「VR推進協議会」は全国・全世界で3Dプラットフォーム構築・活用がより強力に推進し、3DVRを様々な産業分野で利用できるようになることを目指し活動をスタートいたしました。当会は北海道支部の立ち上げを皮切りとして、今後は秋田、宮城、大阪などで支部設立を予定しております。
今回は産学官連携の強化を目的に設置された国土交通データ協議会の国土交通データプラットフォーム公開イベントの参加報告を行います。VR推進協議会がこの度会員となりました国土交通データプラットフォームでは現実をサイバー空間で再現し、設計・分析に活かすことを目指しています。現在は、静岡県内の点群データを公開、ブラウザ上での閲覧・ダウンロードが可能です。
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イベント講演内容 |
日時:2019年10月31日(木) 場所:グランドアーク半蔵門 |
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■基調講演「インフラの安全・安心を達成するに欠かせない情報化」
横浜国立大学 藤野陽三 教授 点検結果をデータベース化し、共有することが重要。ただし、集めた情報の処理・加工など末端の技術者が使えるようにシステム化しなければならない。医療技術を応用し目に見えない部分を点検するなど、異分野からの技術導入も重要となり、土木分野に先端技術が集まる時代が来ている。
■基調講演2「プラットフォームの構想:その背景、今後の展開」
東京大学 柴崎亮介 教授
データ共有の制度について、特に社会インフラ関連については国や公共団体がリードすべきだ。そのための先導プロジェクトとして国土交通プラットフォームを捉えたい。今は誰でもプラットフォームを作れるようになり、プラットフォームが乱立する時代になると予想される。その後、プラットフォーム間の連携の時代がやってくる。プラットフォームの連携にはルール作りが非常に重要となる。
■講演「国土交通データプラットフォームの挑戦」
国土交通省大臣官房技術審議官 東川直正 氏
デジタルツインのためのプラットフォームの構築を目指す。2020年度までにデータ収集、基盤構築を行い、2022年度までに民間・自治体との連携利用を開始する。現在は、利活用のアイディアを出している段階であり、プロトタイプ版の公開によってより多くのアイディアを集めていきたい。
■講演「国土交通データプラットフォームのプロトタイプ版紹介」
東京大学生産技術研究所准教授 AIFID代表理事 関本義秀 氏
国土交通データプラットフォームはWebブラウザで点群を可視化し、スムーズに閲覧できるようにしている。点群データの他に、地質柱状図、土質試験結果一覧、道路施設の諸元・点検データ、ゼンリン建物データ、人の流れのデータセット(裾野市周辺)を公開している。
■先進事例紹介「統合と利用のためのデータ自動変換」
海洋研究開発機構 堀宗朗 氏
神戸市全体のデジタルツインを構築し、1つの都市データの中で地盤・地震・津波の統合シミュレーションを行った実績を紹介。様々なシミュレーション同士を連携させるには膨大なパターンのデータ変換の仕組みが必要だが、間に都市のプラットフォームを介せばデータ変換のパターンが減り、シミュレーション構築のハードルが下がる。
■先進事例紹介「都市まるごとシミュレーション」
都市丸ごとのシミュレーション技術研研究組合 理事長 飯塚敦 氏
都市全体を丸ごとシミュレーションすることで、災害発生時の交通需要の変化や復旧期のシミュレーションを実施できる。経済シミュレーションと合わせることで復旧のための投資が必要となる場所を予想。都市の台帳をスキャンして3D化するシステムでは、神戸市全体の都市データを構築し42万棟を8時間で処理できた。
■先進事例紹介「静岡県が目指す近未来の3次元データ活用〜オンライン型電子納品研究会の活動報告〜」
静岡県交通基盤部 杉本直也 氏
静岡県は点群データのオープンデータ化を進め、「VIRTUAL SHIZUOKA」の構築を目指している。全国初の点群専用のオープンデータサイト「PCDB」を公開、商用利用も可能。MMSのデータも1000kmに渡って取得済みで、今後はMMSで取れない法面の上なども追加予定。MaaSや自動運転開発での利用が期待される。
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