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新製品紹介

●RC断面計算 中国版 RC断面計算プログラム(中国基準版)

●はじめに
  • フォーラムエイトでは、現在、中国基準により正確に対応したUC-1製品として、「RC断面計算」、「土留め工の設計Ver.2」、「橋台の設計Ver.2」、「擁壁の設計Ver.2」の4製品について開発を行っています。
    今回紹介する「RC断面計算 中国版」は、日本で販売しているRC断面計算プログラムを中国の建築基準並びに土木基準に準拠し、標準的な断面形状として、矩形、T形、I形、円形断面、さらには、任意断面に対応して中国向けに新規開発したプログラムです。本製品は、RC部材照査には必須のツールであり、現在開発中である土留め工、橋台、擁壁の設計などにも活用される重要なプログラムです。


●製品概要
  • 大きく2通りの計算方法があり、方法1では断面耐力の計算として曲げ耐力、軸耐力、せん断耐力を計算、方法2では設計断面力を与えてその断面に必要な鉄筋量を算出します。断面力照査は、コンクリート強度、鉄筋およびPC鋼材の種類に応じて登録されている許容値を呼び出して行います。
    耐力計算は終局強度のみを算出し、計算結果は画面で確認しやすように見やすくまとめられています。計算書としては、計算過程や代入値を追いやすいように報告書スタイルとなっています。
計算方法  方法1  断面力、断面形状と鉄筋量を入力して耐力を計算
 方法2  断面力、断面形状を入力して必要鉄筋量を計算
断面形状   矩形、T形、I形、円形、任意形
 耐力計算  曲げ、軸力、せん断耐力を計算
鉄筋量計算 引張鉄筋、圧縮鉄筋、スターラップ筋の鉄筋量を計算
▲表1 RC断面計算 中国版


●適用範囲と中国適用基準
  • 本製品の主な適用範囲は下表の通りです。なお、任意形については日本版RC断面の計算方法を一部利用しています。
    また中国基準の正式名は次の通りです。
      (1) 中国建築基準 コンクリート構造設計基準(GB50010-2002)
      (2) 中国土木基準 道路鉄筋コンクリート及びPCコンクリート橋設計基準(JTGD62-2004)
    建築と土木とは、円形断面の曲げ耐力算出式の違い、基準値の違いなどの相違点があります。


●日本版との相違点
  • 日本版のRC断面では、コンクリートの圧縮応力度の分布を応力ひずみ曲線より得られる2次放物線(道示Xの場合はn次放物線)として、これを厳密に積分することで軸方向力と曲げモーメントを算出しています。一方、中国版では下の模式図(図1)に示すように圧縮側でコンクリートと圧縮鉄筋が降伏に達していると仮定し、同様に引張側は引張鉄筋が降伏に達しているものとして、両者の釣り合い式から曲げ耐力を求めており、シンプルな計算手法を採用しています。
▲図1 中国版RC断面の計算模式図

●初期入力画面
  • 計算方法としては、耐力計算か鉄筋量計算かを選択します。部材種類や建築、土木の適用対象および環境条件を入力し、断面は、矩形、T形、I形、円形の4タイプを標準断面として、かつ任意断面に対応して断面形状を入力します。計算に必要な各項目はプルダウンメニューで選択できます。
    また、鉄筋、コンクリートおよびPC鋼材については、材料データベースから選択可能となっています。PC鋼材については、配置角度やプレストレス量を入力することができます。


●任意断面対応と計算結果出力
  • 日本版RC断面の計算プログラム同様に、任意の断面に対応しています。各部分を円形や矩形のブロックに分割して、ブロック毎に設定もしくは控除することによって多様な断面を任意に構成できます。
    なお、計算結果の画面出力は、断面諸量を表示し、計算結果を各ケースおよび一覧表で表示します。計算書は概略結果として一覧表にまとめられるほか、報告書スタイルはわかりやすく計算の詳細を追うことが可能なものとなっています。


●おわりに
  • 本製品が中国市場に受け入れられるよう、リリース後もユーザ様からのご要望、ご指摘に対して丁寧に対応していきたいと
    考えています。
     また、本製品はRC部材で構成される構造物の設計計算にはなくてはならない計算機能なので、今後、本計算機能を有効に活用することで、各種構造設計プログラムの開発が効率よく行えるものと考えています。
▲図2 RC断面初期入力画面 ▲図3 RC断面基準値画面 ▲図4 計算書作成


※画面は、RC断面計算 日本リリース版のものです。


■RC断面計算 中国版 リリース予定日:2010年10月
(Up&Coming '10 晩秋の号掲載)
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