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サポートトピックス / UC-1シリーズ |
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土留め工の設計のなぜ? 解決フォーラム
弾塑性法でプレロードを考慮する場合、
解析法TとUのどちらで検討すれば良いか? |
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「土留め工の設計」では弾塑性法として解析法Iまたは解析法II で計算することができます。この時、プレロードを考慮する場合にどちらの解析方法を採用すれば良いのかというご質問について、両解析法の違いも含めてご紹介いたします。
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解析法Iとは、仮設指針P.97に示されている「背面側から有効主働側圧が作用し、掘削面側の塑性領域では有効受働側圧が、弾性領域では土留め壁に変位に比例した弾性反力が働く」という考え方です。プレロード導入時には、通常の弾塑性法とは別に、背面地盤の弾性バネを考慮したモデルにプレロード荷重を作用させて重ね合わせる方法となります(図1)。本解析法は、市販のソフトでも広く採用されている方法と考えられます。
解析法Iは基本的に土留め壁は必ず掘削側に変形する事を前提にした考え方で成立していると考えられます。故に、土留め壁が背面側に変形すると予想されるプレロード荷重に対しては、解析構造モデルとして、背面側地盤バネが土留め壁全長に考慮される弾性床上はりモデルを別途用意し、その構造モデルに、プレロード荷重を集中荷重として与えるという方法を採用しています。本手法は仮設指針では実用的な精度で評価することができるとしているものの、掘削時の構造系とプレロードに対する構造系が異なる解析結果を重ね合わせるといった理論的矛盾があります。
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解析法II とは、仮設指針P.104では、上から5行目にある土木研究所の方法、具体的な参考資料としては、仮設指針P.356に示される「偏土圧が作用する土留めの設計」で行っている解析方法の事です。本手法は図2のように掘削側だけではなく背面側地盤にも地盤ばねを考慮するため、掘削時とプレロード導入時を同一モデルで解析することができます。
この解析法を採用することによって、解析法Iの問題点であるところの、プレロード荷重に対して、掘削時の構造系とプレロードに対する構造系が異なる解析結果を重ね合わせるといった理論的矛盾を解消し、より精密にプレロード荷重を考慮した解析を行うことができます(同時に解析法II では偏土圧が作用する土留めの設計に際しては図3のように両壁土留めの一体解析が可能です)。
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■図2 解析法IIの解析モデル |
■図3 偏土圧が作用する両壁一体解析 |
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両解析方法の理論的背景より、プレロードを考慮した場合は基本的には解析法II での照査をおすすめします。しかし、一般的に広く使用されている解析法Iで検討せざるを得ない状況も多いと思います。その場合は解析法Iの理論的背景を充分に理解した上で採用して下さい。
項目 |
解析法I |
解析法II |
方法 |
プレロードに対して、別途、背面地盤の地盤反力をばね反力として評価する方法 |
背面地盤を弾塑性ばねとして評価する方法 |
内容 |
通常の弾塑性解析とは別に背面地盤の弾性ばねを考慮したモデルにプレロード時の外力を作用させ、重ね合わせる方法。 |
背面側地盤にも掘削側地盤と等価な弾塑性ばねを考慮し、掘削時とプレロード導入時を同一モデルで解析する。 |
評価
(欠点利点) |
プレロード導入による土留め壁の変形はかなり実用的な精度で得られるが、掘削時の構造系とプレロードに対する構造系が異なるという理論的矛盾がある。 |
削時およびプレロード時の土留め壁の力学的挙動を実用上十分な精度で評価できる。 |
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(Up&Coming '15 秋の号掲載) |
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