UC-win/FRAME(3D)には、軸力Nと曲げ耐力Mの相関関係を図化した「M-N相互作用図」を3次元と2次元でみることができます(図3、図4)。今回は、10年ぶりに改定された平成24年道路橋示方書(以下、新道示と称す)の耐震設計編に準じた例を用いて、この画面の見方を解説いたします。
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計算条件は以下のとおりです。(断面図を図1に、入力パラメータを図2に示す)
コンクリート設計基準強度30N/mm2
断面幅4000mm、断面高さ2000mm、被り150mm
軸方向鉄筋D32(SD345)、横拘束筋D19(SD345)
作用軸力17000kN、作用曲げ(弱軸)30000kNm
コンクリートの限界圧縮ひずみε ccl=8150 μ
耐震性能2の鉄筋の許容引張ひずみε st2=35287μ
※なお、新道示ではコンクリートに限界圧縮ひずみε ccl、鉄筋に許容引張ひずみε
st が規定されていますが、ここでは、説明を簡単にするため、どちらも終局ひずみと呼びます。
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■図1 断面形状と配筋 |
■図2 新道示の入力パラメータ |
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図3、図4では、画面左側に3次元相互作用図、中央に2次元相互作用図があります。2次元図は、3次元図をある平面で切り取って作成されています。鉛直平面で切れば、図3のように、縦軸がN、横軸がMの2次元図が得られます。水平平面で切れば、図2のように、縦軸も横軸もMの図が得られます。緑色はコンクリート終局ひずみを、ピンク色は鉄筋の終局ひずみを意味しています。
鉛直平面で切り取ったM-N図では、圧縮軸力が大きい程コンクリートで断面の曲げ耐力が決定されていることがわかります。圧縮軸力が小さくなると鉄筋で決定されています。縦軸が負の領域は引張軸力ですので、引張力に弱いコンクリートでは決定されず、引張力に強い鉄筋で断面の曲げ耐力が決定されています。軸力が増えると曲げ耐力が向上している様子もわかります。
水平面内で切り取ったM-M図では、4箇所が鉄筋で、その他はコンクリートで決定されています。4箇所の位置は、断面が一軸曲げを受けるときに相当し、その他は二軸曲げを受けるときの各曲げ耐力を意味しています。
新道示では、コンクリートと鉄筋の両方に終局ひずみを規定しているので、軸力や二軸曲げの方向によって、曲げ耐力がコンクリートと鉄筋のどちらかで決定されます。従来はコンクリートの終局ひずみだけが規定されていましたので、鉄筋で決定されることはありませんでした。
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■図3 3次元M-N相互作用図を
鉛直面内で切り取ったM-N図 |
■図4 3次元M-N相互作用図を
水平面内で切り取ったM-N図 |
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(Up&Coming '12 夏の号掲載) |
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