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近年の交通分野における高度な発展は私たちのライフスタイルに大きな利便性をもたらしてきました。反面、交通安全をどう確保していくかは韓国社会においても重要な課題となっています。
今回ご紹介する海外の土木IT関連Webサイトは、道路や鉄道、航空におよぶ安全に関わるさまざまなプロジェクト、試験、検査、研究などに取り組む「韓国交通安全公団(Korea
Transportation Safety Authority)」です。 |
Korea Transportation Safety Authority(http://eng.kotsa.or.kr/index.jsp) |
「安全な韓国に!(Safety Korea!)」「将来の夢は、交通事故のない安全な社会!(Our
Dream toward the Future is a Traffic Accident Free Safe Society!)」―。トップページにアクセスすると、Transportationの「T」とSafetyの「S」を湾曲させて「U」字型に組み合わせたシンボルマークをモチーフとする動画に続き、このようなTSの目指す概念を表すキャッチコピーが浮かび上がります。
「交通事故のない幸福な未来を拓く」ためのアプローチとして、Korea Transportation
Safety Authority(TSまたはKOTSA、本稿ではTSに統一)では「事故のない社会に向けた」さまざまなタイプの交通安全プロジェクトを位置づけ。例えば、法による認可の下、自動車の安全を確保する独立研究機関として提供する車両の定期検査をはじめ、各種業務を通じ交通事故の防止を推進するとしています。
さらに「交通安全の一流の専門家による公共企業体となる」とのビジョンを掲示。TSはそこでの、交通安全基盤の強化、不断のサービス刷新、発展する運輸業界の育成、持続可能なマネジメントシステムの確立、といった4つのカギとなる戦略を描きます。
TSが設立されたのは1981年。これは1979年に交通安全公団法が制定・公布され、1981年に同施行令が公布されたのを受けたもの。2002年には、公団本部および交通安全研究教育センターが現在置かれているキョンギド、アンサン市に活動拠点を移転。一方、これまでに道路交通安全対策、安全プロジェクト業務、安全支援、自動車検査などの部門を備えた国内の複数支部を段階的に拡充。交通事故を防止する活動により、交通安全管理の効率性を促進、国民の生命や身体、財産の保護に資することを意図しています。
TSが運営・管理する交通安全業務は、陸上、航空、鉄道をはじめ広範な領域に及びます。
そのうち道路の安全に関するプロジェクトの一つが、運輸会社のための交通安全管理。具体的には、交通事故を起こしやすく安全管理が脆弱な運輸会社1,000社を対象とする安全管理の実態調査、歩行者死亡事故が発生した1,000ヵ所における特別な管理状況の調査、安全面が脆弱な地点の改善提案に取り組んでいます。
交通安全検査は、その高い交通事故率を背景に商用車にフォーカス。ドライバーおよび支援設備の現状、事故を起こすドライバーの管理、車両の構造や備品の有効性、道路安全計画の策定と執行、交通事故に関する原因解析などを診断します。
公共交通機関の現状や政策に関する調査および評価は、行政側に公共交通機関に関する効果的な政策策定とシステム改善に役立つ基本的な情報を提供することが目的です。
SDTC(Safe Driving Training Center:安全運転訓練センター)は、交通事故を防ぎ、環境に優しく費用効果の高い運転を実行する優れたドライバーの養成と啓発を目的に設置されたもの。安全運転やエコドライブに関する教育、現地での実践的な教育サービスなどが行われています。
一方、輸送サービスや安全運転の向上への寄与と、貨物トラック運送業界の健全な成長の促進を目的として、トラック運転手の運転資格を管理。併せて、交通事故を未然に防ぎ、国民の生命と財産を守るため、道路安全上の専門知識や技術を有する人々に資格を与え、道路安全業務を割り当てる、交通安全管理者の資格管理を行っています。
これに対し鉄道の安全部門では、総合的に検査を実施し、鉄道運営組織が鉄道安全法に従って業務を忠実に履行しているかどうか判定。問題点を改善するとともに、模範事例を見出し奨励することで鉄道の安全性を確保しています。
また、鉄道事業者の免許制度を実行・管理することで、優れた鉄道運転士を育成し、人材を管理。加えて、鉄道の安全に関する一連の情報管理を通じ鉄道安全政策を体系的に実行し、鉄道事故を防止。安全意識を高めるため、鉄道の安全に関する知識を鉄道産業に従事する人々をはじめ国民に普及すべく努めています。
航空分野に向けては、実践的な参照物や航空輸送産業従事者が容易に利用可能な先進の航空輸送情報を作成。また、航空安全障害報告の運用や資格管理を通じ、安全の向上を推進。ウルトラライト機(ULV)の安全性を確保するための各種点検も行っています。
さらに、ドライバーの適性の中に欠点を検出し矯正的な方策や指導をもたらそうという運転適性検査、測定装置の精密検査や自動駐車システムの検査などの特別検査を実施。交通安全政策の活性化や交通犯罪者に対する訴追免除措置制度などさまざまな課題に関する研究、交通文化指数や燃費などの調査、交通安全の教育および訓練、交通事故犠牲者およびその家族に対する支援策などにも対応しています。
同Webサイトではそのほか、車両検査の目的や種類、基準、項目、有効期限、構造変更の認可、不法構造変更のタイプに関する情報を整理。自動車の排ガスを中心とした一般的な検査や訓練センター、KATRI(韓国自動車試験調査研究所)などの概要も紹介しています。
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■ トップページ:
「Korea Transportation
Safety Authority(TS)」 |
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■ SDTC(安全運転訓練センター)の
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■ 車両検査に関する情報のページ |
※画像はTSにより提供(images provided by TS)。
※この記事は、TSの許諾により上記サイトの内容に基づいて書かれています |
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(Up&Coming '11 秋の号掲載) |
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