|
|
|
広場や市場、公園、街路、ウォーターフロントといった魅力ある公共空間の創出プロセスを意味するプレイスメイキング(placemaking)。今回ご紹介する海外の土木IT関連Webサイトは、地域社会のためのプレイスメイキング(Placemaking
for Communities)を謳う「公共空間プロジェクト(Project for Public Spaces:PPS)」です。 |
■ Project for Public Spaces (http://www.pps.org/) |
PPSは、地域社会の交流をいっそう深めるべく公共空間の創造・維持を計画やデザイン、教育的な観点から専門的に支援する非営利組織。自らの先駆的なプ
レイスメイキングのアプローチにより、地域の長所を際立たせ、活性化を促し、公共のニーズを満たす賑わいのある場所へと公共空間を変える、との考え方を標
榜します。
PPSが設立されたのは、1975年。「The Social Life ofSmall Urban Spaces(都市小空間の社交生活)」の著者、ウィリアム・ホワイト氏の活動成果を敷衍することが目的でした。以来、PPSは40カ国および全米50州
の3,000近い地域でプロジェクトを実施。そこでは多様な官民組織や市民グループらと提携しつつ、成功例を体現することで地域社会の向上に努めてきまし
た。
現在、PPSで手掛けるプログラムは、空間を多目的(Multi-Use)、交通(Transportation)、市場(Markets)、商業地区
(Downtowns)、官庁地区(Civic Centers)、公園(Parks)、大学や病院の構内(Campuses)、広場(Squares)、ウォーターフロント(Waterfronts)
の、大きく9分野に分けてカバー。併せて、毎年1万名以上に訓練を行うほか、Webサイトや出版物を通じてさらに多くの人々に情報を発信しています。その
成果として、プレイスメイキングに関する資源やツール、発想におけるPPSの中核的機能は国際的にも注目されるに至っています。
公共空間の計画やデザイン、運営管理の豊富な経験を誇るPPS。そうした背景を踏まえPPSが提供するサービスは、即効性のあるワークショップ、空間の
詳細計画、地域あるいは町ぐるみのプレイスメイキング計画、訓練および教育プログラム、公共空間利用に関する研究、など多岐にわたります。
従来型の計画との違いとして、PPSでは場所に依拠した地域駆動のアプローチが取られていると位置づけます。これは、長年の研究成果に根差すとともに、人々が公共空間へのユニークな構想を発展させやすいようにとの狙いも込められています。
PPSのプロジェクト・サービスでは、プレイスメイキング計画を準備するため、問題点を確認し、ビジョンを策定し、それを実現し、その卓越性を持続す
る、という4ステップから成るプロセスを設定。その具体策として、プロジェクトを再活性化させるワークショップの実施、次いでプレイスメイキングのビジョ
ンおよび活動計画の策定、域内のプレイスメイキング計画の着手を挙げます。
また、PPSの訓練プログラムは地域の生活環境向上を目指す人々に対し、公共空間の新しい見方を紹介し、実践的な技術や発想を提供しています。その内容
は、公共空間の問題点や可能性に関する認知度アップ、公共空間の利用法の理解、さらに地域に依拠したプロジェクトを実施するための内部能力、観察および
データ収集技法、公共空間のデザインおよび運用管理技能などの構築といった多様かつ具体的な項目を整備。その受講者は米国をはじめ世界中の地方議員、市民
団体の指導者、都市プランナー、交通専門家、建築家、都市デザイナー、学者など多彩におよびます。
PPSのWebサイトのページ上段からは、前述の9項目から成る公共空間のタイプ別に特化したページへとリンク。各ページでは、それぞれのカテゴリにつ
いての解説、PPSによる具体的なアプローチのあり方、実際のサービス、関連するブログおよび記事へのリンク、PPSが取り組んだプロジェクトなど、各項
目に適応した詳細な情報を得ることができます。
そのようなプロジェクトの事例は、特集プロジェクト(Featured Projects)のページに分野の違いを越えて整理されており、そこからも閲覧可能です。
また、プレイスメイキング・ブログのページにはさまざまな話題を日付順にアップ。併せて、20項目以上のカテゴリごとに過去の話題を整理したアーカイブを設置。関連するイベントも紹介しています。
記事のページでは、プレイスメイキングに関する重要な解説記事を中心に、やはり10数項目のカテゴリごとに数多くのニュースを整理し、アクセスできるようにレイアウトされています。
偉大な公共空間(Great Public Spaces)のページは、最も鮮やかに記憶している場所、掘り出し物を見つけた場所、話題の場所を集積。何が場所を偉大にするか、そしてそれぞれがなぜ
ユニークなのかを理解するため、600以上の公共空間を閲覧できます。その間に、サイト訪問者は自分の好みの場所を推挙、あるいは恥の殿堂(Hall
of Shame)に加えることもできます。
さらに店(Store)のページでは、本やビデオ、訓練授業の購入、会費、寄付などに関する情報を紹介。画像コレクション(Image Collection)のページからはPPSの活動を通じ集積した世界中の100万点近い画像を検索・閲覧、あるいは購入することも可能です。
※画像はPPSにより提供(images provided by PPS)
※この記事は、PPSの許諾により上記サイトの内容に基づいて書かれています
|
|
|
■「Project for Public Spaces(PPS)」トップページ |
|
■Featured Projects(特集プロジェクト)のページ |
|
|
|
■Downtowns(中心街、ダウンタウン)のページ |
|
■Transportation(交通)のページ |
|
|
|
(Up&Coming '11 新春号掲載) |
|
|
>> 製品総合カタログ
>> プレミアム会員サービス
>> ファイナンシャルサポート
|