ラーメン橋脚の設計計算Ver.9およびRC下部工の設計計算Ver.9では、以下の機能拡張を行います。
- 4柱式ラーメン橋脚対応
- 柱ごとにバネ支点を設けた梁柱モデルの対応
- フーチング照査の柱前面位置指定
ここでは、これらの機能について紹介します。
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Ver.9では、従来の2柱、3柱式に加えて4柱式ラーメン橋脚に対応します。他モデルと同様に新設、既設、補強モデルに対応し、基礎形式は直接基礎、杭基礎の設定が可能です。
本製品はVer.6より3柱式ラーメン橋脚に対応しました。このとき梁、柱に関しては表形式の入力を採用しているため、今回の4柱式対応においても入力画面に大きな変更はありません。また、結果画面、計算書出力においても2柱、3柱式と区別することなく、従来と同じ操作、出力形式で確認することが可能です。
以下では、4柱式ラーメン橋脚を例に、入力・計算機能について紹介します。
入力
柱本数は2〜4本の選択が可能となります。柱本数に応じて入力表の行数が変化します。寸法入力時は、該当する寸法値がガイド図でハイライト表示されます(図1)。
主鉄筋配置を各断面について定義します(図2)。柱本数が増えると定義する断面数も多くなりますが、本製品では、他の断面の鉄筋配置を参照する機能を設けています。主鉄筋配置が同じであれば、参照先を指定するだけで定義は完了します。また、参照元の主鉄筋配置の変更は参照先の断面にも反映されます。
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■図1 柱本数、形状指定画面 |
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■図2 主鉄筋配置定義画面 |
許容応力度法照査
各荷重ケースの断面力を骨組解析により算出し、各断面の応力度照査を行います。
3柱、4柱式では照査箇所も多くなります。結果確認を容易にするため、結果画面を一覧形式と詳細形式の2つに分けて表示します。
一覧形式(図3)では、照査結果のOK、NGを一目で判断できます。また、NGとなった部位(はり、柱、フーチング)、照査の種類(曲げ照査、せん断照査)、荷重ケースを画面上で確認することができます。
詳細形式(図4)では、モデル図と、モデル図で指定した断面の各荷重ケースの結果リスト、さらに結果リストから選択した荷重ケースにおける断面力、応力度などの照査結果を表示します。
計算書での詳細な結果出力では、照査断面ごとに照査位置を示すモデル図とその断面図(主鉄筋配置図)を添えて出力します(図5)。
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■図3 結果一覧画面(許容応力度法) |
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■図4 結果詳細画面(許容応力度法) |
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■図5 計算書
(許容応力度法) |
レベル2地震動照査
「道路橋示方書V耐震設計編 平成14年3月」に準拠した計算を行います。面外方向に対しては単柱式のコンクリート橋脚とみなして、各柱部材ごとに照査を行います。面内方向に対しては塑性ヒンジを設けた骨組モデルを作成してプッシュオーバー解析を行い、その結果を元に照査を行います。
結果画面は、橋軸方向照査と橋軸直角方向照査に分けられ、それぞれ概要と詳細形式の表示を用意しています。橋軸方向照査の結果概要画面(図6)では照査方向ごとに各柱の照査結果を表形式で表示します。
詳細画面(図7)では、方向ごと、地震動タイプごと、柱ごとに結果の詳細を表示します。選択した柱がモデル図でハイライト表示されます。リストに計算項目を表示していますので、これを選択してその項目の計算内容を確認します。
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■図6 結果概要画面(レベル2橋軸) |
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■図7 結果詳細画面(レベル2橋軸) |
橋軸直角方向の結果詳細画面では、選択した方向、地震動タイプの骨組図が表示され、その照査結果、塑性ヒンジ点の情報、および骨組解析結果を表示します。
骨組図では、塑性ヒンジ点に○印が表示され、塑性ヒンジの発生順番である番号が添えられます。表示ステップを選択することで、そのステップの変位図、断面力図の表示が可能です(図8)。
骨組解析結果や塑性ヒンジ点の断面特性によっては計算を続行できない場合があります。4本柱の計算では骨組構造が複雑化し、塑性ヒンジ点も増えるため、この可能性は大きくなります。結果詳細画面では、エラーの原因となっている箇所が特定できる場合、骨組図上でその場所と、現象を表示します(図9)。
また、頻繁に発生するエラーに関してはヘルプにQ&Aとしてまとめています。
計算書(図10)では、塑性ヒンジ位置、照査断面について、図を添えて出力します。
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■図8 結果詳細画面(レベル2直角) |
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■図9 エラー箇所の表示 |
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■図10 計算書
(レベル2直角方向) |
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柱下端に支点バネを直接定義して、梁、柱のみ照査する機能を追加します。フーチングおよび基礎の照査は行いません。
フーチング、基礎をモデル化しないため、入力、出力は簡素化されます。
従来より、独立フーチング形式への対応について多くのご要望をいただいておりました。この機能は、独立フーチングを柱基部の支点バネに置き換えることで、梁、柱部の許容応力度法照査、保有水平耐力法の照査を行うことを目的としたものです(図11)。
レベル1、レベル2(面内方向)の骨組モデルの柱下端をバネ支点として骨組解析を行い、その解析結果を使って照査します。
■図11 梁柱モデル
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レベル1、レベル2のフーチング照査において、現行バージョン(Ver.8)では柱前面位置を既設柱幅の位置として計算、照査しています。Ver.9では、柱の補強厚を考慮した位置を柱前面として計算、照査できる機能を追加します。この機能は計算オプションとして追加され、レベル1、レベル2のフーチング照査に共通に作用します。なお、柱を鉄筋コンクリート巻立て補強、または増厚補強した場合のみ指定可能となります。
以上、Ver.9の機能拡張項目について説明させていただきました。今後とも、本製品の改良・改善に努めてまいりますどうぞご期待下さい。 |
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