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新製品紹介

●UC-win/FRAME(3D) Ver.1.07

 UC-win/FRAME(3D)は、3次元骨組構造解析プログラムです。Lite版では静的線形解析と影響線を用いた活荷重の計算をサポートします。Advanced版ではLite版の機能に加えて、材料非線形と幾何学的非線形(大変位理論)を考慮した静的および動的解析をサポートします。両版ともフレーム計算後に応力度や耐力等を算出する断面計算機能があります。
 今回のバージョンでは、以下の項目に対応しました。Advanced版ではすべて無償改訂となります。

(1) コンクリートヒステリシスの新タイプ
 ヒステリシスに「コンクリート(2次曲線型)」を追加しました(図1)。各種設計基準では2次曲線型のコンクリート応力−ひずみ曲線が曲げ耐力用としてよく用いられますが、今回の対応により、ファイバー要素にそれを定義できるようになりました。2次曲線を決定するパラメータは各設計基準でそれぞれ異なるので、下記に示すリストを選択することにより自動的に設定する機能を設けました。
道路橋示方書IIIコンクリート橋編 ・道路橋示方書IV下部構造編の「はり、橋台のパラペット等」
道路橋示方書IV下部構造編の「SC杭」
道路橋示方書IV下部構造編の「RC杭、PHC杭(中空)」
道路橋示方書V耐震設計編の「コンクリート充填鋼製橋脚」
鉄道構造物等設計標準・同解説 コンクリート構造物(H16.4)
鉄道構造物等設計標準・同解説 コンクリート構造物(H11.10)
2002年制定コンクリート標準示方書[構造性能照査]
平成8年制定コンクリート標準示方書[設計編]
名古屋高速道路公社:耐震設計基準(H15.10)の「コンクリート充填鋼製橋脚」


▲図1 ヒステリシス「コンクリート(2次曲線型)」
(2) M−φ特性、ばね特性に新タイプを追加

 M−φ特性に、下記4タイプを追加しました。
   ・トリリニア対称型−弾性、原点指向、原点最大点指向
   ・トリリニア非対称型−弾性

ばね特性に下記3タイプを追加しました。
   ・バイリニア対称型−Clough/スリップ
   ・バイリニア非対称型−Clough/スリップ
   ・トリリニア対称型−弾性

「Clough/スリップ」は平成11年鉄道構造物等設計標準・同解説 耐震設計(以下、鉄道耐震基準と呼びます)の巻末に示される「ケーソン基礎の履歴性状」を参考にしています(図2)。このモデルは非自立係数βz(=0〜1)をパラメータにして、1つの復元力モデルで、Clough型・スリップ型・混合型の3種類を表現できます。Clough型は杭基礎の支持ばねやケーソン基礎の履歴特性として、スリップ型はX型ブレースの履歴特性として用いられることがあります。混合型は、深礎杭やPCウェルなどのパイルベント形式基礎の履歴特性に用いる場合があるようです。

 M−φ特性、ばね特性の両方に下記4タイプを追加しました。
   ・テトラリニア対称型−Takeda、鉄道耐震RC
   ・テトラリニア非対称型−Takeda、鉄道耐震RC

「テトラリニア型−鉄道耐震RC」は、鉄道耐震の巻末に示される「鉄筋コンクリート部材の復元力モデル」です(図3)。これらの対応によって、鉄道標準に準拠した部材の非線形特性を、M−φ関係またはM−θ関係でモデル化することができるようになりました。


▲図2 ばね特性「バイリニア−Clough/スリップ」
                    (左からスリップ型、混合型、Clough型)

図3 テトラリニア型−鉄道耐震RC→


(3) 変形図と損傷図の同時アニメーション表示機能の追加

 損傷図は、ファイバー要素やM−φ要素の損傷状態(降伏、終局など)を色で表示する機能です。従来版では、損傷図と変形図を別々にアニメーションしていましたが、今回はそれらを同時に表示する機能を追加しました。(図4)



(4) AutoCADのデータファイル形式(*.dwg、*.dxf)に対応

 AutoCADのデータ形式であるdwg/dxfファイルを読み込み、3次元空間に骨組みを自動生成する機能を追加しました。CADデータ側で線分が交差している場合は、交点を自動的に検索し節点を配置します。また、線分の色を識別して各フレームに異なる数値断面を割当てます。この機能を利用することで、モデル作成の初期段階における骨組み作成を効率よく行えることと思います。


UC-win/FRAME(3D) Ver.1.07 リリース予定日 : 2005年10月14日



▲図4 変形と損傷の同時アニメーション
  (倍率=100倍)


(Up&Coming '05 秋の号掲載)
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