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HILS(Hardware-In-the-Loop-Simulation) |
IT TERMS INFORMATION
2014-No.2 |
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HILSとは、Hardware-In-the-Loop-Simulationの各頭文字をとった略称で、エンジンや車両挙動等を模擬した数式をリアルタイムに実行することで、実機を模擬したシミュレーションを行うことが可能な開発用シミュレータです。様々なHILSが存在しますが、自動車業界の車両開発においても広く利用されています。
HILSの外観は、デスクトップPCの様なものや、専用のBOXタイプのケースに入ったものが一般的に見られます。実機を用いることなく、実機を仮想的に再現した環境で、ECU(電子制御装置)の開発を行うことが可能となります。
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■HILSのイメージ |
車両開発におけるHILS活用のメリットは、大きく下記のようなものがあると言われています。
- 実際に制御する対象の完成を待たずに、ECU制御用のソフトウェアの検証が行えるため、開発期間を大幅に短縮することができます。
- 実物のハードウェアの試作品を作成して、テストを実施する場合に、衝突・事故などの実機では困難な、危険なケースのテストが行えます。
- 試作品の製作コストが大きくかかる場合において試作品を製作せずにテストが行え、コスト削減できます。
- 不具合が発生する条件を把握し、繰り返し、不具合の出る環境を再現してテストを行うことができます。
- 自動試験環境を構築することにより、長時間のテストを実施することができます。
HILSには、高速な演算を実行できるリアルタイム対応システムが用いられます。これらは、1ms間隔、もしくは、それ以上の速度と正確なタイミングで演算を実行することが可能なシステムです。制御をより実際の制御対象に近い状態で評価するために、一般的な事務作業等に利用されているパソコン環境では、再現が困難な、速度・正確さを確保したシステムです。
HILSは、車両開発における様々な分野で活用されています。車両ダイナミクス、エンジン挙動、サスペンション制御、レーダーセンサー制御、電気自動車のモーター、バッテリーの開発等に利用され、その適用範囲は、多岐にわたっています。
HILSに実際のドライバーの運転挙動を反映してECUをテストする環境を構築する場合には、HILSに運転デバイスや、多軸のモーションプラットフォームを組み合わせたドライビングシミュレータを構築します。これにより、数値シミュレーション上では、評価が困難な内容についても評価可能な環境を構築できます。
フォーラムエイトでは、ユーザ様のご要望に応じて、UC-win/RoadとHILSを連携した各種ドライビングシミュレータシステムを構築しています。HILSに代表される実機に近い仮想環境を活用した開発手法は、今後も多様化・高度化してくるものと考えています。今後もユーザの皆様のニーズに対応できるシミュレータ環境をご提案・ご提供してまいります。ぜひご期待ください。
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■高度研究用ドライビングシミュレータ
「情報利用型人間-自動車-交通流相互作用系シミュレーションシステム」 |
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