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土留め工の設計のなぜ? 解決フォーラム
『水中掘削モデル、左右の地表面に
 高低差があるモデルは可能か?』
 今回は、「土留め工の設計」で検討可能なモデルであるかどうかの確認として多くのお問い合わせをいただいている、「水中掘削モデル」と「左右の地表面に高低差があるモデル」について説明します。制約事項はありますが、基本的には対応可能であると考えています。
 水中掘削モデル
 まず最初に、水中掘削モデルについて説明します。

1. 土留め壁打設時

 図1に示すように、河川の締切工に近い状態で、水中に土留め壁を打ち込み、掘削側の水位を徐々に下げながら切梁を設置し、目的とする掘削深さを施工するということになります。この際、「地表面標高<水位<壁体天端」という高さ関係になります。これらの標高情報は図2の[初期入力]画面で設定します。

■図1 土留め打設状態 ■図2 初期入力画面


2.1次掘削時

 図3に示すように、掘削側(画面左側)の水位を下げた状態が、1次掘削時になります。1段目の切梁を設置できる程度に水位を下げることになります。このケースでは、背面側と掘削側の水圧差が作用力になります。掘削側の水位の設定は、図4に示す[検討ケース]画面で各ケースを選択し、図5に示す編集画面の「掘削側水位を変更する」にチェックマークを入れた上で、お考えの水位を設定していただくことになります。

■図3 1次掘削時(開始モデル) ■図4 検討ケース画面 ■図5 検討ケース編集画面


3.最終掘削時

 最終的には、図6に示すような最終掘削時になります。この図の1段目の切梁のように、土留め壁の突出している部分に切梁を設置することも可能です。 以上の方法をご検討ください。
■図6 最終堀削時(終了モデル)

 左右の地表面に高低差があるモデル
 図7に示す「左右の地表面に高低差があるモデル」について説明します。

1. 高低差がある土留めとは

 実際には、傾斜している地形上に土留め壁を仮設する場合と考えられます。本製品では、地形の傾斜をそのまま入力することができないため、左右の地表面標高を土留め壁の設置位置に合わせて設定していただくことになると考えられます。
 [初期入力]画面では、地表面天端高が高い方の情報を入力し、いったん、フラットなモデルを作成した上で、図8に示す[形状-側面]画面で地表面天端高を変更することになります。図7では左右の壁体天端高は同じですが、壁体天端高も異なる条件に変更することができます。
 なお、このように、左右の土留め壁の条件が異なる場合は、弾塑性法による「両壁一体解析」(仮設指針P.356)を行うことになります。

■図7 高低差があるモデル) ■図8 側面形状


2. 対応できないモデル

 次に、高低差がある場合で対応できないケースについて説明します。たとえば、左右の地表面天端高に極端な差あり、図9の左壁のように、背面側の地表天端高より、掘削面の方が高い場合は検討することができません。これは、開発当初に、背面側より掘削側が高い土留め構造はありえないという前提で、プログラム全体の仕様を作成したことによります。
 図9で計算を実行すると「基本&検討ケースエラー:左壁1次掘削時の掘削底面位置が背面側地表面天端以上になっています。必ず背面側地表面より下にしてください。」というエラーメッセージが表示されます。
 このように、掘削段階において掘削側が背面側より高い状態が生じる場合への対応も、今後の大きなテーマである認識しており、モデル化では回避できないケースへの機能拡張に努力してまいりたいと考えております。

■図9 適用外のモデル


     
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