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マンホールの設計・3D配筋のなぜ? 解決フォーラム

耐震計算における地盤反力係数について

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「マンホールの設計・3D配筋 Ver.7」では、(公社)日本下水道協会「下水道施設の耐震対策指針と解説 2006年版/2014年版」に準拠したマンホールの耐震計算が可能ですが、このときの基準年度の違いによる地盤反力係数の考え方や注意点について紹介いたします。

地盤反力係数の算出式

マンホールの耐震計算では、鉛直方向のフレームモデルに対して地盤ばねを設定します。地盤ばねを設定するのに必要となる地盤反力係数は、下記の式で算出されます。

下水道施設の耐震対策指針と解説 2006年版

ここに、

khi :水平方向地盤反力係数 (kN/m3)

kh0 :直径0.3mの剛体円板による平板載荷試験の値に相当

する水平方向地盤反力係数 (kN/m3)

α :地盤反力係数の推定に用いる係数

E0 :変形係数 (kN/m2)

Bh :基礎の換算載荷幅 (m)

Ah :水平方向載荷面積 (m2)

下水道施設の耐震対策指針と解説 2014年版

kh :水平方向地盤反力係数 (kN/m3)

ED :表層地盤の動的変形係数 (kN/m2)

νD :表層地盤の動的ポアソン比

Hw :マンホール底面下端からマンホール蓋上面までの高さ(m)

GD :表層地盤の動的せん断弾性係数(kN/m2)

γteq :表層地盤の単位体積重量 (kN/m3)

g :重力加速度 9.8(m/s)

VSD :表層地盤の動的せん断弾性波速度 (m/s)

Hg :表層地盤の厚さ (m)

Ts :表層地盤の固有周期 (s)

基準年度の違いによる地盤ばねの考え方の相違

2006年版の指針に準拠する場合、地盤反力係数は道路橋示方書等と同様に各層の地盤の変形係数E0より算出され、層ごとに異なる地盤反力係数が算出されます。

一方、2014年版の指針では、表層地盤の動的変形係数EDや表層地盤の動的ポアソン比ν等から地盤反力係数が算出されますが、2014年版では表層を一様な地盤として考えるため、地盤反力係数は層ごとには算出されず、表層として単一の地盤反力係数となります。

図1 地盤反力係数

本製品では、マンホールの一部が地表面より上に突出するケースには対応していませんが、2006年版の指針に準拠する場合、突出する部分の地盤の変形係数を0とすれば地盤反力係数も0となり、(適用については設計者の判断が必要となりますが)疑似的に突出したマンホールの計算も可能と考えられます。しかし、2014年版の指針に準拠する場合、前述の通り表層地盤を一様として扱うため、疑似的にも突出したマンホールの検討を行うことはできません。

また、鉛直方向の計算のモデル化の方法として、節点にばねを設定し、そのばねに地盤変位に相当する荷重を載荷する方法と、部材に分布ばねを設定し、そのばねに地盤変位に相当する分布荷重を載荷する方法があります。2006年版の指針に準拠した「下水道施設耐震設計例−管路施設編−2001年版(後編)」のマンホールの計算例は節点ばねのモデルとなっていますが、2014年版の指針に準拠した「下水道施設耐震設計例−管路施設編−2015年版(後編)」では分布ばねのモデルとなっています。

図2 鉛直方向フレームモデルの違い



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