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赤外線深度センサによる
マルチクラスタデジタルサイネージシステム
赤外線深度センサを利用したマルチ画面のデジタルサイネージ

●提案システム シミュレーション

 デジタルサイネージとは
デジタルサイネージは表示や通信にコンピュータを用いた電子広告媒体です。通信機能により遠距離からリアルタイムに制御したり、常に新しい情報を取得・表示することができます。広告などの映像はいつでも自由に入れ替えることができ、設置場所でポスターを張り替えるといった作業は不要です。

また、コンピュータで制御しているため、状況に応じて自動で表示する広告を変更したり、ディスプレイ内のレイアウトを変更したりすることもできます。

 さまざまな媒体が利用可能
デジタルサイネージは通常のディスプレイの他、マルチディスプレイシステム、マルチメディアステーションのような情報端末、壁面ディスプレイなど、さまざまな媒体で使われます。マルチディスプレイシステムの場合、1つの映像を全モニタに拡大して表示したり、ディスプレイごとにそれぞれ異なる映像を流すなど、表示方法を切り換えることで効果的な表示を行えます。

異なる位置にあるデジタルサイネージをまとめて操作・管理することもでき、多くの場所で同じ広告を流すことや、表示内容を連動させることも簡単にできます。ALSOKのAn9-PRなどロボットと組み合わせることで、自律移動する広告媒体も実現されています。

また、設置場所や時間帯による広告の切り替えや、緊急速報を受信し周囲へ伝えるなど、自由に制御できることから効果的な広告表示が期待できます。現在は道案内やニュースなど、広告以外にもさまざまな用途で用いられています。

 インタラクティブ・デジタルサイネージ
インタラクティブ・デジタルサイネージとは、人間の動きに合わせて映像や表示するコンテンツを変化させる、インタラクティブに操作が可能なデジタルサイネージシステムのことです。タッチパネルやRGBカメラなどのセンサを用いて人間の動きを検知し、動きに合わせて表示内容を変化させます。

広告であれば詳細な情報を表示し、ムービーであれば風や振動など特殊効果を加えます。

実際に使用されている例として、ITTOCAN社のREACTが挙げられます(図1)。REACTはRGBカメラをセンサとした空間演出ビデオインスタレーションの描画エンジンです。人間がカメラの前を歩いたり、手を振ったりすることで、映像に動きに合わせた特殊効果を加えます。

また、PC内蔵ディスプレイを用いてクラスタシステムを構成しており、複数の画面に渡って表示を行うことが可能となっています。

Intel社のインテルデジタルサイネージ・エンドキャップも、インタラクティブ・デジタルサイネージの1つです(図2)。インテルデジタルサイネージ・エンドキャップは、RGBカメラと赤外線深度センサを用いたショッピング端末です。顔認識技術を利用することで、人の顔から性別や年齢を推定し、その人に合わせた商品を表示します。

また、赤外線深度センサを使い人の動きを検出することで、画面に触れることなく商品の選択や購入を行うことができます。

 
■図1(上) ITTOCAN社 REACT
        (デジタルサイネージジャパン2011展示ブース)
■図2(右) Intel社デジタルサイネージ・エンドキャップ
        (デジタルサイネージジャパン2011展示ブース)
※デジタルサイネージジャパン2011
  URL:http://www.f2ff.jp/dsj/

 赤外線深度センサの利用による直感的な操作と複数画面の同期表示が可能
フォーラムエイトでは、赤外線深度センサによるマルチクラスタデジタルサイネージシステムの開発を行っています。
現在は、本社ショールームへ6画面クラスタサイネージの設置を検討しています(図3、4、5)。
■図4 赤外線深度センサによる
マルチクラスタデジタルサイネージシステム概要
■図3 6画面クラスタサイネージ ■図5 表示イメージ


赤外線深度センサを用いることで、直観的な操作が可能となります。また、マルチクラスタシステムの利用により、6画面を同期して表示します。

赤外線深度センサはディスプレイ下部に設置します。赤外線深度センサを用いることで、ディスプレイや端末に触れることなく直観的に操作することができます。

この赤外線深度センサには、Kinect™センサもしくはXtionPROを使用する予定です(図6)。どちらも赤外線深度センサの有効距離は約3.5mで、範囲内であればデジタルサイネージを自由に操作することができます(図7)。

Kinect™センサ XtionPRO
■図6 赤外線深度センサ(Kinect™、XtionPRO)

 ■図7 Kinect™赤外線深度センサ


XtionPROは赤外線深度センサのみ搭載しており、システムを小型化することができます。Kinect™センサは赤外線深度センサの他にカメラとマイクを搭載しており、音声などを交えて操作できます。

 8DOF DSと同様のマルチクラスタシステムを使用
マルチクラスタシステムには、超大型DSシステム8DOF(8Cluster Driving Simulator)と同様のものを使用します(図8)。マルチクラスタシステムでは、複数のマシンを用いて映像を生成するため、高負荷な画像処理を行う場合でも高フレームレートを維持できます。また、表示方法などについては制御用のマシンから設定することが可能で、個別のマシンに触れる必要はありません。


■図8 8DOFマルチディスプレイシステム

本社ショールームへ設置する6画面クラスタサイネージでは、操作などの動きを記録するため、ディスプレイ上部にRGBカメラを設置する予定です。また、RGBカメラより取得した情報は、開発へフィードバックすることで、操作性の向上などへつなげることになっています(※1)。

※1)データの取得・使用はあらかじめ許可を頂けた場合のみ行います。
(Up&Coming '11 秋の号掲載)
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