東京消防庁の認定とは
FORUM8では、東京消防庁の避難算定方法(注1)として認定を得るための活動を行い、2011年3月に認定を受けることができました。認定項目として今回は、階避難、階段避難などがありますが、「階避難」の認定を取得しました。
認定方法は、東京消防庁から出題されるテストケースに対して、たとえば図1のように階避難のシミュレーションを行い、EXODUSの解析結果と東京消防庁の解析結果を図2のように比較検証します 図中、左が東京消防庁、右がEXODUS)。両者の解析結果の差が、ある許容範囲内に収まっておれば、同等性が確保されているということになります。当然のことながら、同等性を確保するためには、EXODUS側の解析条件をきちんと決定し、固定化しておかなければなりません。この固定化した解析条件や各種のパラメータが、論理的であり、理路整然としていることが非常に重要です。
(注1)(東京都)火災予防条例第52条の2、第55条の3、第55条の5の10関係。
認定後の活動
東京消防庁の認定は、EXODUSというプログラムに対して行われるものではありません。あくまでも、認定に携わったFORUM8スタッフがEXODUSを使用して解析を実施することに対して行われることになります。その意味において、東京消防庁の認定が、いかに厳しいかがお分かりいただけるのではないかと思います。
認定後に、FORUM8では積極的に解析支援サービスを展開し、認定を受けたスタッフによる責任あるモデル作成を行うことになります。その上で、そのデータについて東京消防庁に説明を行い、成果品として納品するという流れになります。
■図1 テストケース事例 |
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■図2 同等性比較検証結果 |
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フォーラムエイトでは、英国グリニッジ大学火災安全工学グループ(FSEG)(http://fseg.gre.ac.uk/)にて研究開発された避難解析/火災解析シミュレーションソフトウェア(以下の3製品)に関しまして、パッケージソフトとしての販売・サポートに加え、解析支援サービスを提供しております。
- buildingEXODUS : 建築環境のための避難モデル
- maritimeEXODUS : 海洋環境のための避難モデル
- SMARTFIRE : 火災モデリングのSMART CFDシステム
本支援サービスは、弊社技術サポートグループおよび開発スタッフがバックアップを行います。特に、ソフトウェア導入時におけるデータ作成から、操作上のテクニックを要する解析条件の設定、解析結果の処理、可視化までの一連の流れを含めて、ユーザ様が火災避難解析をスムーズに行うためのサービスとなります。本サービスには、サービス価格がすぐわかる標準見積システムを用意しています。基本的に、延床面積、人数などで容易に見積を算定できます。
避難解析ソフトウェアに関しましては、従来の避難安全解析の機能に加えて、群集流動解析の機能が充実してきており、今後需要が見込まれることから、以下では、最近のEXODUS避難解析支援サービスの事例として、鉄道駅旅客流動シミュレーションとBIM設計コンペでの群集流動シミュレーションについて紹介します。
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鉄道駅においては、近年、緊急時の避難安全解析だけでなく、駅構内における旅客流動を考慮した設計が検討されるようになっています。このような検討は、ホームドア(Platform
Doors)の設置などで今後も必要になるものと思われます。図は中目黒駅における乗降車旅客の流動シミュレーションの事例ですが、ラッシュ時に最大となる旅客密度等の数値を調査することで、既存駅の現況を改善するための対策検討にこの旅客流動シミュレーションを利用できます。
EXODUSによる旅客流動データを用いたVRシミュレーション検討では、上記の各避難データを用いて、さまざまな非常用施設が検討されています。図6〜7は本避難シナリオにおける各時刻・各視点からの避難状況、各種標識の設置状況の一例ですが、避難VRシミュレーションはこのように災害時を想定した避難誘導路の事前対策を行う上で有効な検討ツールになりえると思われます。
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■図5 EXODUSシミュレーション画面
(中目黒駅) |
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■図6 旅客流動状況
(中目黒駅上り線階段2階) |
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■図7 旅客流動状況
(中目黒駅上り線階段1階) |
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フォーラムエイトでは、協力関係にあるメンバーと共同で、これまでに開催された、Build Live Tokyo 2009 II (BLT2009)、Build
London Live 2009(BLL2009)、Build Live Tokyo 2010(BLT2010)のBIM設計コンペに参加しています。このコンペは、BIMの手法とインターネットを活用し、環境-土木-建築の分野におけるデータ連係、デザインシミュレーション、コラボレーション、設計手法など様々なかたちで、48時間のうちにモデルを完成させるというデザインプロセスライブです。詳細は割愛しますが、上記の各コンペでは、建物・敷地における群集流動シミュレーションの結果をその設計にフィードバックすることで、群集流動に基づく最適設計を行いました。
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■図8 設計建物(BLT2009) |
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■図9 群集流動経路(BLT2009) |
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■図10 設計建物(BLL2009) |
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■図11 群集流動経路(BLL2009) |
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■図12 設計建物(BLT2010) |
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■図13 群集流動経路(BLT2010) |
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