|
エッジコンピューティング |
IT TERMS INFORMATION
2019-No.3 |
|
|
|
|
|
|
ネットワークコンピューティングの形態は大きく二種存在し、1台の機器にデータを集め処理を一括に行う「集中型」、各機器でデータを集め各々に処理する「分散型」に分けられます。その中でエッジコンピューティングは、「分散型」に属するシステム形態の一種です。
「集中型」、「分散型」のシステムが盛衰を繰り返す中、近年のスマートフォン普及やIoTデバイスの多様化・小型化、5G通信導入に伴い注目されています。
エッジコンピューティングの「エッジ」はネットワークの末端の事を指し、対象物のデータを収集・計測する機器や近くに存在する通信機器などの総称です。エッジで収集・計測されたデータは一旦エッジ内でデータ整形が行われた後、サーバーなどの管理機器に送信されデータ解析や機器制御などに利用されます。
|
▲「エッジ」の定義範囲 |
エッジコンピューティングでは、単にエッジでデータを収集・計測するだけではなく、同時にデータの精査を行うことでシステム全体の通信量の削減や応答性の向上を図ることが可能になります。
エッジで収集・計測したデータを管理機器側で解析・制御処理に活用する際、まず処理に必要/不必要なデータか判断し、演算に適したフォーマットに整形する必要があります。管理機器のみでも上記処理は行えますが、エッジの数に応じて通信量の増加や、演算に要する時間が増加するなどして応答性が損なわれる可能性があります。そこで、エッジ側にてデータの整形など一次処理を行い、必要な結果のみを管理機器側へ送信することで通信量を抑え応答性を確保できるようになります。
|
▲エッジの活用による高速化のイメージ |
エッジでの一次処理次第では、後の解析・制御処理を行う際に指標となる情報(タイムスタンプ・端末IDなどの)を付加することができます。これまで活用が難しかったデータを有益な情報として取り扱うことも可能になります。
|
▲エッジによる情報付加のイメージ |
個人所有端末の増加やWebサービスの高品質化・多様化によって、今後のネットワークの通信量は増加すると予想されています。大容量・高速通信が可能な5G通信の導入が検討されていますが、システムを運用する側もできるかぎり通信量の削減を考慮する必要があります。また車両やドローンなどの自動運転で活用する場合には、車両と交通管理システムの連携にリアルタイム性が求められます。
そのような問題に対応する為、エッジコンピューティングの考えが今後様々な分野で活用されると考えられます。
|