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新製品紹介

●コンクリートの維持管理支援ツールVer.2 ひび割れ調査編、維持管理編

●はじめに
 「コンクリートの維持管理支援ツール Ver.2」は、「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針((社)日本コンクリート工学協会)」および「コンクリート標準示方書((社)土木学会)」の基準改訂を受け、各新基準に準拠した、コンクリート構造物の維持管理業務を支援するソフトウェアです。
表1に示すように、本製品は「ひび割れ調査編」と「維持管理編」で構成され、「ひび割れ調査編」は「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針」に基づく「ひび割れ調査」プログラム、「コンクリート標準示方書[設計編]」・「エポキシ樹脂塗装鉄筋を用いる鉄筋コンクリートの設計施工指針(以下、エポキシ鉄筋設計施工指針)」に基づく「設計編」プログラム、「維持管理編」は「コンクリート標準示方書[維持管理編]」に基づく「維持管理編」プログラムで構成されています。
 以下では、2009年9末にリリースを予定する各プログラムの機能や特徴と合わせ、GIS(地理情報システム)連携機能について紹介します。

準拠基準
(社)日本コンクリート工学協会:コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針−2009−,2009.
(社)土木学会:【2007年制定】コンクリート標準示方書[設計編],2007.
(社)土木学会:コンクリートライブラリー112 エポキシ樹脂塗装鉄筋を用いる鉄筋コンクリートの設計施工指針[改訂版],2003.
(社)土木学会:【2007年制定】コンクリート標準示方書[維持管理編],2007.

表1 本製品の構成
製品名 プログラム名 機能
(ひび割れ調査編)Ver.2 「ひび割れ調査」 ・ひび割れ原因の推定
・ひび割れの評価
・補修・補強の要否判定
・補修工法の選定
「設計編」 ・耐久性照査
・性能照査
・配合設計
(維持管理編)Ver.2 「維持管理編」 ・劣化過程の判定
・劣化進行の予測


●「ひび割れ調査」プログラム
 弊社では、当該指針を準拠指針とするに当たり、その著作者である(社)日本コンクリート工学協会より使用許諾を取得しております。
 本プログラムでは、「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針」の考え方に基づいて、調査結果からのひび割れの原因推定と補修・補強の要否の判定、推定されたひび割れの原因に応じた補修工法の選定ができます。

■ひび割れ原因の推定
 調査結果に基づくデータ、すなわち、「原因のおおよその判定」、「パターンの分類」、「メカニズムによる分類」、「その他の分類」に関するデータを入力することで、各項目で共通の原因を検索し、ひび割れの原因を推定します。

■ひび割れの評価
 発生原因等に応じて発生したひび割れの評価を、評価 I (乾燥収縮等)、評価U(中性化・塩害等)、評価III(複合的劣化等)の3つに分類し、各評価分類での評価方法にしたがってひび割れを評価します。

■補修・補強の要否判定
 構造物に要求される性能「構造安全性能」、「第三者への影響度に関する性能」、「使用性能」、「耐久性能」、「修復性」の内、「使用性能」と「耐久性能」に対して、ひび割れ幅に基づく補修の要否判定を行います。

■補修工法の選定
 補修の目的、ひび割れの状況・状態、鉄筋の腐食の有無により適した補修工法を選定します。また、アルカリ骨材反応、中性化、塩害、凍害、化学的侵食など劣化に起因する場合には要求性能に応じて補修工法を選定します。


●「設計編」プログラム
 本プログラムでは、「コンクリート標準示方書[設計編]」および「エポキシ鉄筋設計施工指針」の考え方に基づいて、コンクリート構造物の耐久性照査とコンクリートの配合設計に必要なコンクリートの性能照査ができます。

■コンクリートの耐久性照査・性能照査
 耐久性照査・性能照査は、以下に示す構造物の劣化に対する抵抗性および水密性に関するものです。
   (1)中性化に伴う鋼材腐食に対する照査[設計編]
   (2)塩害に対する照査[設計編][エポキシ鉄筋設計施工指針]
   (3)凍害に対する照査[設計編]
   (4)化学的侵食に対する照査[設計編]
   (5)水密性に対する照査[設計編]

■配合設計
 耐久性によっては、試験結果により特性値を判断する必要がありますが、主に水セメント比により特性値を推定できる事項に対しては、セメント(結合材)比と圧縮強度の関係式より、セメント量や骨材量を推定できます。


●「維持管理編」プログラム
 本プログラムでは、「コンクリート標準示方書[維持管理編]」の考え方に基づき、8つの劣化要因「中性化」、「塩害」、「凍害」、「化学的侵食」、「アルカリシリカ反応」、「床版の疲労」、「はり部材の疲労」、「すり減り」に対して、コンクリート構造物の劣化過程の判定および劣化進行の予測ができます。

■劣化過程の判定:
「維持管理編」は劣化過程を基本的に「潜伏期」、「進展期」、「加速期」、「劣化期」に区分しており、この区分、外観調査によって得られた情報と劣化過程の判定に用いる指標に基づいて、構造物の調査時点の劣化過程を判定します。

■劣化進行の予測:
同様に、劣化過程の区分、外観調査によって得られた情報と劣化過程の判定に用いる指標に基づいて、各劣化過程に達する時期あるいは予定供用期間終了時の劣化過程を予測します。


●GIS連携機能
 本GIS連携機能により、調査地点や現在数値入力する塩化物イオン濃度(海岸からの距離等に依存)を自動設定でき、図1に示すように、調査地点を国土地理院の「電子国土ポータル)」を利用した2次元地図上で確認できるようになります。これからも、ユーザ様のご意見・ご要望を取り入れ、「コンクリートの維持管理支援ツール」を改善してまいりますので、どうぞご期待ください。

▲図1「電子国土ポータル(http://portal.cyberjapan.jp/)」による確認画面イメージ
(水色線:海岸線、紺色線:最短距離線)


コンクリートの維持管理支援ツール Ver.2 リリース予定日:2009年9月末
(Up&Coming '09 秋の号掲載)
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