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近年の1D/2D解析の普及に伴い、解析自体の有効性が一般化されてきたことにより、今後さらに、あらゆる複雑な現象に対して、より精緻なモデル構築が求められてくるといえます。昨年のFEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)の認定により、1D/2D解析につきましては様々な検証により、実務レベルにおいて所要の解析精度を有していることが実証されておりますが、更なる解析機能拡張により、汎用的多目的での利用により、ユーザー様にとっての新たな業務拡張に展開していただくことで、ご活用いただければと期待しております。
今回は、最新バージョンから新たにアドオンモジュールとして追加されたマルチ2Dドメインモジュールにつきまして、マルチ2Dドメインとはいったい、どのような機能であるのか、その機能概要と設定要領についてご紹介します。
マルチ2Dドメインとは、二次元解析における解析グリッドの設定バリエーションの拡張であり、一つのモデルにおいて複数の2Dグリッドを設定できる機能です。一つの氾濫域内において、構造物の多い都市域では、構造物間の流れの再現や、構造物の形状をより反映させた解析を行うには、2Dグリッドを小さく設定する必要があります。一方、同じ氾濫域内において構造物がなく、地形も平坦である部分においては、2Dグリッドサイズが構造物密集域と同程度である必要はありません。また、河川解析においても、河幅の狭く蛇行した河道内での一次元流れを呈さないような流況を二次元解析により精緻に表現するには、河道内の2Dグリッドは小さく設定する方が望ましく、一方、河川左右岸の氾濫原での解析では、地形の起伏がそれほど大きくない場合には、氾濫原の2Dグリッドは必ずしも小さく設定する必要はありません。つまり、河道と氾濫原とで、異なる2Dグリッドサイズの設定が望ましくなります。
このマルチ2Dドメインでは、都市域であれば住宅密集域と住宅過疎域とで異なるグリッドサイズの設定を可能にし、河川域であれば、河道と氾濫原とで異なるグリッド材図の設定を可能にします。これにより、セル数同スペックでの使用に際しても、複数の2Dグリッドサイズの設定により、2Dグリッドを込まなくしたい範囲でのより細かいグリッドの設定が行えることから解析精度の向上や、平坦地形部でのグリッドを粗くすることから解析時間の短縮が図れます。
■マルチ2Dドメインの設定要項
1.河道範囲のグリッドの設定(河道:5mメッシュ)
2. 右岸氾濫原のグリッド設定、左岸氾濫原のグリッド設定(右岸15mメッシュ,左岸10mメッシュ)
3. 2D/2Dインターフェースの入力
4. 2D/2Dインターフェースの設定
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有限差分法における計算格子の設定においては、差分法の数値解析理論上、運動方程式を離散化した離散点上での計算となるため、2Dグリッドの設定に際しては、なるべく流れの方向に沿った方向になっていることにより、解析の安定性が向上し、解析精度が上がることも期待できます。
マルチ2Dドメインで設定したグリッド範囲単位において、グリッドの方向を任意に変えることができます。これにより、図面上での河川流下方向に関係なく、河道では河川の流下方向にグリッドの方向を合わせ、氾濫原では越流する方向にグリッドの方向を合わせることが可能となります。
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2Dグリッドの方向設定 |
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