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今回のバージョンアップでは、安定照査の杭基礎の拡張(PHC杭のカットオフ、杭体の断面変化)、部材照査の竪壁保耐時の橋脚としての照査、受け台のコーベルとしての照査、図面作成の段差フーチング、踏掛版形状拡張、基礎連動時の地盤種別の連動について機能強化をしています。
●竪壁保耐時の橋脚としての照査
橋台における補強設計として、EPS(発砲スチロール)、Abucs(セメント安定処理土)、FCB(気泡混合軽量盛土)工法等を採用した土圧軽減法があり、地震時においては通常の橋台のように躯体と盛土が一体となって挙動せず(裏込め土による減衰効果が期待できない)に橋脚のような振動特性を表すことになり、橋脚と同様に設計をする必要があります。
補強設計対応として、Ver.6においては竪壁の橋軸方向(前側←後側・前側→後側)の保耐法照査をサポートしましたが、Ver.7では橋脚及び橋脚基礎として照査できるように次の項目に対応しています。
- 翼壁(盛土)無し時の竪壁の直角方向(左側←右側・左側→右側)の保耐法照査、竪壁の主鉄筋本数の拡張(250本→300本)
- 橋脚としての底版の橋軸方向(前側←後側・前側→後側)、直角方向(左側←右側・左側→右側)の保耐法照査(連動設計)、前後の土砂高が異なる時の土砂重量の考慮、橋脚基礎における応答塑性率の算出・照査、橋脚基礎としての基礎プログラムとの連動
- 降伏剛性を考慮した橋脚の震度算出支承モデルの生成
尚、橋台においては一般的な橋脚と異なり多様な荷重が作用するため、今後は前後の水位高が異なる時の水圧、死荷重時に作用している土圧、任意荷重の影響について竪壁の保耐法照査時に考慮予定です。
●受け台のコーベルとしての照査
受け台は、形状によってはコーベル(梁高さ/張出長≧1)として見なせる場合があるため、通常のはりの照査に加えてコーベルとしてトラス理論、せん断摩擦理論による照査に対応しています。
トラス理論による場合は、はりの主鉄筋を引張材、コンクリート部を圧縮材としたトラスを考えて、力の釣り合いより部材力を算出します。せん断摩擦理論の時は、せん断力が斜め引張力と見なせないような時に適用され、せん断面を滑る時に面に垂直な鉄筋が面が粗であるために降伏点に達する程度伸び、これが摩擦力として作用するとして考えます。
曲げの照査においては、受け台に作用する自重及び反力による作用力Rg 、Ruから引張力Tuを算出し、上面鉄筋、側面鉄筋について必要鉄筋量を求めて使用鉄筋量と比較します。
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▲コーベルの入力画面 |
トラス理論による解析 |
上面鉄筋 |
As1=Ast |
側面鉄筋 |
As2=0.4As1' or 1/4As1' or 0.4Ast |
せん断摩擦理論の計算
(0.5≧a/h) |
As1≧Ast |
上面鉄筋 |
As1=2/3Ass |
側面鉄筋 |
As2=1/3Ass |
As1<Ast |
上面鉄筋 |
As1=Ast |
側面鉄筋 |
As2=1/2Ast |
また、橋台の場合は張出長が短く、張出長に比べて著しく幅が広い部材になるので、側面鉄筋の配置を選択できるようにしています。せん断照査においては、せん断照査位置を付根位置、部材高/2、部材先端から選択できるように拡張しました。
●図面の拡張
1)段差フーチングの図面
図面作成においては、橋軸方向、直角方向段差フーチングに対応し、次の作図が可能になりました。
橋軸方向段差(前趾テーパ可) |
上面 |
段差なし、段差1段(竪壁前面位置) |
下面 |
段差1段 |
直角方向段差 |
上面 |
段差なし、段差1段、段差2段 |
下面 |
段差1段、段差2段 |
付属物 |
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底版杭配置(杭頭結合:B法) |
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▲橋軸方向段差(断面図) |
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▲直角方向段差(正面図) |
2)踏掛版形状の対象拡張
矩形、平行四辺形に加えて、台形、バチ形の図面作成に対応し、勾配:縦断勾配、横断勾配、角度:30〜150度、作図:車道水平方向、車道垂直方向の図面作成が可能です。
●今後の予定
今後の予定としては、斜め橋台時の底版張出部の補強照査、翼壁組立筋・鉄筋基準点の図面拡張等を含めて多くの要望への対応を予定していますので、Ver.7にご期待ください。
■橋台の設計 Ver.7 リリース日:2008年11月5日
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(Up&Coming '09 新春特別号掲載) |
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