土木・建設のフィールドでは、ようやく設計成果の電子納品が一般化し、今後、蓄積されたデータをベースに本格的なデータ共有、交換が始まるものと思われます。しかしながら、肝心のデータ交換標準が、最終的なステップで規定化されている状態になるまで少し時間が必要な状況と言えます。
データ交換標準などの策定は、JACIC、SCOPEなどの各組織が精力的に進めており、フォーラムエイトもJACICの属性セット構築検討SWGで活動を行っています。また、OCF(オープンCADフォーマット評議会)では、ご存じの通り、CADソフトなどにおけるSXF(※1)フォーマットによるCADデータ交換の技術者検定試験、認証などの活動が行われており、「UC-Draw」、「UC−1設計シリーズ」、「UC-Drawツールズ」は、この認証を受けています。
2004年11月には、IAI日本 土木分科会(※2)が発足し、土木分野におけるデータ交換標準IFC(※3)の推進に動き出しています。今後、異なるソフトウェア間で、有効な相互運用を可能にするための標準化が進んでくるものと思われます。
フォーラムエイトでは、UC-winシリーズのデータフォーマットに早くからXML(※4)を使用しています。また、UC-1シリーズについては、2003年8月に全ての製品について、データ保存形式をXMLへ移行し、現在製品間の連動などもこのフォーマットで統一されています。各製品のXML標準TAGは、グループウェアで管理されており、効率的な製品開発を進めています。本年には、「F8出力編集ツール」や「調表出力ライブライリ」を統合したドキュメンテーションツール「F8DocServ」を提供する予定で、各種XMLデータを製品にかかわらず簡単に出力フォームにマッピングできる機能をサポートします。(右上段図参考) 総括的な設計計算書の作成などにも便利で、ソフトウェアのデータを有効利用できる統合的な文書ツールです。PDF、Wordなどの各種文書ファイル形式でも保存できる仕様としています。
SXFによる図面データを利用する機能をUC-1設計計算ソフトでも順次実装しています。例えば「斜面の安定計算」では、地層ブロック図の入力に利用でき(右中段図参考)、その他地盤解析シリーズ(3次元地すべり解析LEM3D、地盤の動的有効応力解析UWLC)でもサポートされています。
土木分野における3次元データの交換は、「LandXML」に準拠した標準化が本命視されています。フォーラムエイトでは、昨年、これを中間フォーマットにしたデータ交換ツールを開発し、「道路詳細CAD」などとのデータ交換を実現しています。
今後もソフトウェア間の有効なデータ利用のための製品開発、サポートを引き続き積極的に進めていく予定です。
※1 |
SXF(Scadec data eXchange Format) |
※2 |
IAI(International Alliance for Interoperability Japan Association) |
※3 |
IFC(Industry Foundation Classes) |
※4 |
XML (eXtensible Markup Language=拡張型構造化記述言語) |
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■XMLを利用したドキュメンテーションツール
(FORUM8 Document Server)
■SXFを利用した図面ファイルのインポート機能
(UC-1斜面の安定計算)
■LandXMLを利用した道路詳細CADとVRのデータ交換
▼HICAD-UCーwin/Road データエクスチェンジツール
※HICAD、HICAPは、(株)横河技術情報社の製品です。
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