Civil Engineer's Forum-FORUM8
このページをスタートページに設定する QR

Facebook - FORUM8

Twitter - FORUM8

instagram - FORUM8

YouTube - FORUM8

 サイトマップ | ご利用条件 | お問い合わせ | 英語翻訳サイト | Japanese | English | Korean | CHS/CHT | Vietnam | Francais

Support Topics
 サポートトピックス・FEM / Engineer's Studio®
地震波形と抽出キーの関係 保守・サポートサービス関連情報
道路橋の動的解析では3波形の地震動を与えます。今回は、各波形の最大加速度の符号と抽出キーの関係について考察します。


地震波形の最大加速度と解析結果の例
図1は、日本道路協会から提供されている「タイプT、V種地盤」の3波形です。最大加速度はそれぞれ正側、負側、負側にあります。

図1 日本道路協会「タイプT、V種地盤用」の3波形

この場合に多くみられる抽出キーの結果は表1のとおりです。Max、Min、Absはそれぞれ最大、最小、絶対値を意味します。表中の数値は一例です。この結果は、入力した波形の最大最小加速度と呼応しています。たとえば、波形2に着目すると、地震波形の最大加速度は負側にあり、最大応答値も負側に発生しています。波形1、波形3も同様です。

製品名 波形1 波形2 波形3 平均
Max 12 4 8 8
Min -6 -10 -11 -9
Abs 12 10 11 11
表1 最大応答と平均値

表1では、各波形の最大応答を平均した結果も掲載しています。表より、Absが11で最も大きな値となっています。MaxやMinは11よりも小さい値です。この理由は、各波形のMaxどうしの平均、Minどうしの平均を求めているからです。
このように、抽出キーの種類によって応答値の平均が変わります。一見すると抽出キーの種類としてAbsを採用しておけば設計上安全側のように思いますが、常に安全側になるとは限りません。断面の配筋状態が上下あるいは左右に非対称な場合は、非対称型のM−φ特性を用いることがあり、せん断耐力も上下あるいは左右で同じになりません。断面や構造が非対称な場合には、抽出キーとしてAbsを採用できません。


3波形の最大加速度を揃える
波形の加速度の正負には物理的な意味はありませんので、図2のように3波形とも正側に最大加速度が存在するように、波形2と波形3の正負を逆転させた波形を使うと、抽出キーの結果は表2のようになります。各ランの最大応答はMax側に揃います。平均の結果をみると、抽出キーMaxと抽出キーAbsは同じになります。これは抽出キーの取り方によって異なる結果を招くという設計ミス防止につながり、さらには、解析結果の解釈も容易になるという利点があります。

図2 日本道路協会「タイプT、V種地盤用」の3波形

製品名 波形1 波形2 波形3 平均
Max 12 10 11 11
Min -6 -4 -8 -6
Abs 12 10 11 11
表2 正側に揃えた波形による最大応答と平均値


最大加速度を揃えた地震波
最大加速度を正側に揃えた波形(*.esx)がインストールフォルダに収録されています。デフォルトのインストール状態では下記の場所です。ぜひ、ご利用ください。
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio 8.0.1\Samples\Waves\BridgeDesign-H24
  L1-I_II_III.esx (レベル1、T種、U種、V種地盤用の3波形)
  L2-TypeI-I.esx (レベル2タイプT、T種地盤用の3波形)
  L2-TypeI-II.esx (レベル2タイプT、U種地盤用の3波形)
  L2-TypeI-III.esx (レベル2タイプT、V種地盤用の3波形)
  L2-TypeII-I.esx (レベル2タイプU、T種地盤用の3波形)
  L2-TypeII-II.esx (レベル2タイプU、U種地盤用の3波形)
  L2-TypeII-III.esx (レベル2タイプU、V種地盤用の3波形)


まとめ
抽出キーAbsを採用しておけば、いつでも設計上安全側のようにみえますが、断面の配筋状態や構造物が非対称な場合はAbsを採用できません。そのような場合にMaxあるいはMinの平均値が最大となるように、波形の最大加速度の符号を揃えておくことが重要になります。


前ページ
  
インデックス
  
次ページ
(Up&Coming '19 春の号掲載)
戻る
Up&Coming

FORUM8


お問合せ窓口




[ ユーザー紹介 ]
株式会社 溝田設計事務所
公立諏訪東京理科大学 工学部 機械電気工学科
Kemmochi Design Office
[ イベント案内 ]
デザインフェスティバル2024のご案内






>> 製品総合カタログ


>> プレミアム会員サービス
>> ファイナンシャルサポート

最近リリースした製品
電子納品支援ツール Ver.18
GSS「情報共有システム(オンライン電子納品)」
鋼断面の計算(部分係数法・H29道示対応) Ver.2
UC-BRIDGE・3DCAD(部分係数法・H29道示対応) Ver.2
深礎フレームの設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応) Ver.5

キャンペーン実施中
マルチライセンスキャンペーン
イベント・フェア参加キャンペーンキャンペーン
Shade3D・F8VPS 20%OFF

セミナー・イベントカレンダー
開催間近のセミナー
12/26  ジュニア・プログラミング
1/6  ジュニア・ソフトウェア
1/15  建設DX/Web4.0入門
1/16  熱応力・ソリッド
  FEM解析

ソフトウェア/支援サービス
VRソフト(バーチャルリアリティ)
《UC-winシリーズ》
・道路・シミュレータ
・ドライブ・シミュレータ
・マイクロ・シミュレーション
・避難解析・シミュレーション
>>その他VRソフト
FEM解析ソフト
・3次元プレート動的非線形解析
・2次元動的非線形解析
・総合有限要素法解析システム
>>その他FEM解析ソフト
土木・建築・設計ソフト
《UC-1シリーズ》
・構造解析/断面
・橋梁上部工
・橋梁下部工
・基礎工
・仮設工
・道路土工
・港湾
・水工
・地盤解析
・CAD/CIM、建設会計
・維持管理・地震リスク
・建築
・船舶/避難
>>その他土木・建築・設計ソフト
クラウド
《スパコンクラウド®》
・スパコンクラウドサービス
《VR-Cloud®》
・リアルタイムVRシステム
解析支援サービス/サポート
・UC-win/Roadサポートシステム
・設計成果チェック支援サービス
・Engineer's Studio®解析支援
・地盤解析支援サービス
・EXODUS/SMARTFIRE解析支援
・xpswmm解析支援サービス
・建物エネルギーシミュレーション
・3Dレーザスキャン・モデリング
・3D模型サービス
・3D報告書・図面サービス
>>その他支援サービス
各種ソリューション
・耐震診断/解析
・鋼橋設計
・橋梁新工法
・建築設計
・自治体
・医療系VRシステム
・パーキングソリューション
・ECOソリューション
>>その他ソリューション