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RPA (Robotic Process Automation) |
IT TERMS INFORMATION
2019-No.2 |
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RPAとはロボティクス・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略で、「ロボットによる業務自動化」を指します。政府によるスマート社会推進の施策を背景として、AIやIoTなどと共に注目を集めている技術のひとつであり、日本の生産労働人口が減少局面にあるなかで、労働力の有効活用や生産性向上においても有効な手段となり得ます。
従来人間が行っていた付加価値の低い事務作業、反復作業をロボットで代替させることで労働者一人あたりの生産性を向上させることができるRPAは、生産労働人口の減少問題だけでなく、働き方改革推進にも力を発揮することが期待されています。
これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくはより高度な作業を人間に代わって実行できるルールエンジンやAI・機械学習等を含む認知技術を活用して、業務を代行・代替する取り組みが多方面で模索されています。これらの中でもRPAは比較的導入が容易な手段とされ、優先順位、コストの観点からシステム化が見送られてきた手作業の業務プロセスを、作業品質を落とさず、比較的低コストかつ短期間で導入できるという特徴があります。このようにPC上の業務プロセスを人に代わって自動化する技術であるRPAは、仮想知的労働者(Digital Labor)とも呼ばれています。
RPAには3段階の自動化レベルがあるとされています。現在活用が進んでいるRPAの多くは「クラス1」というレベルで定型業務に対応するものです。帳簿入力や伝票作成、ダイレクトメールの発送業務、経費チェック、顧客データの管理、データ入力、定期的な情報収集などの業務を自動化するという段階です。
次期レベルの「クラス2」は、AIと連携することで非定型業務でも一部は自動化する段階です。単純な反復作業だけでなく、自らデータを認識・解析しながら業務を行います。「クラス3」は、より高度なAIと連携することで、業務プロセスの分析や改善だけでなく意思決定までを自動化できます。
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RPA各段階の作業範囲・利用技術 |
クラス1 |
・定型作業、指示通り動作 |
クラス2 |
・RPAとAIの技術で非定型作業の自動化
自然言語解析、画像解析、音声解析、
マシーンラーニングの技術の搭載
非構造化データの読み取りや、知識ベースの活用も可能 |
クラス3 |
・プロセスの分析や改善、意思決定までを自ら自動化、意思決定
ディープラーニング
自然言語処理 |
RPAロボットは既存のユーザーインターフェイスを利用して、人間と同様にデータを取得しアプリケーションを操作します。オペレーション内容を解釈し、反応を誘発し、他のシステムと通信して、大量の反復作業を間違いなく迅速に処理することが可能です。RPAが得意とするのは、以下のようにルールに従った業務です。
【例1】売上数字進捗情報管理
手入力、手作業でグラフ、報告書等作成
→基幹システムよりRPAで自動抽出、自動更新
【例2】WEB上からの問い合わせ
担当がメールで自動通知を受けて返信
→自動通知を受けてRPAが定型文書を選び返信
【例3】給料計算
業務時間、勤怠報告から手作業で計算
→集められたデータをRPAが自動計算、給与算出、支払い
IT産業の発展によりこれまでも様々な業務効率化が実現していますが、
そのための単純作業に労働力を割かなければならない現場も多く残っています。
RPAの導入・運用によってこれらの業務が改善・効率化されることで、今後は労働力のリソースを
他の業務へ効果的に活用することが可能になります。
現在フォーラムエイトでは、3DVRや設計・解析等の技術にAIやIoTを組み込んだシステムの提供や、新プロジェクト「VR-NEXT」によるクラウドサービスの拡張展開を進めています。今後も、ここで紹介したRPAなど新たな技術を積極的に取り入れ、スマート社会推進を支援するさまざまなソリューションを開発に取り組んでいきます。
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