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      ユーザ紹介第73回 | 
     
    
      
      
        
          
            | 旭化成建材株式会社  基礎事業部 イーゼット営業部 | 
           
          
            EAZET Sales Dept., Foundation Systems Div., 
            Asahi Kasei Construction Materials Corporation | 
           
        
       
      旭化成建材株式会社のホームページ 
      http://www.eazet.com | 
     
  
 
  
    
       
      狭い現場にも対応する低騒音・低振動、さらに無残土の杭施工で先行 
      −小口径鋼管による回転杭工法「EAZET(イーゼット)工法」の説明に3D・VR活用へ− 
       
       今回ご紹介するのは、旭化成グループを構成する6事業会社の一つ、「旭化成建材株式会社」。同社は無機化学および有機化学の分野で豊富な技術の蓄積を誇るグループの特性を発揮しつつ、建材メーカーとして独自の領域を切り拓いてきました。ここではとくに、制約条件の多い市街地などでの杭施工を対象とし、他に先駆けて開発した工法の普及推進を担う同社基礎事業部の「イーゼット営業部」に焦点を当てます。 
       同営業部では当初、土木分野における「EAZET(イーゼット)工法」の設計提案を支援するツールとしてフォーラムエイトの汎用ソフト「杭基礎の設計」を導入。その利用を通じ、フォーラムエイトによる、同ソフトをカスタマイズした「EAZET工法」専用の設計ツール開発へと発展させてきました。現在は、同工法の環境面でのメリットなどをビジュアルに表現し、さまざまな潜在ユーザに分かりやすい形で説明する狙いから、さらに3次元リアルタイムVR(バーチャルリアリティ)ソフト「UC-win/Road」を採用していただくに至っています。 
       そこで、同工法の土木系顧客を担当する傍ら、これらツールの導入やカスタマイズなどにも関わられている同部マネージャーの中野知樹氏、同じく小橋弘樹氏のお二人にお話を伺いました。 
       
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       03年に分社・持株会社制へ移行した「旭化成グループ」は、現在6事業会社(旭化成ケミカルズ(株)・旭化成ホームズ(株)・旭化成ファーマ(株)・旭化成せんい(株)・旭化成エレクトロニクス(株)・旭化成建材(株))と、これら各社の株式を100%保有する旭化成(株)により構成。6事業会社はそれぞれ自立経営を行う一方、持株会社はグループ全体の戦略立案・資源配分の最適化・経営執行の監督を担うとともに、相互の事業領域を融合した新規事業の創出にも努める
      ― という体制が取られています。 
       そのうち、旭化成建材の設立は76年。以来、建築用資材などの製造・販売をメインに事業を展開。ALC(軽量気泡コンクリート)をはじめ住宅資材、鉄骨造構造資材、基礎杭、断熱材などの分野で多様な製品および施工技術の開発に取り組んでいます。 
       同社は本社(東京)のほか、全国の8事業所、5生産工場などで構成。加えて、旭化成エクステック(株)・旭化成基礎システム(株)などの関係会社を展開しており、1,000名に上る従業員が各組織に配置されています。 
       その一部門を成す基礎事業部は、もともとPHC(遠心力高強度プレストレストコンクリート)杭の開発・製造を中心に発展。途中、コンクリート杭の製造自体は行わなくなったものの、今日なお、コンクリート杭を用いるさまざまな工法の開発は継続しています。その一方で、94年からは新たに羽根付鋼管杭「EAZET(イーゼット)」の販売も開始。コンクリート系と鋼管系で明確に分離されがちな国内の業界にあって、両系統にまたがる数少ない総合杭メーカーという地歩を築いてきました。 
       「最近はコンクリート系や鋼管系の杭に加え、地盤改良関連の商品も出始めており、その三分野で技術開発を推進中です。しかも、全国展開できる体制を持っているというのが強みと言えます」。中野知樹氏は、同事業部の特徴の一端をこう描きます。 
       たとえば、「EAZET」に限って見ても、その発売と同時に組織された同工法の営業体制は現在、東京・札幌・仙台・名古屋・大阪・広島・福岡と全国7ヵ所にイーゼット営業拠点を構えるまでに拡充。さらに多数のイーゼット販売・施工店が、その全国を網羅する独自の営業・施工体制を支えています。また、適用分野に応じて建築系・土木系という二系統のメニューを用意。今回ご紹介する「イーゼット営業部」で土木を担当するチームは土木・耐震免震担当部長の河田泰之氏以下5名のメンバーにより構成されています。 
       
       
      
        
          
            ■「EAZET工法」 ― 住宅専用杭から建築、土木へと広がる裾野 
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       環境に対する意識の高まりを反映し、土木・建築工事においては環境面でより優れた工法が求められる流れにあります。そのため杭施工に関しても、支持力をはじめ杭としての基本性能の向上はもちろん、市街地での限られた作業スペースに即したコンパクト化、あるいは発生する残土の最少化といった環境対応が大きな課題とされてきました。 
       そこで、杭の総合メーカーを標榜する旭化成建材が自らこうしたニーズに応えるためのフラッグシップ商品と位置づけるのが、「EAZET工法」です。 
       「EAZET工法」は鋼管杭の先端に、鋼管径の1.87〜3.00倍に相当する大きさのらせん状の羽根を施し、鋼管を回転させながら地面に貫入させて支持杭 
      にしようという回転杭工法。用いられる鋼管は、直径114.3o〜355.6oと小口径であるにもかかわらず、先端羽根の効果により、鋼管径と比べて高い支持力・引き抜き性能を実現するというもの。 
       また、杭の継手は通常の溶接継手のほか、独自に開発した機械式継手「CCジョイント」を採用。従来の溶接作業を伴う工法で要した接続時間を大幅に短縮、天候や溶接工の技能に左右されない安定した杭接続も可能にしました。 
       さらに、工事では専用の小型施工機械が使われるため、従来は施工が困難であった狭隘な現場、あるいは上空制限のある現場での杭施工も、低騒音・低振動・無排土で実施可能。加えて、高性能かつ多彩な施工機械は全国に配備されており、豊富な杭材のバリエーションと併せ、現場ごとに異なる施工条件や要求性能に最適なソリューションをもたらすことが出来るとしています。 
       
       「現在では、鋼管杭を回転させながら残土なしで沈めるというこの工法も一般化しつつありますが、当社がいち早く商品化しています」 
       もともと、ロングライフ住宅を目指す旭化成ホームズ(株)の「へーベルハウス」用として、短期間で高支持力を得られる新たな杭工法が求められていました。しかも、都市型住宅ということで狭い敷地面積にも対応できるよう、小径の鋼管を小型機械で施工するといった発想が重ねられ、住宅専用杭の開発に至りました。 
       次いで、その成果は「へーベルハウス」専用杭のみでなく、一般建築向けとしても大きな効果が見込まれたこともあり、94年に初めて建設大臣認定を取得。本格的に一般市場向け販売が開始された、と中野知樹氏は語ります。 
       その後、各鋼管メーカーでも回転鋼管杭への対応が拡大。場所打ち杭や既成杭などと置き換わる一方、その手軽さから以前は杭そのものが用いられなかったような分野に組み入れられる流れも窺われるといいます。 
       「制限条件がある現場は建築ばかりでなく、土木構造物にも多く、そこでは使えないのか」との顧客からの声を受けて、まずは専門的な評価を得るべく07年3月、(財)国土技術研究センターの技術審査証明書を取得。十年に及ぶ建築分野での利用実績を基に、「EAZET工法」は土木構造物向け杭工法としても新たな展開をスタートしました。 
       当面は、工法自体の特性から多種多様な土木構造物の中でも比較的小規 
      模なものへの適用が想定され、歩道橋・ペデストリアンデッキのバリアフリー化、鉄道駅の施設、プラント、橋梁構造物、道路擁壁、塔などでの有効性が期待されています。 
       
       
      
       
       「『杭基礎設計便覧』が改訂されたため、それに対応するソフトを購入したのがきっかけです」 
       07年初め、14年ぶりの改訂となった「杭基礎設計便覧」(平成18年度改訂版)が発行されました。そこで、同改訂を反映した複数の杭基礎設計ソフトを検討する中で使いやすく、しかもユーザである建設コンサルタントの大半が使用していることなどの理由からフォーラムエイトの「杭基礎の設計」の導入を決めた、と小橋弘樹氏は今回一連のお付き合いに至った経緯を振り返ります。 
       07年3月にこの汎用ソフトを購入。以来、使い進める過程で、特殊な杭である「EAZET」用として、今度はこれをカスタマイズできないかとのニーズに対し、フォーラムエイトが対応。5月にはそのカスタマイズ版もリリースされています。 
       カスタマイズ版への評価に加え、こうしたプロセスを通じて信頼関係が醸成されてきた中で、新たに「UC-win/Road」のもたらす可能性も注目された、と中野知樹氏は述べます。つまり、既存工法との違いや環境面での優位性をアピールすることで土木分野への本格的な展開を図ろうという「EAZET工法」の説明ツールとして、従来のような紙ベースの手法にはない効果が期待されたといいます。 
       「杭工法の選択肢が複数ある中で、実際の施工環境をリアルかつ立体的に表現し、そこに『EAZET工法』を当てはめ、しかも動画像としてお見せできることにより幅広い関係者への分かりやすい提案を実現できるのではと考えました」 
       「EAZET工法」自体、土木分野ではまず知ってもらうための取り組みが始まったばかり。とはいえ、耐震補強やバリアフリー化、あるいは環境重視の流れは同工法にとってフォローとなり得る。それだけに、新たな3D・VR活用を弾みに具体的なビジネスチャンスへ繋げていきたいとの意向を示します。 
       
       お忙しい中、取材にご対応ご協力いただいた関係者の皆様に改めてお礼申し上げます。 
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            ▲左から、高木 実氏、中野 知樹氏、河田 泰之氏、 
            桑野 由佳子氏、小橋 弘樹氏 | 
           
          
             
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            ▲ショールーム 
             
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            | EAZET工法施工事例 | 
           
          
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            | ▲高架下での施工状況 | 
           
          
            
            
              
                
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                  | ▲残土無し施工状況 | 
                  ▲歩道橋のバリアフリー化 | 
                 
              
             
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            EAZETの設計計算 
            (UC-win/UC-1受託開発サービスにより開発) | 
           
          
             
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            | ▲EAZETメイン画面 | 
           
          
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            | ▲安定計算画面 | 
           
          
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            UC-win/RoadによるEAZET工法 
            VRシミュレーション | 
           
          
             
            
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