MIT Japan Conference参加レポート 第1回
マサチューセッツ工科大の産学連携プログラムに参加、
先端研究をVR・システム開発へ
フォーラムエイトは2015年12月、MIT ILP(MIT Industrial Liaison Program:マサチューセッツ工科大産業学際会)にメンバーとして加わり、活動を開始しております。現在約200の世界トップ企業がMITとのパートナー関係を構築し、それぞれの分野で調査研究・課題推進やビジネス展開を活発に行っています。 弊社では本プログラムへの参画により、既存のVR関連事業拡大やロボット・医療等の新事業展開につながる調査研究・開発、ソフトウェア・エンジニアリング事業全般におけるコラボレーション、欧米を中心としたマーケティング等を強化していく方針です。各種MITコンファランスや、MITキャンパスで開催される同大学の専門家とのミーティング出席などが年間を通して計画されています。
2017年以降は、弊社主催の国際VRシンポジウムをMITと連携した「FORUM8 MIT VR Conference」などの開催を模索していく予定です。その他、ボストン発のOrganic
Parking、MIT起業Arcbazar社との連携したArcbazar + ProjectVR(建築デザインコンペサイトと自主簡易アセス支援サイト、VR-Cloud®の融合)など、現在進行中のプロジェクトについても展開を図ります。
今後はこのコーナーを使って、各種プログラムへの参加レポートを紹介していきます。
【2016 MIT Japan Conference 参加レポート】 開催日:2016年1月22日 場所:東京・経団連会館 |
「開会の辞」
(Opening Remarks) |
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MIT産業学際会 代表 カール・F・コスター氏 |
MITでの研究の将来性とその傾向について、先進の材料、電気機器、情報テクノロジー、神経科学、化学工学等を含む技術を紹介し、今後の日本とのコラボについて積極的に展開する旨を述べた。 |
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「知能の問題:今日の科学、明日の工学」
(The Problem of Intelligence: Today’s Science, Tomorrows Engineering) |
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トマソ・ポッジオ教授 |
人工知能が今後どのように進んでいくかについて、現状の研究開発の枠組みや、社会への影響、将来的展望について解説。自動運転研究で利用されている画像認識技術について、実用化には10年程度見込まれるがスマートカーはいずれ必ず実現するという見通しを述べると同時に、自動運転に関わる問題や事故に備えた法律整備などの課題も挙げた。「脳が知的行動を生む仕組みが以前より分かってきており、神経科学、認知科学、コンピュータ科学に関する知識がインテリジェントマシンの設計に応用できると考える」と述べ、顔認識を例にこれらの知識がどう関わっていくかを解説した。 |
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「古い波に新しい技を教える:音響メタマテリアルを求めて」
(Teaching Old Waves New Tricks: The Quest For Acoustic Meta-Materials) |
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ニコラス・ファン准教授 |
光と音を利用した波のチャンネルを介した情報・エネルギー伝達の効率化を目指し、前例がないサイズの3D複合材料マイクロストラクチャを作成する、光学分野での試みについて紹介。特に自動車、建築などの分野で3Dプリンターによる可能性が広がると考えられる。 |
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「顧客が好きな(嫌いな)ものは?:データが教えてくれる」
(What Do Your Customers (Dis)Like?: Let Their Data Decide) |
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デヴァヴラット・シャー教授 |
企業が顧客の嗜好を正確に予測するためのソーシャルデータの活用法や、実際に小売業界でこの技術を応用した成功事例について紹介。その中で、顧客嗜好の予測を目的として同氏らが構築・整備した、スケーラブルで理想的なデータ処理システムについても説明した。選択はさまざまな要因があり、重要なのは選んだ理由ではなく、選んだ結果とその頻度である。また、比較できるデータが重要であることや、さまざまな選択行動において散在しているデータから学ぶことができ、社会モデル、データ選択のさまざまな手法が存在することを述べた。 |
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「先端製造イノベーション:概念の検証と最新モデル」
(Advanced Manufacturing Innovation: Tested concepts and emerging models) |
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クリスティン・ヴァン・ヴリエット准教授 |
国内外の製造業の調査の結果、製造のエコシステム(サプライチェーン)において、金銭的なスケールアップの限界や、人々の働き方も変わってきており、一昔前のような職人が減少している。また、中規模なサプライチェーンに対応可能な企業が消えつつある。MITの先端製造パートナーシッププロジェクトが2年前に立ち上がり、20社程度の企業が公的資金に依存せず、産学官が連携して資金投資を最適化するための優先分野の分析など、製造業の問題改善のためのモデルの構築を実施している。
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「ナノスケールのアーキテクチャ: エネルギー分野に応用できる次世代触媒開発」
(Architecture at the nano scale: Engineering next-generation catalysts for energy applications) |
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ユーリー・ロマン准教授 |
石油に代替可能な資源として、バイオマスが注目されているが、処理施設が大規模となり、普及に課題がある。これまでの触媒の研究開発は石油に最適化されているため、ナノ構造触媒における独特な相乗効果を利用した次世代の触媒開発を行っている。 |
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「エネルギー、触媒、環境のための多孔質材料」
(Porous Materials for Energy, Catalysis, and the Environment) |
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ミルセア・ディンカ准教授 |
MOF(金属有機構造体)は、ガス吸着や分離など、さまざまな用途に応用可能な高表面積をもつ多孔性材料である。このMOF製造において、分子レベルでコントロールする事で高効率MOFを開発する事に取り組んでいる。開発されたMOFはエネルギー・触媒・環境の分野への応用可能性がある。 |
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「エネルギー材料と極限環境:ナノスケールでの現象観察」
(Materials in Energy and Extreme Environments: Watching Nano scale in Action) |
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ジュー・リー教授 |
分子構造をナノスケールで検査可能な透過型電子顕微鏡検査(TEM)により、従来よりも高解像度で観察して評価できるようになった。この検査方法をエネルギー材料の機構研究に応用するための研究を行っている。ナノメートルの解像度で観察する事で、液体・固体界面と気体・固体界面の定量的特性決定が可能となる。 |
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「改革の機は熟した:次なる農業革命」
(Ripe for Disruption: the Next Agricultural Revolution) |
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ケイレブ・ハーバー主任研究員 |
食料システムの限界が見え問題が深刻化するなか、分散型食料コンピュータシステムにより課題解決に取り組んでいる。照明・温度・湿度などが管理できるフードコンピュータ(デジタル栽培システム)を開発し、農業革命を目指している。フードコンピュータ構築のためのソフト・ハード環境・レシピはオープンソースとして公開されている。 |
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講演の様子 |
懇親会及びネットワーキング |
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※講演者の写真は、MIT ILP (Industrial Liaison Program)のweb siteから許可のもと使用しています。
なお、MIT ILP Japan(MIT産業学祭会日本)への質問等の連絡は、
矢野(yano@mit.edu)または、高木(takagis@mit.edu)までお願いします。 |
■MIT ILPでの今後の活動予定
2016 MIT Information & Communication Technologies Conference (2016年4月20-21日/MITメディアラボ)
2016 MIT Digital Health Conference
2016 MIT Research & Development Conference
2016 Infrastructure Innovation in a Changing Environment Conference
2016 MIT Startup Ecosystem Conference
第1回 FORUM8 MIT VR Conference (2017年7月予定)
第2回 FORUM8 MIT VR Conference (2018年7月予定) |
ジュニア・ソフトウェア・セミナー参加者からの反響
現在、春休み・夏休み・冬休みと開催中のジュニア・ソフトウェア・セミナーは、回数を重ねるごとに参加者が増えています。今回は、年明け1月に開催された第5回冬休み開催の関連記事を紹介すると同時に、参加した子供たちが寄せてくれたメッセージを紹介します。
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■大阪会場参加のお子さんからいただいた感想 |
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■札幌会場参加のお子さんからいただいた感想 |
UC-win/Roadおよび関連システムの報道実績
■BBCの取材報道にて、世界初4K5面立体視DS(名古屋大NIC)が紹介されました。(2016/02/16)
動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=merZ3k6S_cs&feature
■日本経済新聞 Web版
「自動運転を支える技術各社が競う」にて、UC-win/Roadシミュレータ、システムが紹介されました。(2016/01/14)
URL:http://www.nikkei.com/video/4709497612001/
東京ゲームショウ2015出展関連の記事が、下記Webメディアにて紹介されました。
■APPREVIEW「汎用化するシミュレータ〜フォーラムエイトのUC-win/Road〜【TGS2015】」(2015/10/20)
URL:http://app-review.jp/news/276713
■vsmedia「【TGS2015】VRヘッドセットの併用でドライブシミュレーションがよりリアルに フォーラムエイトのVR用マップツール「UC-win/Road」」(2015/09/22)
URL:http://vsmedia.info/2015/09/20/tgs2015_21/
東商「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」対応
東京都では、東京商工会議所及び東京都医師会と連携し、企業の感染症対策を支援するための「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」を立ち上げました。従業員の健康維持や業務におけるリスク管理を目的とした内容になっています。フォーラムエイトではこのプロジェクトに参加し、BCPの一環としての展開を行っています。現在は「コース1」に対応しており、今後は「コース2」を経て最終的には「コース3」を目指して日々取り組んでいます。
コース |
サポート内容 |
達成基準 |
コース1
感染症理解のための従業者研修 |
感染症の基礎知識ドリル(研修教材)を提供し、正しい知識の定着を図る。 |
従業者の8割以上が教材受講 |
コース2
感染症BCP(業務継続計画)の作成 |
BCPのひな形を提供し、職場で感染症患者が発生した場合に、業務を円滑に継続するための対処策の作成を図る。 |
事業所単位でのBCP作成 |
コース3
風しん予防対策の推進 |
予防接種等協力医療機関を紹介し、従業者の抗体(免疫)保有の確認や予防接種の推奨等を促し、職場ぐるみで風しん予防を図る。 |
風しん抗体保有者が従業者の9割以上 |
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