|
|
「斜面の安定計算」は各種設計基準類にて規定される道路盛土、鉄道盛土、宅地造成等の各種土構造物・地すべり解析・防災対策・河川構造物の設計等に対応した斜面安定解析システムです。最新版においては、土構造物の性能設計への移行への対応として、オプション機能であった(1)ニューマーク法による簡易動的解析、(2)浸透流FEM解析を標準実装としました。更に、(3)地下水排除工法、(4)モデル作成補助ツールにおけるデータチェック機能強化、(5)計算書出力機能の強化、(6)図面出力機能の強化等に対応し、斜面安定分野における総合的解析ツールとしてご利用いただけるよう各種機能充実を図りました。以下に最新版における改訂機能についてご紹介いたします。
●ニューマーク法による簡易動的解析
大規模地震動における盛土の耐震性能は、盛土の塑性変形をある程度許容した土構造物の将来挙動予測による照査へと移行しつつあります。この耐震性能評価に対応するツールとして、本バージョンよりニューマーク法を標準実装しました。
本機能により、従来の極限平衡法に基づく斜面安定解析にて斜面の安定性を強度の立場から評価に加えて、ニューマーク法により地震時に斜面に発生する残留変位に着目した安定性を照査することができます。
|
●浸透流FEM解析
土砂災害の誘因としては、地震による影響も挙げられますが、長期降雨に起因する地下水の影響が多大であることが指摘されます。建設業界の多くの分野が性能設計に大きく移行されている中、土構造物に対しても仕様設計から性能設計に大きく切り替わろうとしています。社会基盤施設への社会の要請は益々複雑化・多様化し、あらゆる性能が求められてくることが想定されます。
土砂災害に対しては、地震に対する耐震性能のみでなく、長期降雨に起因する地下水の影響に対する浸透性能評価も要求性能の一つとして挙げられます。この浸透性能評価に対応するツールとして、本バージョンより浸透流FEM解析を標準実装しました。
|
●地下水排除工法
地すべり防止対策事業では、近年、多く見られるような地すべり面が深い場合には、抑止工の施工が難しいため、抑制工、特に地下水排除工中心の対策が行われています。地下水排除工は、地すべりの原因となる地下水を排除することにより、地すべり土塊の内部の間隙水圧(地下水位)を低下させ、地すべり地域を総合的に安定させる工法であり、主に水抜きボーリング工、集水井工、排水トンネル工などがあります。
地すべり対策工の設計に際しては、計画安全率を満足させるために、どの程度地下水位(せん断面に作用する水圧)を低下させるのかが問題となります。
本機能では計画安全率を満足するのに必要な間隙水圧低下量儷を計算・出力しますので、対策工規模の検討に際して運用いただけます。更に、計画安全率を満足するのに必要な水位低下量を計算・出力しますので、各種設計基準類にて規定される各種地下水排除工法における経験データに基づいた一般値より、対策工種の選定に際してもご活用いただけます。
▲地下水排除工の出力画面 |
●モデル作成補助ツールデータチェック機能強化
主にCADファイルのインポートの用途でご利用いただいているモデル作成補助ツール関して、以下に示す機能追加により操作性の向上を図っています。
・ 微小に離れて1点に重なって見えるID点のデータチェック機能
・ 解析領域が閉口しているか否かのデータチェック機能
・ CADファイルインポート中のキャンセル機能
・ モデルビューワー (部分拡大時の別画面での全体表示) 対応
・ 任意地点を座標軸原点に設定できる機能
●計算書出力機能の強化
以下に示す機能追加により、より分かり易い計算書となるよう、出力機能の一層の充実を図っています。
・ 計算書にID番号表記したモデル形状図及び安定計算結果図を出力に対応
・ ニューマーク法の計算書に滑動変位図出力に対応
・ 二次処理の押え盛土の計算書出力に対応
●図面出力機能の強化
図面出力において、主に以下に示す機能改善を図っています。
・ 土質ブロック名の出力位置の変更機能に対応
・ 土質ブロック名及び座標軸数値の文字サイズ変更に対応 |
斜面の安定計算セミナー 詳細
●日時 9月4日(木) 9:30 〜 16:30 ●参加費 \15,750
●本会場 フォーラムエイト東京本社 GTタワーセミナールーム TV会議システムにて 東京・大阪・名古屋・福岡にて同時開催 |
■斜面の安定計算 Ver.7 リリース予定日:2008年9月末 |