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仮設構台の設計 Ver.5
「構台」「路面覆工」及び「仮桟橋」の設計計算・図面作成プログラム

最新版製品価格 ●リリース 2011年12月
仮設工

 はじめに
仮設構台の設計 Ver.5のリリースにあたり、新機能を中心にご紹介いたします。新バージョンでは、
  1. 活荷重扱いの群集荷重に対応
  2. 覆工板種類に現行のメトロデッキを追加
  3. フランジ固定間距離の算定方法の追加
  4. クローラクレーン載荷向きの任意指定に対応
  5. その他要望対応
などを行いました(図1)。
■図1 メインウィンドウ
 活荷重扱いの群集荷重に対応
本プログラムで群集荷重を考慮したい場合に、Ver.4までは任意位置の死荷重として入力いただくことでお客様には対処いただいておりました。本バージョンでは新たに群集荷重の入力を設け、それを活荷重として考慮できるようにいたしました。

群集荷重は、図2のように左右の非載荷幅内に載荷位置(s)、載荷(歩道)幅(a)、荷重強度(q)を入力することになります。図3(a)、(b)に示す通り、入力した荷重の状態を即座に3D描画にて確認することができます。

■図2 群集荷重

非載荷幅内(図3中の黄色斜線部)に群集荷重を設定することにより、人間が通行する箇所と人間の安全確保のために重機類が進入してはならない箇所(ここには、全く荷重が載荷されない)を、同時に設定できるようになっております。


■図3  群集荷重の確認(左:構台タイプT、右:構台タイプII)

入力された群集荷重は橋軸方向に沿って、「支間+隣接支間」全長に渡って載荷し、活荷重による断面力に加算されます。また、デフォルトでは衝撃は考慮しない設定になっていますが、衝撃を考慮することも可能です。

本群集荷重は、必ず、活荷重に加算される形で検討することになります。よって、活荷重が載らない歩道橋には使用することができません。また、群集荷重は、活荷重種類毎に、[荷重-トラック非載荷幅(群集荷重)の設定]、[荷重-クローラクレーン載荷位置(群集荷重)の設定]、[荷重-トラッククレーン載荷位置(群集荷重)の設定]画面で、個別に、「非載荷幅をゼロにする」、もしくは「群集荷重強度をゼロにする」ことで控除ができます。
 覆工板種類に現行のメトロデッキを追加
本製品が扱っている覆工板がやや古いという指摘があり、当方なりに資料収集を行い、現在のメトロデッキの設計に対応するようにいたしました。

計算の内容が大きく異なるわけではありませんので、現行のプログラムでも設計は可能ですが、メトロデッキに使用するH鋼断面諸値の初期値や、設計スパン、鋼材種類がSS490の時の許容応力度などを、適切なデフォルト値として用意することで、入力の手間を省略できるように配慮した内容になっています。また、このメトロデッキについては、たわみ量の計算も行うようにしました(図4参照)。


■図4 メトロデッキ用覆工板画面
 フランジ固定間距離の算定方法の追加
桁受けの許容応力度を計算する際のフランジ固定間距離をVer.4までは支柱杭間隔としておりました。しかしながら、桁受けは主桁(受桁)でも固定されるという考え方もあるというご指摘を頂戴し、本バージョンから設計者の判断で選択できるようにしました。

例えば図5の例の場合、Ver.4までのフランジ固定間距離は「支柱(1)〜支柱(2)間隔」となっていました。今回新たに追加した方法を選択すると、「支柱(1)〜受桁(2)」と「受桁(2)〜支柱(2)」のうちの危険側(長い方)をフランジ固定間距離とします。

■図5 フランジ固定間距離の取り方
 クローラクレーン載荷向きの任意指定に対応
クローラクレーン荷重で橋軸方向の載荷位置を指定(図6)した場合に、荷重の向きは主桁(受桁)に対する向き及び作業状態によって表1のようにプログラム内部で固定していました。

■図6 クローラクレーン荷重の載荷位置固定

本バージョンからは、この向きの指定を基準値に設けることにより、表1のピンク色の部分を「両方」「固定側」「非固定側」から選択できるようにしました。

これにより作業する位置や機材等を吊る方向が限定されている状況に対応できると考えております。

■表1 クローラクレーンの載荷方向
構台タイプ 向き 前方吊 側方吊 斜め方向吊
T 平行 固定側 両方
直交 固定側 固定側
U 平行 固定側 固定側
直交 固定側 両方
※両方は、重機固定距離を入力した側とその反対側を向いた場合を検討し危険側を採用します。
※固定側は、重機固定距離を入力した方向を向いた場合のみを検討します。
※非固定側は、重機固定距離を入力した側とは反対方向を向いた場合のみを検討します。
 最後に
これまでにご紹介した機能以外に、
  1. 橋軸方向のB活荷重の3組目以降を1/2に低減しない載荷に対応
  2. トラックの占有幅を入力できるように対応
  3. 桁受けの設計で片持ち梁状態の変位計算に対応
  4. 支柱杭の支持力計算において、薄層状態に対する処理を強化し、根入れ層直下の土質物性値を勘案した先端N値の設定、並びに、モルタル充填の場合の先端N値の取り方の変更に対応

などのご要望にも対応しております。

本製品はおかげさまで多くのユーザー様にご愛用いただいており、ご要望も数多く頂戴しております。今回対応できなかったご要望等に関しましても引き続き対応に向けて検討を進めて参りたいと考えております。
(Up&Coming '12 新年号掲載)
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