●コンピュータネットワークとは
複数のコンピュータやプリンタを通信機器(HUB、ケーブル、モデム、サーバなど)で接続して利用するシステムです。
●OSI参照モデル
国際標準化機構(ISO)が、異なる機種間(OSが違う、メーカが違うなど)でのデータ通信を実現するために基本的な概念、構造を規格化しているものです。
・第7層 アプリケーション層:アプリケーション(電子メール、ファイル転送、WWW等)の具体的な取り決めを行う層です。
・第6層 プレゼンテーション層:データの表現形式の変換、圧縮、暗号化など上位層の表現形式の相違を解決する機能の取り決めを
行う層です。
・第5層 セッション層:データ通信を効率的に行うための制御機能(通信の開始/データ転送/通信終了のタイミング制御や障害時の
再開処理)の取り決めを行う層です。
・第4層 トランスポート層:データ転送の信頼性を確保するための方式を定めた層です。ネットワーク層を通して送られてきたデータの
誤り訂正、再送要求などを行います。
・第3層 ネットワーク層:ネットワークの最短経路を探索したり、通信経路内のアドレス管理を行う層です。
・第2層 データリンク層:パケット(データの単位)の識別を行う層です。また、データ間のやりとりの規定をこの層で定めます。(LAN参照)
・第1層 物理層:ケーブル、コネクタ等の形状、ピンの数、太さ、長さ等の物理的な内容から、ソケット内のピンに加えられる電圧や
その波形等の電気的なものまでを規定する層です。これにより、異なるメーカ間の物理的な接続が捕縄されています。
●プロトコル
プロトコルは特定の処理を複数の相手間で行うための通信規約、通信手順のことです。インターネットの基盤となるデータ通信プロトコルの総称をTCP/IPといいます。 |
OSI参照モデル |
TCP/IPプロトコル群 |
(L7)アプリケーション層
(L6)プレゼンテーション層
(L5)セッション層 |
TELNET,
FTP, SMTP,
POP3, HTTP |
DNS,
SNMP,
DHCP |
(L4)トランスポート層 |
TCP |
UDP |
(L3)ネットワーク層 |
IP |
(L2)データリンク層
(L1)物理層 |
Ethernet, TokenRing, FDDI等 |
■TELNET:
ネットワーク経由でほかのコンピュータに接続して遠隔操作を実現するための仮想端末プロトコル
■FTP(File Transfer Protocol):
ネットワークで接続されたマシン間でファイルを転送するプロトコル
■SMTP(Simple Mail Transfer Protocol):
インターネット上でメールを転送するためのプロトコル
■POP3(Post Office Protocol version3):
インターネット上からクライアントがメールを受信するプロトコル
■HTTP(HyperText Transfer Protocol):
WWWサーバとブラウザ間でHTMLファイル等を転送するときに使用するプロトコル
■TCP(Transmission Control Protocol):
データを正確に伝送するための通信プロトコル
■UDP(User Datagram Protocol):
データを伝送するための通信プロトコルTCPとくらべて信頼性がありませんが、高速なデータ転送を実現することが
できます。
■IP(Internet Protocol):
通信ネットワーク間でデータを転送するための通信プロトコル
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●LAN(Local Area Network)とWAN(Wide Area Network)
LANは同一社内、同一建築内など狭い地域に構築される小規模な範囲のネットワークです。WANはNTT、KDDIなどの電気通信事業者が提供するサービスを使用して地理的に離れた拠点を結ぶネットワークです。WANは利用するユーザがネットワークを構築する必要はありませんが、LANは通信機器を使用してネットワークの構築、運用管理を行う必要があります。
LANを構築するには、利用するケーブルの種類、長さ、接続形態(トポロジ)など多くの規格があります。イーサネット(Ethernet)はLAN規格の一つです。現在、ほとんどのLANがイーサネットで接続されています。 |
規格名 |
10BASE-5 |
10BASE-2 |
10BASE-T |
10BASE-TX |
1000BASE-T |
ケーブル |
同軸ケーブル
直径約10mm
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同軸ケーブル
直径約5mm
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UTPケーブル
カテゴリ3以上
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UTPケーブル
カテゴリ5以上
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UTPケーブル
エンハンスド
カテゴリ5 |
トポロジ |
バス型 |
バス型 |
スター、
スターバス型 |
スター
スターバス型 |
スター
スターバス型 |
伝送速度 |
10Mbps |
10Mbps |
10Mbps |
100Mbps |
1000Mbps |
ケーブル長 |
500M |
185M |
100M
ハブ−PC間 |
100M
ハブ−PC間 |
100M
ハブ−PC間 |
接続台数 |
100台 |
30台 |
1024台 |
1024台 |
1024台 |
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●ネットワークセキュリティ
コンピュータネットワーク上では、ワーム、ウイルスやクラッカー(外部からのシステム攻撃者)によってコンピュータのデータの改ざん、破壊などの恐れがあります。それを防ぐためにもセキュリティ対策が必要になってきます。
ネットワークセキュリティはコンピュータネットワーク上での安全確保のための防衛策です。下記3要素をもとにセキュリティを構築していきます。
・機密性−データの漏洩を防ぐ ・保全性−データの改ざんを防ぐ
・有効性−システムの停止を防ぐ
具体的な対策として、アンチウイルスソフトの導入、適切なパスワード管理、機密データの暗号化、データの定期的なバックアップ、データへのアクセス制限、ファイアウォールなどがあります。
●Windows Vistaのネットワーク
Windows Vistaのネットワークは下記の点が追加、強化されます。
・通信処理が早くなり、TCP/IP通信時の受信ウィンドウ・サイズが最大16Mバイトまで利用できます。
・IPv6(Internet Protocol Version 6)に標準で対応しています。現在使用しているIPv4をこのまま利用するとIPアドレスの不足が発生する
可能性があります。Windows XPでも使用できますが、オプションとなっています。
・ネットワークマップ機能:自分が使用しているコンピュータが参加しているLAN内を検索して稼働中のネットワーク機器の構成図を自動的に
描く機能です。各コンピュータのIPアドレスや設定などを簡単に確認することができます。
・セキュリティの強化:Internet Explorer7が標準で搭載されます。このバージョンでは、フィッシング詐欺対策機能、ActiveXコントロール管理
機能、証明書確認の強化などの機能があります。また、Windows Firewallも外部から内部への通信のチェックだけでなく、内部から外部へ
の通信のチェックも可能になりました。Windows Mailは迷惑メール対策機能があり、迷惑メールを受け取った場合は迷惑フォルダに自動的
に振り分けられます。 |
参考 : ケンセツ21 CALS/JAPAN ネットワーク入門
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