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●はじめに
- 「ポータルラーメン橋の設計計算」について紹介させていただきます(図1参照)。
まずはじめに、本製品につきましては、昨年中のリリースをご案内しておりましたが、大幅に遅延し、お客様にご迷惑をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。
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▲図1 メインウィンドウ |
●ポータルラーメン橋とは
- ポータルラーメン橋は、橋梁の耐久性、耐震性、コスト削減、維持管理に配慮した橋梁形式と言われています。本形式は、図2右側の通り、上部構造と背面から土圧を受ける下部構造を剛結した単径間のラーメン橋で、従来橋(図2左側)と比較した場合に、支承と伸縮装置を省略した橋梁形式であることがわかります。
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▲図2 従来橋とポータルラーメン橋 |
ポータルラーメン橋のメリットとして、
- 耐久性の向上 (維持管理上の弱点となりやすい伸縮装置と支承を省略することができるので、凍結防止剤による腐食損傷がない)
- コスト縮減 (支承及び落橋防止システムが不要で初期コストを低減)
- 耐震性向上 (上下部一体構造により、地震時に部材が降伏しても応力再分配がなされ、橋全体の終局耐力は高くなる)
- 上部工桁断面力の低減 (上部工桁のモーメントを下部工に負担させることができるので桁断面力を小さくできる(図3参照))
などが挙げられます。
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▲図3 従来橋とポータルラーメン橋の桁自重モーメントの比較 |
注意点としては、
- 背面土圧が確実に作用することを前提とした構造物であるので、裏込土は良質な材料を選定し、品質を確保しなければならない。
- 竪壁前面位置でプレストレスを確実に導入させるために鋼材定着位置を背面側に移動させるために、橋台背面に桁断面と同等の突起部を設けるが、突起下の裏込土砂の転圧に注意を要する
などが挙げられます。
●製品概要
- サポートしている上部構造形式並びに橋種は下表の通りです。
構造形式 |
RC |
PC |
PRC |
中空/中実床版橋 |
○ |
○ |
○ |
箱桁橋 |
× |
○ |
○ |
- 施工段階を勘案した設計計算が行えます。具体的には、図4に示すように3通りの施工方法を想定しています。
施工方法1 : 橋台施工時に一部土圧を作用させ、上部工緊張後、背面土砂を埋戻す。
施工方法2 : 上部工まで施工(緊張)し、一部土圧を作用させ、残りの背面土砂を埋戻す。
施工方法3 : 上部工まで施工(緊張)し、背面土砂を一気に埋戻す。
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▲施工方法について |
●おわりに
- 本製品につきましては、今後もサポート範囲の拡張に努めるとともに、皆様のご助言を頂きながら、計算機能をアップして参りたいと考えています。
■参考文献
- 日本高速道路株式会社、設計要領 第二集 橋梁建設編 平成18年4月
- 土木研究所資料第4084号 ポータルラーメン橋の設計に関する基本的事項 平成20年1月 独立行政法人 土木研究所
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■ポータルラーメン橋の設計計算 Ver.1 リリース日:2010年 6月 |
(Up&Coming '10 盛夏の号掲載) |
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