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SILS (Software-In-the-Loop-Simulation) |
IT TERMS INFORMATION
2015-No.3 |
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SILSとは、Software-In-the-Loop-Simulationの各頭文字をとった略称で、制御装置と制御対象等のシステム全体を、すべてソフトウェアでシミュレーションする事で、ソフトウェア環境のみで制御開発が可能となるシミュレータ環境です。SILSシステムには、様々な組み合わせが存在しますが、車両開発分野においても幅広く活用されています。
車両開発におけるSILS活用のメリットは、大きく下記のようなものがあると言われています。
- ECUの実機を準備することなくシミュレーションを行う事で、短期間で開発を行う事が可能となります。
- ソフトウェア環境のみを準備すれば良いため、HILS等のシステムに比べて安価に準備できます。
- ハードウェアシステムを実際に構成する必要が無く、システム構成にかかるコストを削減できます。
- 実機を用いた開発用システムを複数準備する事は、困難な場合がありますが、比較的容易に複数の実験環境を準備する事ができます。
■SILSのしくみ
ECUを実際に製作する前の段階において、ECUに書き込む前の開発中ソフトウェアの要求仕様に対するチェック、異常な動作をしないかどうかを、網羅的に検証する場合に適しており、ISO26262 自動車向け電子制御系の安全規格(機能安全)※に対応するための開発手法として用いられています
※)自動車における電気・電子制御部分の急速な拡大を背景として策定された自動車の電気・電子に関する機能安全についての国際規格。自動車分野に適用される。機能安全に関する国際規格IEC 61508の考え方を自動車に適用したもの。
フォーラムエイトのUC-win/Roadについて、他のシミュレーション環境と時刻歴で同期する機能を開発する事で、SILS環境に対応することが可能です。UC-win/Roadの持つ様々な環境情報をセンサーなどの制御モデル開発に活用可能で、効率の良い開発環境を構築することができます。
■SILS処理の通常の流れ
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