UC-win/Road Ver.5でリリースしたSDKの新しい機能およびUC-win/Road 5.1でリリース予定の機能を紹介します。
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シナリオのカスタマイズができるようになりました。UC-win/Roadのシナリオで環境のシミュレーションを設定することが可能です。条件とイベントの組み合わせで特定の環境での行動を設定します。条件としては、主に運転状況、他車両の状況、キーボード操作、運転操作などからの情報を用いてイベントを発動させることが可能です。また、イベントでは、他車両の発生、歩行者の発生、環境(気象、交通量、時刻等)の変更、信号機の制御またメディア(テキスト、音、ビデオ、イメージ)などの再生ができます。
また今回、SDKを用いてシナリオのイベントをカスタマイズすることが可能になりました。イベントの設定画面にカスタムの設定項目を追加し、APIを使うことで追加設定を保存します。コールバックでカスタムのイベント内容を実行できます。
同様にコールバックで、UC-win/Roadから発生させた車両とその他の移動モデルの情報をリアルタイムで取得することが可能です。
この仕組みを利用してシナリオ機能の拡張、UC-win/Road内での運転状況に応じて外部アプリケーションまた外部装置の制御などができます。
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UC-win/Roadではユーザから定義された平面線形、縦断線形と横断面から道路の最終的な形状を計算します。従来より、定義されている線形や断面の情報をSDKから取得して編集することが可能ですが、最終的に生成された形の情報を取得することはできませんでした。
今回のリリースで、このような情報の取得が可能になりました。道路を構成するクアッド情報(四角形)その位置、法線ベクトルとテクスチャ情報などが取得ができます(図1)。
これは、UC-win/Roadで生成した道路形状を外部のツールに出力するうえで非常に便利な機能で、3Dモデルへの出力や解析用のプログラムへの出力が可能です。たとえば、UC-win/Road騒音シミュレーションプラグインでは、この機能で取得した幾何学情報を利用します。
■図1 道路のクアッド情報
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UC-win/Roadで生成する交通流にある走行車両の動作を制御することが可能になりました。
UC-win/Roadでは、各車両に対して物理的な情報(質量、エンジントルクなど)とペダルおよびステアリングハンドルの操作シミュレーションから動作を計算します。すなわち、物理モデルを用いて、交通車両に自動運転のロジックを持たせています。UC-win/RoadのSDKにより、この運転のロジックで計算したペダルおよびステアリングの操作量を上書きすることができます。この機能によって、運転シミュレーションで先行車両に急ブレーキをさせたり、車線を変更させたりすることが可能となります。シナリオのカスタマイズ機能と組み合わせて特殊な交通状況のプログラミングが可能となり、より広範囲な交通流シミュレーションの制御ができるようになりました。
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従来のUC-win/Road SDKでは、モデル、樹木、標識、その他UC-win/Roadが基本機能で対応している要素の配置機能がありました。これに加えて、Ver.5.1ではカスタムオブジェクトの作成が可能となります。
UC-win/Roadの基本要素と異なり、描画関数および選択処理のコーディングを行う必要がありますが、逆に自由度は向上します。
ここでは、配置した3Dモデルと同様に配置に関する情報(位置、角度)をUCwin/Roadのクラスから継承し、それ以外の処理を完全にカスタマイズすることになります。
仕組みとしては、描画と選択のコールバックプロパティを用意しており、これを用いて、UC-win/Roadの騒音シミュレーションプラグインの一部の機能を開発しました。
図2に示すように、騒音シミュレーションでの受音点(音圧を計算した点)の表示は、通常の3Dモデルではなくカスタムオブジェクトとして表示されます。選択処理もSDKを利用して容易に実装できました。
■図2 受音点の表示と選択
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DSプラグインと外部ツールとの連携(Ver.5.1) |
UC-win/Roadのドライビングシミュレータとの連携が可能になります。この機能はi-Driveのシミュレータを対象にしています。特に、ドライビングシミュレータからの情報取得について、以下のような拡張を行いました。
- ステアリング操作
- ペダル操作
- シートベルト装着の状態
- ライトレバーの操作
- サイドブレーキ
- イグニッションキーの状態
また、アクティブステアリングホイルを使用する場合ホイルの角度の制御も可能になります。外部から角度を指定し、操作することなくホイルを動かすことができます。
この機能はSDKおよびUDP/IP上で対応するので、外部のアプリケーションまた外部の装置と接続させることが可能です。自動車開発、自動運転の研究などで使用できる機能になります。 |
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