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新製品紹介

●BOXカルバート(下水道耐震) Ver.5 1連,2連BOXカルバートの耐震設計を支援するプログラム

●はじめに
 「BOXカルバートの設計(下水道耐震)Ver.5」では、主に
  • 地盤の液状化の判定
  • PHC杭の杭頭カットオフ区間の杭本体照査
を行いました。以下にその概要をご紹介いたします。


●地盤の液状化の判定
 液状化の判定は「道路橋示方書・同解説 X耐震設計編 平成14年3月(社)日本道路協会」に準拠して行いますが、「下水道施設の耐震対策指針と解説−2006年版−(社)日本下水道協会」の「第4節 液状化の判定」の内容より、判定に用いる地震動はレベル2地震動のタイプ II としています。
 本プログラムでは、液状化の判定を行い、液状化が生じると判定された場合の土質定数の低減係数を算出します。
 以下に、液状化の判定方法と、低減係数の算出方法についての概略を記載します。
  1. 液状化の判定を行う必要がある砂質土層
    以下の3つの条件のすべてに該当する場合には、地震時に影響を与える液状化が生じる可能性があるため、(2)によって液状化の判定を行う必要があります。
     1) 地下水位が原地盤面から10m以内にあり、かつ、原地盤面から20m以内の深さに存在する飽和土層
     2) 細粒分含有率FCが35%以下の土層、又は、FCが35%を超えても塑性指数Ipが15以下の土層
     3) 平均粒径D50が10o以下で、かつ、10%粒径D10が1o以下である土層

  2. 液状化の判定
    (1)の規定により液状化の判定を行う必要がある土層に対しては、液状化に対する抵抗率FLを算出して、この値が1.0以下の土層については液状化するものとみなします。
    液状化の判定 結果確認画面


  3. 土質定数の低減係数
    (2)により液状化が生じると判定された砂質土層については、液状化に対する抵抗率FL、現地盤面からの深度x、動的せん断強度比Rを用いて、下表より低減係数を決定します。

    FLの範囲 現地盤面からの深度
    x(m
    )  
     動的せん断強度比R
    レベル1地震動に対する照査  レベル2地震動に対する照査  
    R≦0.3 0.3<R  R≦0.3 0.3<R
    FL≦1/3 0≦x≦10 1/6 1/3  1/6 
    10<x≦20  2/3 2/3  1/3  1/3 
    1/3<FL≦2/3  0≦x≦10 2/3 1/3  2/3 
    10<x≦20  2/3  2/3 
    2/3<FL≦1 0≦x≦10 2/3  1
    10<x≦20  1


●PHC杭の杭頭カットオフ区間の照査
  PHC杭で杭頭をカットオフする場合、カットオフした位置から50φ(φ:PC鋼材の径)の範囲は、プレストレスの損失を考慮した鉄筋コンクリート断面として扱わなければなりません。このようなケースのとき、「杭基礎設計便覧 平成18年度改訂版 平成19年1月 社団法人日本道路協会」に準じた、杭頭をカットオフした区間の杭本体の照査に対応いたしました。

 
1、鉄筋コンクリート断面として照査
2、プレストレストコンクリート断面 
▲杭頭カットオフ入力画面


杭本体の照査としては以下の照査を行っています。
  1. 軸力および曲げモーメントに対する照査
     杭体部分(円環RC断面)の許容抵抗曲げモーメント(Ma1)と中詰め部分(円形RC断面)の許容抵抗曲げモーメント(Ma2)とを合算した許容抵抗曲げモーメント(Ma)が杭頭剛結モーメント(M)以上となることを照査します。
        Ma=Ma1+Ma2≧M
     杭体のカットオフ位置から50φの範囲は、通常、フーチング下端から0.5m程度の範囲となるため、照査する曲げモーメント(M)は杭頭の発生モーメントとします。軸方向力はすべて杭体部分に作用させるものとし、Ma2の算定は軸方向力=0として行います。Ma1は、最大軸力と最小軸力について算出した許容抵抗曲げモーメントの小さい方の値とします。

  2. せん断力に対する照査
     杭体部分の許容せん断力と中詰め部分の許容せん断力とを合計した許容せん断力が作用せん断力以上となることを照査します。

    (a)杭体部分(円環RC断面)
    斜引張鉄筋(スパイラル鉄筋)と共同してせん断力を負担する場合の杭体部分の許容せん断力は以下の式により算定します。ただし、有効プレストレスσe=0とします。
      

    (b)中詰め部分(円形RC断面)
    等積正方形断面に置き換えた有効断面積に、中詰めコンクリートの許容せん断応力度を乗じて中詰め部の許容せん断力を算出します。

●おわりに
 以上、今回の主だった改訂内容を紹介させて頂きました。今後もユーザの皆様からのご要望を取り入れ、改良・改善を加えてまいります。

■BOXカルバートの設計(下水道耐震)Ver.5 リリース日:2009年9月17日
(Up&Coming '09 晩秋の号掲載)
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