本製品は、「矢板式係船岸の設計計算」、「重力式係船岸の設計計算」に次ぐ港湾シリーズ第3弾になります。
新設設計を対象とした製品ですが、復興並びに今後の対策検討に少しでも役立てていただければ幸いです。
設施 |
目的と機能 |
堤防・護岸工 |
海岸背後にある人命・資産を高潮、津波及び波浪から防護するとともに、陸域の侵食を防止することを目的として設置される海岸保全施設である。 |
胸壁工 |
海岸線に漁港や港湾等の施設が存在し、利用の面から海岸線付近に堤防、護岸等を設置することが困難な場合において、海岸背後にある人命・資産を高潮、津波及び波浪から防護することを目的として設置される海岸保全施設である。 |
■表1 防潮堤とは
(海岸保全施設の技術上の規準・同解説 平成16年6月)
■図1 矢板式係船岸の設計計算メインウィンドウ |
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■図2 重力式係船岸の設計計算メインウィンドウ |
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潮堤は、その目的と機能から表1に示す通り、大きく「堤防・護岸工」と「胸壁工」2タイプに分けられると考えられます。堤防・護岸工の表のり面形状は、傾斜壁と直立壁がありますが、傾斜壁の場合、構造物の設計というよりも設計潮位や波浪の高さに対して要求性能を満足するように、堤防の高さや堤頂の幅を決定すること、また、波によって被覆工が移動しないことを照査することがメインであることから、本製品では対象外とし、直立壁及び直立壁とみなせる傾斜が急な構造形式を対象とします。具体的には、直立壁タイプの重力式、扶壁式、突形式(L
形式含む)などになります。胸壁工は、重力式、突形式に対応する予定です。堤防・護岸工として図3に重力式表法被覆工を、また、図4に胸壁工の概念図を示します。
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■図3 重力式表法被覆工断面図 |
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■図4 胸壁工の概念図 |
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本製品における照査の範囲は静的解析により照査が可能な範囲とします。レベル2地震動に対する照査においては非線形性を考慮した動的解析が必須であるため、この点につきましては、将来的には対応を検討したいと考えています。津波に関しては、当該津波の発生原因が当該防潮堤の近くで発生した地震によるものか、地震動の影響が小さく遠くで発生した地震によるものかでその取扱いが異なります。本製品では、後者については検討可能と判断しております。以上より、表2に示す設計状態についてサポートする予定です。
要求性能 |
設計状態 |
プログラムの対応 |
状態 |
主たる作用 |
従たる作用 |
堤防・護岸工 |
胸壁工 |
使用性 |
変動 |
変動波浪 |
自重、土圧、水圧 |
○ |
× |
L1 地震動 |
○ |
× |
安全性
修復性 |
偶発 |
L2 地震動 |
自重、土圧、水圧 |
× |
× |
津波 |
○ |
○ |
偶発波浪 |
○ |
○ |
■表2 サポートする設計状態
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当社では、港湾シリーズの充実を予定しています。「矢板式係船岸の設計計算」、「重力式係船岸の設計計算」については、いわゆる護岸形式にも対応できるように改善を行いたいと考えています。今後も、みなさまのニーズにお応えできるように製品開発を行ってまいりたいと思います。 |
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