本製品は「ウエルポイント工法便覧」(社)日本ウエルポイント協会編、2007年7月に準拠して、ウエルポイント工法及びディープウエル工法の設計計算を行うシステムです。
ウェルポイント工法とは、ウェルポイントと称するストレーナーを持った吸水管に揚水管を取り付けた小さな井戸を、基礎の周囲に多数打ち込んで小さな真空井戸のカーテンを作り、掘削領域など必要な区域の揚水をする工法です(図1)。
ディープウェル(深井戸)工法は地盤が砂、砂利層で透水性が高く、1か所の井戸で広範囲に地下水位を下げたい場合や透水性の非常に低い掘削床面の下に高い水圧を持った地下水帯があり、この水圧による掘削床面のヒービングを防止するため、地下水帯の減圧を計る場合に用います(図1)。
■図1 ウェルポイント・ディープウェル工法の概念図
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図2に示すような井戸から水を汲み上げると、地下水面ははじめの水位Hからだんだん低下するが、ある程度まで低下すると、汲み上げる量と湧く量が等しくなって、水位はほぼ一定のhoとなって安定します。(定常状態)。
■図2 地下水位低下のイメージ
井戸の周りの地下水位も低下し、一つの水面勾配、すなわち動水勾配iを作って井戸に向かって流れます。ダルシーの法則から流速vと透水係数kおよび動水勾配iの関係があります。1つの円筒を考えると、以下の式で半径Rとし、hはその半径位置の水面です。動水勾配iはdh/drで表現されるので以下の基本式が成り立ちます。
両辺に展開して積分すると以下の井戸公式となります。ここでQは揚水量、Hは初期の地下水の深さ、hoは低下後の水位の深さ、Rは影響半径、roは井戸の半径であり、軸対象の浸透流を表現します。
井戸の中心から遠く離れると地下水位は低下しないため、井戸の流れとは無関係な区域が外側にあります。この境界をなす円を影響円と呼び、その半径Rを影響半径と呼びます。
検討領域を囲むように複数の井戸が近接して配置されている場合、大きな仮想井戸と見立てて上記の井戸公式を適用します。
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項目 |
内容 |
工法 |
ウェルポイント工法
ディープウェル工法 |
計算式 |
井戸公式
スリット公式(ウェルポイント工法) |
地盤 |
水平多層 (20層まで) |
井戸の配置 |
作図システムで任意形状 |
出力 |
揚水量、ポンプの選定、透水線図、断面図 |
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- 掘削形状 グリッド(格子)の点を結んだ任意形状を設定できます。
- 井戸形式:完全/不完全貫入井戸 透水層を貫入した井戸もしくは途中までの井戸の両方に対応します。
- 地層状態:自由/被圧地下水 透水層が被圧を受けていない場合と受けている場合の両方に対応します。
- 経過時間:定常状態に対応します。
- 揚水量計算:単一井戸/群井 任意地点の水位低下量は群井の式で計算します。
- ウェル本数:200本まで
- ヘッダーパイプ5段まで
- 透水係数が異なる多層に対して平均透水係数(層厚による加重平均)を用います。
- 等水線図(コンタ図)による確認機能
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「ウェルポイント工法便覧」(社)日本ウェルポイント協会編、2007年7月
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計算条件などのデータを対話形式で入力します。井戸の平面配置は掘削線、ヘッダーパイプとともに簡易なCADの機能により作図して入力可能です(図3)
■図3 井戸の配置平面の入力
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計算結果をまとめた結果一覧と設計条件等詳細な内容を含んだ結果詳細を用意しています。
また、平面図に井戸の配置と低下した水位を示す等水線図(コンタ図など)および横断面の画面を表示し、計算書に印刷することができます。(図4・5)
画面でプレビューした内容を画面、プリンタに出力します。出力箇所の指定、章節番号およびタイトルの編集を行うことができます(図6)。
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■図4 低下した水位を示す透水線図 |
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■図5 地下水位が所要の水位まで
低下したか判定する図 |
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■図6 計算結果一覧を示す
計算書 |
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