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 Maxsurf 総合情報 Vol.34

 Maxsurf Motions(Seakeeper)

2種類の解析方法
Maxsurf Motionsは、船舶の動揺を分析するためのソフトウェアです。Maxsurfによってモデリングされた船型ファイルを読み込み、ユーザーが指定した海象におけるその船体の応答特性を計算するものです。Maxsurfのバージョン19以降、2種類の解析方法がMaxsurf Motionsに用意されています。すなわち、線形ストリップ法とパネル法です。パネル法はMaxsurf Motions Advancedにのみ備わった機能です。

船型ストリップ法は、ヒーブとピッチを計算し、ロール応答の計算には、線形ロール制振理論が使われます。グラフと表の計算結果に加え、船舶の波浪中における動揺の様子をアニメーションにより表現することが可能です。

一方、パネル法は一次の回折/放射流体分析法であり、定常パネルを前提とした、境界要素法(BEM)が使われます。パネル法は、MaxsurfのNURBS面を使ったデザインファイルを基に、分析要素を生成し、サージ、スウェイ、ヒーブ、ロール、ピッチ、ヨーの6つの自由度に関しての応答演算子(RAO)を計算します。パネル法はまた、非常に幅広い幾何形状に対応していますが、前進スピードがゼロの状態に制限されます。RAOの出力に加え、流体付加質量と制振、一次励振力とモーメント、平均漂流力とモーメント、そして船舶接水面上の圧力の計算結果を出します。

ストリップ法とパネル法により、Maxsurf Motionsは、多岐に渡る船舶タイプの動揺予測を、比較的高い精度で行なうことを可能にします。分析結果を他のMaxsurfソフトウェアへ素早くフィードバックできる便利さにより、Maxsurf Motionsは、特に初期設計の段階で、重要なツールに位置付けられます。

■図1. Maxsurf Motionsの作業フロー

前提条件
ストリップ法の前提条件
  • 細長体理論:船長は、巾もしくは深さに比べ非常に長く、さらに巾は、波長よりもはるかに短い
  • ハルはリジッド
  • スピードは中程度で、前進によるリフトは生じない
  • 動揺は、波の振幅に対して、小さく線形応答である
  • 水深は、波長に比べはるかに深く、深水近似が適用できる
  • ハルは、入射波の影響を受けない
  • 単純な強制制振を伴う質量バネシステムと見なすロールモーションは、さらに、次の仮定に基づく。
  • ロール慣性力の内の定数と見なされる付加慣性力が使われる
  • ユーザー設定の定数としての線形制振係数が使われる
パネル法の前提条件
  • 波高とその傾斜は、線形波理論が使える程十分小さい
  • 流体は非粘性、非圧縮性である
  • 流体の流れは、非回転性である

ストリップ法におけるハルの計測
Maxsurf Motionsのストリップ法で使われる、船体各2次元断面の流体力算定は、コンフォーマルマッピングが使われています。造船学では、多くの場合3パラメーターのコンフォーマルマッピングにより船型を近似しており、これが御存知のルイスフォームです。実際、多くの船型がルイスマッピングにより近似され、ストリップ法による解析が行なわれています。

これに対しMaxsurf Motionsでは、コンフォーマルマッピング数式で、15までパラメーターを増やすことを可能にしていますので、より複雑もしくは曲率の大きなチャイン 船型のような特殊な船型の近似にも適していると言えます。

■図2. コンフォーマルマッピングによる、ハルセクションの近似

■図3. ルイスフォームと、多次元パラメーターコンフォーマルマッピングの船型近似比較。青線が実船型、赤線がマッピング船型

 Maxsurfセミナー
●開催日 : 2014年6月20日(金)9:30〜16:30
●本会場 : 東京本社 品川インターシティA棟セミナールーム
 ※TV会議システムにて東京・大阪・名古屋・福岡・仙台・札幌・金沢 にて同時開催
●参加費:1名様 \18,000


     
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