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「深礎フレーム Ver.5」では、(1)杭基礎設計便覧(H19.1)対応、(2)レベル1フーチングの設計に対応、(3)杭体地中部の任意荷重に対応、(4)杭体突出部に作用する土圧形状の拡張に対応、(5)レベル2照査荷重(V、H、M)の直接入力に対応 などに対応します。本バージョンより、レベル1フーチングの設計対応により、前バージョンで対応済みのレベル2フーチングの設計と合わせてフーチング照査機能が向上したこと、杭体に作用する荷重の多様化により、様々な荷重条件に対する深礎杭構造物への適用性が広がりました。
●杭基礎設計便覧(H19.1)に対応
日本道路協会杭基礎設計便覧(平成19年1月版)の改訂では、深礎杭の設計の考え方はNEXCO設計要領に基づき行うという基本方針の下に、設計の考え方そのものに関して大幅な変更は存在しませんでしたが、杭頭結合部の設計にあたりフーチングコンクリートの押抜きせん断応力度の照査方法について、フーチング端部の杭を対象とした設計の場合分けが明記されました。本プログラムでは、押抜きせん断の抵抗断面がフーチング端部に掛かる場合は、抵抗断面の長さとして実長Lを考慮し、押抜きせん断応力度の照査を行います。
式(1): フーチングコンクリートの押抜きせん断応力度の照査式
式(2): フーチング端部の杭を対象とした場合
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▲押抜きせん断の抵抗断面 |
●レベル1フーチングの設計に対応
本プログラムVer.5より、レベル1フーチングの設計に対応します。前バージョンVer.4にて対応済みのレベル2フーチングの設計機能と合わせて、レベル1・2に対するフーチングの設計を一貫して行うことが可能です。ここでは、レベル1フーチングの設計の考え方の要点を整理しておきます。
照査断面としては、曲げモーメントは柱前面、せん断力は柱前面からフーチング厚の1/2離れた位置、および柱前面より外側の杭中心位置について、断面力を求め、応力度照査を行います。
曲げ照査の要点としては、フーチングをはりに置換えて設計を行うため、有効幅の設定が重要となります。有効幅は、フーチング下面引張に対しては柱前面の付根から45゚の荷重分布を考え
b=tc+2d 、フーチング上面引張に対しては b=tc+d とします。ここに、b:有効幅、tc:柱幅、d:フーチングの有効高。曲げ応力度は、曲げモーメントのみが作用する鉄筋コンクリート断面として応力度を算出し、許容応力度内にあることを照査します。 |
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▲曲げ照査位置、せん断照査位置 |
次に、せん断照査の要点としては、せん断スパン比の影響を考慮した設計を行う点が重要となります。せん断スパンは、フーチング下面引張に対しては最外縁の杭中心位置から柱前面までの距離、フーチング上面引張に対しては道示IV式(8.7.5)によります。有効幅は全幅を考慮し、せん断応力度を算出し、許容応力度内にあることを照査します。
●杭体地中部の任意荷重に対応
杭体地中部に任意の土圧分布、集中荷重を作用させることが可能となりました。例えば、地すべり抑止杭を想定し、抑止力に相当する力を分布荷重または集中荷重のかたちで背面側から与えることができます。また、アンカー引張力に相当する力を与えることも可能です。大きな載荷重の影響による偏土圧の考慮も可能です。
●杭体突出部に作用する土圧形状の拡張
設計地盤面より上の杭体突出部には、従来バージョンでは1個の土圧分布のみ入力可能としていましたが、本バージョンより荷重個数の増加を行い、さらに、集中荷重の入力にも対応しました。表層地盤が杭背面に及ぼす土圧形状をそのままに近い形で考慮し設計可能となります。
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▲杭体地中部の任意荷重 |
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▲杭体突出部に作用する土圧形状 |
●レベル2照査荷重(V,H,M)の直接入力に対応
基礎天端に作用するレベル2地震時の作用荷重として、従来バージョンでは上部工+橋脚モデルを想定し上部工死荷重Rd、上部工反力Wu、橋脚重量Wpなどと、それぞれの作用高さを任意パラメータとして入力することにより、プログラム内部では(Vo、αi×Ho、αi×Mo、αi=0.0〜1.0)として、基礎に作用する荷重を段階的に増加させながら計算を実行しました。(詳細はヘルプQ1−8参照。)この方法は、任意パラメータをあらかじめ算出しておく必要があるため、スムーズな設計条件の入力が待たれるものでした。本バージョンより、動的解析等で得られた基礎天端に作用する荷重、ラーメン橋脚基礎に作用する荷重、あるいは、アーチアバット部の基礎天端に作用する荷重など、作用荷重(V、H、M)をそのままの値で入力し、レベル2地震時の計算を行うことが可能となります。 |
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レベル2照査荷重(V,H,M)の直接入力
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■深礎フレーム Ver.5 リリース予定日:2008年5月 |
(Up&Coming '08 新緑の号掲載) |
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