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Vol. 31 州知事幹線道路安全協会(GHSA)

州政府幹線道路安全事務所(State Highway Safety Offices:SHSOs)は乗員保護や飲酒・薬物使用運転、スピード違反など運転行動に関わるさまざまな道路安全問題を扱うプログラムを実施。SHSOsの多くは、米国各州の運輸局内、あるいは公安局や他の州政府機関の一部として置かれています。
今回ご紹介する海外の土木IT関連Webサイトは、そうした米国各州および準州政府のSHSOsを代表し、「幹線道路の安全に関する各州の声」の副題を冠する「州知事幹線道路安全協会(GHSA)」です。
■Governors Highway Safety Association (http://www.ghsa.org/)

 ユニークなパートナーシップとその形成の経緯

GHSA(Governors Highway Safety Association)は、米国内国歳入法の第501条C項3号の規定に基づく非営利公益法人(501(c)(3)法人)。そのリーダーシップや協力体制、提唱を通じ、州および準州が米国内の車道上での交通事故死ゼロに向け前進する、とのビジョンを描きます。

またGHSAは、州および準州が交通安全を向上し、国の政策に影響を及ぼし、プログラムマネジメントを高め、ベストプラクティスを促進するため、率先して支援を行うことをそのミッションに位置づけ。国家的優先事項として交通安全の促進、メンバーに対する支援サービスの拡張および提供、既存のパートナーシップの強化と新規パートナーシップの開発、協会のサービスおよび重点課題を支援するための十分な資源の確保、といった具体的な目標を掲げます。

1966年道路安全法(Highway Safety Act of 1966)を受けて、危険な道路の問題に連邦・州・地方政府が連携して取り組むユニークなパートナーシップはスタート。併せて、州およびコミュニティの道路安全助成プログラム(米連邦法規集23章セクション402)が策定されています。冒頭で触れたSHSOsは、この法制定に基づいて設置されたものです。

1967年、複数州政府の幹線道路の安全に関わる代表者が全国的な安全目標に向けて情報共有や共同作業が必要との認識に立ち、公式グループとして組織化することを決定。GHSAの前身、全国州知事会議の幹線道路代表者会が誕生しました。

組織は1974年に統合され、1976年には非営利組織としての認定を取得。その後の発展を経て、2002年に現行のGHSAに改称されています。


 交通事故死ゼロを目指し、多様な取り組み

GHSAは、SHSOsの会員、およびGHSAの目標や目的を支援する団体・企業などの準会員により構成。役員および10地域の米国運輸省道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration:NHTSA)からの代表者・代理人から成る理事会によって統轄されています。その多様な成果やサービスは、会員あるいは一般向けに出版物、ニュースリリース、年次総会、Webサイトなどを通じて発信されています。

たとえば、出版物にはSHSOsの活動に関するニュースレターや定期報告、SHSOsのための各種資料などが含まれます。
そのほか、州毎の二輪車による事故死者数データ、道路安全における傾向などの特集を実施。
それらのほとんどはオンラインで閲覧することも可能です。

また、GHSAのWebサイトでは道路安全問題に対し、攻撃的な運転(aggressive driving)、不注意運転(distracted driving)、飲酒・薬物使用運転、熟練ドライバー(mature drivers)、二輪車の安全(motorcycle safety)、乗員保護、道路安全に関する再授権(reauthorization)、スピード取締カメラおよび赤信号監視カメラ(speed and red light cameras)、スピード違反、若年ドライバー(young adult drivers)、最低飲酒年齢21歳(21 minimum drinking age)といったキーワードにフォーカス。それらに関するGHSAとしての公式の方針やさまざまな情報を紹介しています。

さらに、GHSAおよびその会員は交通事故死ゼロの目標に向け、さまざまなプロジェクトや活動に参加。
交通安全性能指標の開発から、飲酒運転警告やシートベルト着用の全国的な法執行の動員支援まで、精力的に携わっています。

そのような取り組みの一つが、「Ford Driving Skills for Life(DSFL)」。背景には、米国では毎年3千人以上のティーンエイジャーが交通事故により死亡している実態があります。そこでGHSAは、フォードモーター社財団とともに必要なスキルをティーンエイジャーに教え、その交通事故による死者数を減少させることを狙いとして、2003年にDSFLを設立しました。

同プログラムは、危険認識(hazard recognition)、車両操縦(vehicle handling)、車間距離の取り方(space management)、速度管理(speed management)といった安全運転に重要な4種類のスキルにフォーカス。
専用Webサイト(https://www.drivingskillsforlife.com/index.php)を介して、無料の実践運転イベントや教材などを提供します。
具体的には、参加者がインタラクティブな運転ゲームやクイズ、ビデオ、助言などを通じ、安全かつより良い運転スキルを身につけられる「The Academy」、燃費効率の良い運転テクニックを学ぶ「Eco Driving」などのメニューが用意されています。


■ Meetingsのページ ■ Publicationsのページ

※画像はGHSAにより提供(images provided by GHSA)
※この記事は、GHSAの許諾により上記サイトの内容に基づいて書かれています

     
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