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バージョンアップにより変更・追加された機能について解説します。
今回は、前回に引続き、バージョン18のリリースに伴う機能の変更・追加です。
Maxsurf Stability(Hydromax) |
定義
Maxsurf Stabilityで使われる用語で、変更が行なわれたものをまとめました。
ルーム
ルームはStabilityのコンパートメント定義表内で定義される空間です。通常、タンクもしくはコンパートメント(非浮力容積NBVも含まれる)です。
流体シミュレーション
Stabilityでは、タンク内の液体貨物を正確にモデリングすることが可能です。つまり、船がどのような姿勢(ヒールとトリム)であろうとも、タンク内の液体表面は、船外の海面と平行です。この液体表面が海水面と平行である一方、その高さは、液体貨物容積がロードケースに設定されている容積と等しくなるように、積分して決められます。
これは、液体貨物の動きを模擬的にシミュレートするもので、任意の船体の姿勢に対し、貨物の重心位置が計算されるので、復原力も直接計算で求めることができ、この分析オプションは、“Simulate
fluid movement”として知られています。
損傷時解析のための浮力損失法
損傷時解析のための浮力損失法は、Maxsurf Stabilityで常に使われます。つまり、船体の浸水している部分が、船体の浮力容積から削除されるというやり方です。同じ方法で、非浮力容積(これは常に浸水している個所)が計算されます。
損傷解析のための付加質量法
浮力損失法に対し、付加質量法は、流入水を損傷ルームに加えます。もし流体シミュレーション法が流入水に適用されると、浮力損失法も付加質量法も、計算される復原力は同じになります。しかし、船舶排水量が異なるため、復原アーム(GZ)は両方法で異なってきます。
Hydromaxは損傷復原性の計算で、付加質量法は使いません。しかし、この方法をマニュアルでシミュレーションすることは可能です。インタクトの解析を行ない、海水を損傷ルームに加え、流体シミュレーションオプションを有効にすればよいのです。この場合、タンク内の海水レベルが、船外の海水レベルを超えないよう注意する必要があります。
部分浸水
部分浸水は、損傷スペースの浮力損失が、必ずしも、船外海水レベルに必ずしも達しない状態です。浮力損失部の水線は、海水レベルよりも低くなっています。Hydromaxでは、部分浸水は、海水流入が起こるルームの最大許容パーセンテージとして指定されます。
一定排水量
一定排水量は浮力損失の意味で使われることがあります。しかしHydromaxでは、一定排水量は、損傷時にロードケースの変化が無いものを意味します。以前のHydromaxでは、損傷タンク内の液体貨物は、常にロードケースから外されていました。これにより、損傷船の排水量は軽くなりました(一定排水量は使われなかった)。バージョン18のHydromaxでは、これが選択できるようになり、一定排水量を使うことが可能になりました(“Empty
damaged tanks”をオフにする)。
Maxsurf Stability Enterpriseによる部分浸水(Partial Flooding) |
Maxsurf Stabilityでは、ルームの一部のみ浸水させることが可能です。部分浸水は、Caseメニュー内の選択で行ないます。
部分浸水が選択されていると(さらに、デッキ水)、損傷ケースリストにテキストデータが入力できるようになります(チェックボックスの代わりに)。Iの入力で、ルーム損傷なし、ルーム損傷ありはDを入力、もしくは、最大パーセンテージ入力で、浸水可能なルーム容積を指定します。
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■図1 流体シミュレーション |
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■図2 損傷時ロードケースで、
変動もしくは一定排水量の 選択が可能 |
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■図3 部分浸水の設定 |
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(Up&Coming '13 新年号掲載) |
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