化 平面交差のテクスチャ回転や編集コマンド配置の変更
10 小段作成機能 切り土盛り土生成時に小段の高さ、幅を指定して作成できる
11 3Dモデル関係機能強化 3Dモデル名称、道路付属物の高さ設定が可能
3Dモデルの平面内自由移動、上下移動、モデル透過率の設定、読込モデルの削除機能
12 AVIファイル作成 別売りプラグイン(AVI option、価格\80,000
動画作成機能、他種類のCODEC対応、divx(800*600)をサポート
13 描画オプションの強化 アンチエリアス及び異方性フィルターをサポート
FOV(画角)の設定が可能
14 モデル間距離計測 モデル、樹木などの距離を3Dメイン画面で計測が可能
15 航空写真関係機能強化 航空写真の透過、再度部分のテクスチャ色指定、一括削除をサポート
▼図−3:3D樹木の作成編集

▼切り土、盛り土小段生成
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 UC−1シリーズ製品では、上位バージョンの開発を進め、「橋台の設計 Ver.3」で任意形状の対応、「RC下部工の設計計算 Ver.2」でラーメン橋脚の補強設計対応、「杭基礎の設計 Ver.3」「基礎の設計計算 Ver.3」では、水平変位の制限緩和対応、「斜面の安定計算 Ver.3」では、対策工の対応、「擁壁の設計 Ver.3」では、混合擁壁の対応、「BOXカルバートの設計 Ver.3」では、JH仕様の斜角付きBOXカルバートの計算の対応を行いました。これらは、有償のアップグレードとしていますが、下位バージョンは販売を継続していますので、現在のところ、任意のバージョンアップを受け付けています。

 その他の有償のバージョンアップとして「深礎フレーム Ver.3」(折れ線地層、下部工連動に対応)、「圧密沈下の計算 Ver.3」(計算機能の追加)をリリースしており、改訂期限内でのバージョンアップを行っています。

 CALS/CADカテゴリでは、UC-Drawのバージョンアップに加え、「F8出力編集ツール(PDF対応)」、「CAD朱書きツール」の2製品をリリースし、電子納品の支援ツールを大幅に強化しています。


2003年3月期リリースの製品
 2003年3月の年度末に向けて開発を進め、3月から4月にかけてリリースした製品は、以下の通りです。
(1)「RC下部工の設計計算 Ver.2」、ラーメン橋脚の補強設計対応
▼図−4:RC下部工の設計計算 Ver.2
  ラーメン橋脚の補強設計対応
曲げ耐力制御式鋼板巻立て(柱)+鋼板巻立て(はり)工法による補強設計に対応(図−4)、ラーメン橋脚の設計計算の出力機能がさらに充実。
■ラーメン橋脚の補強設計における計算の仮定
(1) 既設橋脚段落し部は、鋼板補強により、柱軸方向段落しは、ないものとする。
(2) 鋼板が主鉄筋として機能するとみなし、既設及びアンカー筋が軸方向鉄筋として機能するとみなして地震時保有水平耐力の照査を行う。
(3) 柱基部は十分な剛性を有する形鋼で拘束していることから、横拘束筋の体積比としては、道示V編10.4横拘束筋の上限値0.018を適用する。
(4) 柱下端部の塑性ヒンジ長は、現況橋脚の塑性ヒンジ長の80%とする。
(5) 柱が変形した場合に間隔長(50〜100mm)を小さくするで間隔部のコンクリートは、拘束力が伝達されるものとして拘束効果を考慮する。
(6) 鋼板巻立て部は鋼板の全断面がせん断補強筋として機能するとみなす。
(7) 柱基部の根巻きあるいは防護コンクリートの影響は無視する。

(2)「杭基礎の設計 Ver.3」「基礎の設計計算 Ver.3」、水平変位の制限緩和対応(図−5)
道示W12.8 特殊な条件における杭基礎の設計-(5)水平変位の制限を緩和する杭基礎に準じた計算をサポートし、橋脚基礎の地盤抵抗の非線形性を考慮した設計に対応。
■杭基礎の「水平変位の制限を緩和する杭基礎」計算概要
道示W12.8 特殊な条件における杭基礎の設計-(5)に準拠。レベル1地震時のみが計算対象。
参考資料:「鋼管杭基礎の設計と施工 道路橋示方書(平成14年3月)改訂対応(平成14年4月)鋼管杭協会」
前面地盤抵抗の非線形性を考慮した計算。荷重増分法により計算。
(1) 全鉛直力のみを載荷して杭頭変位、杭頭反力、杭体状態量(変位、断面力)分布を算出。地盤の弾性範囲、塑性範囲を設定する。
(2) 第2ステップ〜第n+1ステップ:増分荷重を載荷し、分布の増分を算出し、累計値に加算、地盤の弾性範囲、塑性範囲を設定。
(3) 最前列の杭、2列目以降の杭の2種類について杭体状態量分布を出力。
適用範囲:橋脚基礎、2次元解析、地層傾斜なし、杭径・杭長変化なし、斜杭なし、杭頭剛結。突出部水平荷重なし。

▼図−5:杭基礎の設計 Ver.3基礎の設計計算 Ver.3  水平変位の制限緩和対応

(3)「斜面の安定計算 Ver.3」、対策工の対応(図−6)
のり面に対策工区(最大5同時計算)を設定し、設計計算、施工後斜面安定計算を行う。ジオテキスタイル補強盛土工法、グラウンドアンカー工、のり枠工、杭工をサポート。

(4)「BOXカルバートの設計 Ver.3」、JH仕様の斜角付きBOX対応(図−7)
制限:単BOX、側壁の部材厚は左右同一、ハンチ形状寸法は左右同一、図面未対応。

▼図−6:斜面の安定計算 Ver.3
  対策工の対応(ジオテキスタイル)

▼図−7:BOXカルバートの設計 Ver.3
  JH仕様の斜角付きBOXカルバート対応

(5)「深礎フレーム Ver.3」、折れ線地層、下部工連動に対応
折れ線地層線に対応。地層数最大10層までに増加。下部工製品(橋脚、橋台)−深礎フレーム間のデータ連動に対応。(震度算出は、基礎バネ値を連動)

(6)「圧密沈下の計算 Ver.3」、計算機能の追加
粘性土の即時沈下、側方変位量の計算対応。e〜logp曲線の標準比重による計算に対応。オスターバーグ法による地中応力の計算に対応。

CALS/CADシリーズ」(図−8):シリーズ製品が2製品増え、4製品となり、シリーズとして大幅な強化を図りました。
(7)「F8出力編集ツール(PDF対応)
フォーラムエイト標準出力PPFの編集、電子納品対応のPDFネイティブ出力ツール
(8)「CAD朱書きツール
CADファイル(SXF、DWG、DXF、JWC、UC-Draw−PSX形式)の朱書き作図、図面管理をバックアップするツール。UC−Draw Ver.3には標準実装。
▼図−8:電子納品を強力にサポートするCALS/CADツール集


今後の予定
 2003年後半期に向けて、引き続き、UC-winシリーズ、UC−1シリーズの改良を進めてまいります。製品全般として、データ連動から、XMLによるデータ交換を実現すべく、既に対応している橋脚、杭基礎、基礎以外の製品にも対応を広げていく予定です。また、段差フーチングの設計を橋台や擁壁で利用できるよう共通のライブラリを開発し、基礎関係も含めて対応する予定です。

 個別製品では、「二重締切工の設計計算」の円弧すべりの滑り検討対応、「土留め工の設計」各製品にて、「多重火打ち」、「2段腹起こし」、「アンカー傾斜地層」の対応、「RC下部工の設計計算」は、ラーメン橋脚補強工法の追加対応、杭基礎・基礎統合は、マイクロパイル2工法の対応、「震度算出」では、道路橋の新支承便覧への対応を予定しています。

 新製品では、「UC-win/Section」の初版を5月上旬にリリースし、機能の拡張を継続するとともに「UC-win/FRAME(3D)」及び「FRAME(2D)」への組み込みを予定しています。

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