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●はじめに
- 「洪水吐の設計計算」は、土地改良事業設計指針「ため池設備」を主たる適用基準とし、洪水吐の構造設計計算をサポートするプログラムとして、2010年10月にリリースいたしました。
以下に、「洪水吐の設計計算」の製品紹介をさせていただきます。
●機能概要
- 1. 基準類・参考文献
「土地改良事業設計指針「ため池設備」 平成18年2月 農林水産省農村振興局整備部設計課監修 社団法人 農業土木学会発行」
「土地改良事業計画設計基準 設計「水路工」基準書 技術書 平成13年2月 農林水産省農村振興局」/「道路橋示方書・同解説
I 共通編 平成14年12月(社)日本道路協会」
「道路橋示方書・同解説 IV下部構造編 平成14年3月(社)日本道路協会」/「道路橋示方書・同解説 V耐震設計編 平成14年3月(社)日本道路協会」
2. 計算内容
洪水吐の形状は、「開水路左右対称型」「開水路左右非対称型」「重力式擁壁型」「逆T式擁壁型」を用意しており、これらをU型形状としてモデル化します。検討ケースは、常時、地震時それぞれ最大5ケースまで指定することが可能で、荷重は背後地側および貯水池側の土圧、静水圧、動水圧等を考慮して、安定計算、断面力計算、部材の許容応力度法照査を行います。
3. 入力機能
●基本条件
「開水路左右対称型」「開水路左右非対称型」「重力式擁壁型」「逆T式擁壁型」の4形状をサポートし、開水路型においては対策工を検討することも可能です。対策工としては、「底版に突起を設ける」,「背面土砂を考慮する」を選択できます。また、「地震時動水圧を考慮するか否かの指定を可能としています。
●材料
設計計算時に用いる材料データ(許容応力度等)は、適用基準の値を初期値として設定されており、また、任意で修正することも可能です。
●形状寸法
選択した洪水吐の形状毎にガイド図を用意しており、容易に入力・修正することが可能です。
●配筋
部位毎(貯水池側壁、背後地側壁、底版等)に入力可能で、外、内、上、下それぞれ2段まで配置できます。
●荷重
初期値として、常時(満水時、設計洪水時、緊急放流時)、地震時(満水時)の4ケースを設けていますが、常時、地震時それぞれ最大5ケースまで指定することが可能です。水位は、背後地側、内水、貯水池側それぞれに指定することが可能です。また、土圧算定に用いる地表面に載荷する荷重は、上載荷重、雪荷重、その他荷重として指定することが可能です。
●任意荷重
「荷重」画面で定義不可能の荷重を最大10ケース(ケース内最大20個)の鉛直荷重(集中,分布)、水平荷重(集中,分布)、モーメント荷重を指定することが可能です。
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▲基本条件入力画面 |
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▲材料入力画面 |
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▲配筋の設定 |
4. 計算機能
●安定計算
安定計算では、浮き上がり、転倒、滑動に対する検討を行います。また、突起を設けた場合はこれを考慮した滑動照査を行います。安定計算において、貯水池側の抵抗力は、次のように考慮しています。
- 貯水池側の土圧を載荷せずに滑動照査を行い、照査結果がOKのとき、この状態で安定計算を行う
- 滑動照査がOUTの場合、反力を算出し、また、受働土圧力の範囲内であることを確認した上でこの反力を載荷した状態で安定計算を行う
●断面力計算
断面力計算は、FRAME解析により算出します。「重力式擁壁型」「逆T式擁壁型」を含め全形状ともにU型形状の骨組を作成し、貯水池側の壁と底版との結合部にピン支点、背面地側の壁と底版との結合部に水平ローラー支点を設けています。
荷重は側壁(貯水池側、背後地側)用の組み合わせケース、底版用の組み合わせケースをそれぞれ作成して設計断面力を算出します。
●部材の許容応力度法照査
部材照査は、許容応力度法にて以下の計算を行っています。
- コンクリート、鉄筋の曲げ応力度照査
- 必要鉄筋量計算
- 抵抗モーメント計算
- コンクリートの最大せん断応力度照査
- コンクリートの平均せん断応力度照査
- 必要斜引張鉄筋量計算
- 付着応力度の計算
5. 入結果確認・計算書出力
●安定計算
検討ケースごとに合否を明確にした安定計算結果を一覧表示します。
●断面力計算
断面力計算(FRAME)結果の断面力を断面図およびHTML表示形式で確認することができます。
●部材照査
部材照査結果を総括表形式および部位(側壁、底版)ごとにHTML表示形式で確認できます。
以上、洪水吐の設計計算における機能を説明いたしました。今後も皆様からのご要望を取り入れ、改良・改善を加えていきます。
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▲荷重の設定 |
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▲安定結果確認画面 |
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▲断面力結果確認画面 |
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▲許容応力度結果確認画面 |
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水工設計・洪水吐体験セミナー
●日時 : 2011年1月 26日(水) 13:30〜16:30 ●参加費 : 無料
●本会場 : フォーラムエイト東京本社 GTタワーセミナールーム TV会議システムにて 東京・大阪・名古屋・福岡にて同時開催 |
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■洪水吐の設計計算 リリース予定日:2010年10月 |
(Up&Coming '10 晩秋の号掲載) |
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