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XR (X Reality、Extended Reality) |
IT TERMS INFORMATION
2018-No.3 |
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本誌読者の皆様、フォーラムエイトユーザの皆様であればきっと、「VR(Virtual Reality)」という言葉に親しみをもっていらっしゃると思います。また、スマートフォンのカメラを使った「AR(Augmented Reality)」をご存知の方もたくさんいらっしゃるでしょう。
このように新たな現実、別レイヤーの現実を生み出すことを可能にする関連技術であるAR、VR、MR(Mixed Reality)等の言葉を総称して、「XR(X Reality、Extended Reality)」といいます。技術革新によりXRは私たちの生活の中でも身近なものになってきていますが、実際のところこれらの技術にはそれぞれどのような特徴や違いがあるのでしょうか。
ARとは拡張現実ともいわれ、現実世界の中にデジタルな情報を重ね合わせて表示する技術です。肉眼で見ることのできる映像などに対して、現実には存在してない情報を付加することができます。
例えば、写真を撮影する際も、何も存在してない背景にスマートフォンのカメラをかざすと、そこに実際にあるかのようにキャラクターや文字などが現れるゲームや、人の顔にかざすとリアルタイムでエフェクトがかかって動物の耳や鼻などが付くようなアプリは広く利用されており、身近なAR技術のひとつといえるでしょう。
最近ではスマートフォンだけではなく、シースルーのメガネ型ディスプレイなどのデバイスが販売されており、位置情報と連携させることで、景色や観光名所、文化遺産などに名称や説明などを表示させるような取り組みも見られます。
■ VR(Virtual Reality、仮想現実) |
これに対して、フォーラムエイトのUC-win/Roadでお馴染みのVRを改めて定義してみると、「現実にない仮想空間を現実同様に作り出し、肉眼による外界の情報はシャットアウトした状態で、その空間内に没入した視点で活動するもの」といえます。あらかじめ用意された別の空間で活動することから、現実世界とは切り離されて構築された世界を体感できるのが特徴で、現実では難しいことも自由に設定してシミュレーションできるというメリットがあります。
フォーラムエイトでも連携システムを提供しているように、頭部に装着するHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのデバイスを用いてVR空間を体験することで、視界に仮想空間の映像を映し出したり、音声を聞いたりすることができます。視覚と聴覚という感覚に対して刺激・情報を与え、仮想空間を体感させるというわけです。
■ MR(複合現実)、SR(代替現実)、AVR(拡張VR) |
他にもMR(Mixed Reality、複合現実)、SR(Substitutional Reality、代替現実) 、AVR(Augmented
Virtual Reality、拡張VR)といった言葉もあります。
MRは現実世界とバーチャル世界を融合し、目の前の現実とCGをリアルタイムにつなぐ技術で、自らの動きに応じて映像なども変化するものです。SRでは現実空間に時間軸のずれた過去の情報を挿入することによって、現在形の現実と過去が融合するような体験ができます。また、AVRは現実のモノや人、環境等がリアルタイムにモデル化され、VR空間上に統合されてインタラクティブに作用しあうというものです。対象をVRから現実、現実からVRへと行き来させ、自由自在に扱えることができるようになります。
最近では、人間の身体に対して力、振動、動きなどを与えることによって触覚を生じさせる「ハプティクス(haptics)」という分野の研究・開発も進んでいます。この技術をVRと組み合わせることで、視覚や聴覚に加えて、実際に物に触れる感覚を味わうことができます。今後は、医療や教育訓練などの分野を中心として、活用場面がますます広がっていくと期待されている技術のひとつです。
フォーラムエイトでは、UC-win/RoadのVRとさまざまな技術やデバイスを組み合わせたシステムを提供しています。今後は、ハプティクスのなどの考え方も取り入れることで、現実をさらに進化させ、再現性や操作性の優れたシステムや、最先端の表現を追求するシステムの研究開発に取り組んで行きます。
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▲HMDとハプティクスデバイスを連携したテニスゲーム(左)と、VRモーションシートで揺れを再現したジェットコースター体験が出来るシステム(右)。 |
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