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杭の軸直角方向バネ定数K1〜K4が「道路橋示方書・同解説W下部構造編(平成14年3月)社団法人日本道路協会」表−解12.6.1杭の軸直角方向バネ定数(P.376)の算式で求めた値と合わないのはなぜ? |
「道路橋示方書・同解説W下部構造編(平成14年3月)社団法人日本道路協会」(以下、「道示W」とします。)の表−解12.6.1の算式は、道示WP.375に記述されているとおり、「水平方向地盤反力係数が深さによらず一定」(単一層)で、杭先端条件が影響しないほど「杭の根入れ深さが十分に長い」場合に適用できるものです。したがって、多層地盤等、条件に合致していないケースでは、K1〜K4値は、表−解12.6.1式から求めた値とは一致しません。また、道示W図−解12.6.1有限長杭の軸直角方向バネ定数の補正係数(P.377)についてもP.376の記述「水平方向地盤反力係数kHが深さ方向に一定と仮定できるとき」のとおり、多層地盤に適用することはできません。
杭軸直角方向バネ定数K1〜K4は、
K1,K3: |
杭頭部に回転を生じさせないようにして、杭頭部を杭軸直角方向に単位量だけ変位させるとき、杭頭部に作用させるべき軸直角方向力(kN/m)および曲げモーメント(kN.m/m) |
K2,K4: |
杭頭部に移動を生じさせないようにして、杭頭部を単位量だけ回転させるとき、杭頭部に作用させるべき軸直角方向力(kN/rad)および曲げモーメント(kN.m/rad) |
と定義され、以下の関係で表すことができます。
ここに、Ho:杭頭に作用させる単位水平力(kN)
Mo:杭頭に作用させる単位モーメント(kN.m)
δoH:杭頭にHoだけを載荷したときに杭頭に生じる水平変位(m)
δoM:杭頭にMoだけを載荷したときに杭頭に生じる水平変位(m)
θoH:杭頭にHoだけを載荷したときに杭頭に生じる回転角(rad)
θoM:杭頭にMoだけを載荷したときに杭頭に生じる回転角(rad)
当社の杭基礎機能(道示W準拠)を有したプログラムは、半無限長の杭,有限長の杭に関わらず、常に、水平方向地盤反力係数kH分布,断面変化,杭先端支持条件を考慮した弾性床上はりモデルを作成し、厳密な計算により上記の関係から杭軸直角方向バネ定数を算定しています。
問い合わせされた方は、多層地盤で道示W表−解12.6.1の算式を適用されたとき、換算載荷幅BH算定で求まった1/βの深さまでの平均的なkHを用いられたものと思います。上図は、異なるkH分布でありながら、1/βの範囲の平均的なkHが等しくなる例を挙げたもので、単一層として取り扱うと杭軸直角方向バネ値も等しくなってしまいます。しかし、実際のkH分布どおりにモデル化すると、これら3ケースの杭軸直角方向バネ定数は明らかに異なることになります。多層地盤を無理に単一層として取り扱うことは、地盤の特性を正しく反映することができない危険性がありますので、避けた方がよいと考えます。 |
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(Up&Coming '05 秋の号掲載) |
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