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本製品は過去2年余りの間にVer4で格子構造モデルの追加、Ver.5で波形鋼板ウェブ断面をサポートしてきたところですが、先行製品であるVer.3に比べてハイレベルな動作環境を必要とするなど、使用に際しては様々なご指摘をいただいてきました。それに応えるべく改善作業を続けているものの、現状では今しばらくお時間をいただく必要があります。しかしながらこの間に新しい材料や設計手法などへのご要望が数多く寄せられましたので、構造改善版に先立ち要望対応版としてVer.6をリリースすることといたしました。本稿はその内容をご紹介するものです。
●Ver6の対応内容
Ver.6の初期バージョンでは、ご要望をお受けしていた項目の中から以下の機能を追加サポートしています。 |
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・波形鋼板ウェブ断面タイプの拡張:
張出し床版の下面形状やコンクリートウェブに対応できる新しいタイプの 断面形に拡張しました(図1)。合わせて、鋼板ウェブとコンクリートウェブの接合位置における断面1次モーメントを計算・表示するようにしました。また、近々にはねじり定数の計算も追加する予定です。
・バイプレ工法に対応:
PC鋼棒を圧縮することでプレストレスを導入するバイプレ工法をサポートしました。定着端の切り欠きを断面諸量に考慮するオプションも付いています。
・JH設計要領H18年版に準拠:
(1)終局曲げモーメント算出時の外ケーブルの増加応力度の自動設定を可能にしました。
(2)コンクリート許容引張応力度σtaの計算をコンクリート標準示方書[構造性能照査編]に準拠して行うオプションを追加しました。
・二重格点バネの仮固定:
架設中は二重格点バネ(支承バネ)を仮固定し構造系完成後に解放して支承バネを有効とする計算を可能にしました。
・M-φ曲線:
(1)PC鋼材が降伏した状態だけでなく、最外縁の鋼材(鉄筋orPC鋼材)が降伏した状態での初降伏モーメントを算出するオプションを追加しました。
(2)M-φ結果表に初期断面力(全死荷重時など)の状態としてM0、φ0を表示するオプションを追加しました。
(3)ひび割れ曲率φcに、プレストレス1次力分を考慮するオプションを追加しました。このオプションを選択すると図2の赤線のようなM-φ曲線が得られます。
・引張鉄筋量:
PPF、HTMLの各出力にコンクリート応力度σc、中立軸xを表示し引張縁が上下縁のどちらかを判断できるようにしました。上下縁ともに引張が出ている場合には両方とも出力するオプションがあります。
・RC応力度計算:
(1)RC断面の応力度計算で軸力を考慮する/しないのオプションを追加しました。箱桁断面の横方向設計で純曲げ状態に対してウェブ、下床版を 照査することができます。
(2)RC断面の応力度計算に圧縮鉄筋を考慮する/しないのオプションを追加しました。配筋データとしては複鉄筋で入力しても作用する曲げモーメ ントの符号から上下縁のどちらが引張主鉄筋になっているかを判断し、計算上は単鉄筋として応力度照査することができます。
・出力設定(新書式):
罫線無しの印字書式をいくつか追加しました(図3)。初期バージョンでは以下の書式をサポートしています。
・断面力、変位一覧形式
・断面諸量一覧形式
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▲図1 波形鋼板ウェブ断面
▲図2 M-φ曲線
▲図3 新書式 |
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・表形式データのマウス操作による範囲指定:
従来はシフトキーと矢印キーで範囲指定していましたが、Ver6から以下のいずれの方法でも可能としました。
・マウスの左ボタンを押しながらドラッグして範囲を決める方法(追加)
・選択したい範囲の左上端のセルをクリック後、右下端セルをシフトキーを押しながらマウス左ボタンでクリックする方法(サポート済み) |
●Ver6の今後のサポート予定
今後、ご要望の多い印字書式を中心に追加サポートすることを検討しています。具体的には、
・組み合わせ断面力、反力
・せん断、ねじり照査結果
などです。計算機能に関してもオプションの追加などを行い、便利に使用 していただけるように改善したいと考えています。
●おわりに
構造改善版は、Ver7として開発作業を進めています。現時点では、リリースが確定していませんが、Ver.6における要望対応作業との調整を図りながら適切な時期に提供できるようにしたいと考えています。今後とも本製品をよろしくお願いいたします。
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■UC-BRIDGE(分割施工対応)Ver.6、UC-BRIDGE Ver.6 リリース日:2006年5月17日 |