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可視光通信 |
HARDWARE INFORMATION
2015-No.2 |
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可視光通信とは波長360nm〜830nmの人の目に見える光(可視光)に光の明暗で情報を付加し、通信を行う無線通信技術です。
既存の無線通信技術には、電波や赤外線を利用した通信方式があります。これらの通信方式は、目には見えない電波や赤外線を使用して通信を行っていましたが、可視光通信では目に見える光を使用して通信を行います。
通信に光を使用するため、水中や病院内などの電波が使用できない場所でも利用できます。
■図1 可視光通信の仕組み
- 人間の目で見える
可視光を使用して通信を行うため、通信経路・通信状態が目で見えます。
- 電磁ノイズを出さない
可視光通信は電磁ノイズを出さないので、精密機器に影響を与えません。そのため、病院内や飛行機内でも安全に利用できます。
- 電波法の制限を受けない
既存の電波に干渉することがないので、電波法による制限は一切ありません。
- 水中を透過
電波は水中に入ると減衰してしまうため、水中で利用ができませんが、光は水中でもある程度遠くまで届きます。 可視光通信は、水中で唯一高速通信が可能な無線通信方式です。
- 既存の光源を発信源として兼用可能
照明などの既存の光源に情報を埋め込むことが可能なので、照明と組み合わせて様々なアプリケーションを開発することが可能です。
可視光通信技術はまだ黎明期であるため、一般に普及していませんが、一部発売されているデバイスもあります。
下の写真はスマートフォンのイヤフォンジャックに挿入して使用するタイプのデバイスです。
■図2 可視光通信対応デバイス
受光部で情報が埋め込まれた光を受けると、情報を音声信号に変換しスマートフォンへ受け渡します。スマートフォン側では、音声信号から情報を取り出して使用することができます。
現在、現在可視光通信はアミューズメントテーマパークや、海上で船どうしの通信での使用を目指し、研究・整備が進められています。
今後はさらに利用シーンが広がることが期待されており、交通信号機の光から交通情報を送受信したり、公共施設の照明の光から映像や音楽情報を送受信したりといった利用方法が考えられています。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けても注目されている技術ですので、今後の発展が期待できます。
可視光通信は、黎明期でありますが電波以外の通信手段として注目をされ始めました。「可視光通信研究倶楽部(カシケン)」www.kashikou.jp は現在可視光通信に関する唯一の情報ポータルサイトで、デバイスやアプリケーションの開発者の意見やウェアラブルに関わるメーカーの可視光通信に対する期待感が掲載されています。
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