それでは、実際に線形がどの様な手順で作成されるのでしょうか?以下に基本的な手順としてIP法を紹介します。
BP、IP、EPの決定
線形の検討結果から得られたBP(路線の起点)、IP(直線要素を延長した交点、複数可)、EP(路線の終点)の位置を入力します。ここでIPの両側の直線の交差角をIAと呼びます。
■図3 |
各区間にどの断面が適用されるかについては、原則として現在地形と施工基面高の上下関係で自動的に設定されます。施工基面の方が高い場合は盛土または橋梁、低い場合は切土またはトンネルになります。
曲線諸元の決定
IPごとに、円曲線の半径、緩和曲線の種類と長さを入力します。
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■図4 |
円曲線の設置
与えられた半径で、着目するIPの両側の直線に接する円を作成します。
円曲線のシフトと緩和曲線の設置
緩和曲線についてその始点と終点の位置を計算により求めます。それにより得られる緩和曲線の円弧側の端点の位置まで円曲線を移動させます。
上記の方法があてはめられない、設置条件が厳しい場所にはIP法は使用されません。設置条件が厳しいとは例えば以下のような場所です。
- ヘアピンカーブなどの様にIAが180度以上になる。
- 複心曲線(半径が異なる二つの円曲線がひとつの緩和曲線をはさんでつながる)を含む。
- 反向曲線(緩和曲線の終点側の点が次の逆向きの緩和曲線の始点に一致する)を含む。
- 卵形曲線(起点側緩和曲線の終点と終点側緩和曲線の始点が一致する)を含む。
一方、IP法は鉄道特有の方法ではなく、道路の線形設計でも使用されます。また、図面等の表記について、緩和曲線の始点の略記は道路では ‘KA’ですが、鉄道では‘BTC’(起点側の緩和曲線の始点)および、‘ECC’(終点側の緩和曲線の始点)、同様に緩和曲線の終点はそれぞれ、‘KE’、‘BCC’、および‘ETC’となります。
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