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●xpswmm 総合情報 Vol.5 毎号掲載を予定

 5月20日に開催された第9回UC-win/Road協議会技術セッションStream-2では、『xpswmm』の開発元であるXP Software副会長Anthony Kuch氏に来日頂き、基調講演が行われました。
基調公演では、「浸透、貯留、氾濫解析におけるモデリング及び可視化の技術進歩」と題して、都市域の水収支の主要なテーマである雨水流出過程における浸透過程と貯留過程、更に汚濁解析のxpswmmによるモデリング、解析結果のアニメーション出力機能について概説されました。更に、FORUM8で現在開発中のUC-win/Roadによる氾濫解析結果のバーチャルリアリティ化に関する開発報告が行われました。
 本講演により、最新の雨水流出解析モデルにおける可視化の有用性が再認識され、FORUM8とXP Softwareとの将来的ニーズを見越した新たな技術開発の可能性が大いに期待される公演になりました。



▲Anthony Kuch氏による基調講演の様子
●雨水流出解析におけるビジュアライズの有用性
 この講演においてKuch氏は、降雨流出に着目した自然域と都市域との水文現象の相違について、一般的な概念図を元に説明されました。特に都市域では自然が本来もっている水の循環経路が下水道などの排水施設の影響を大きく受けているため、自然系だけでなく人工系も含めて水の循環システムが機能しており、従来の自然流出及び河川モデルのみに留まらず、下水道や河川施設等も考慮したモデルへと推移しつつあることが示唆されました。また、このような複雑に絡み合うシステムにおいては、単に水文データを眺めるだけでは現象の構造は解らなく、一つの水文データの変化に対する影響評価も困難であるため、複合現象の解析機能と同時に、現象の理解にはその可視化が欠かせないことが認識されました。
 このような複合現象に対して、xpswmmでは下水道網からの浸水も解析可能な、雨水下水管網、貯留池、下水処理施設の混在する都市を対象できる流出解析モデルであり、その利便性の一つとして、流出解析、水理解析、汚濁解析の全ての計算が連結しており、同一パッケージ内で任意の処理が行えるよう構造化されている旨が説明されました。更に、管きょ内の任意地点における水量及び水質を時系列的に解析でき、浸水状況をアニメーション化して表現することができるため、他部局や住民等へのプレゼンテーション、技術普及のためのPR活動での有用性が感じられました。
   
▲雨水流出過程における浸透過程と貯留過程について ▲xpswmmにおけるアニメーション出力
  
●UC-win/Road for xpswmm開発報告
 最後に、現在FORUM8にて開発中のxpswmmによる氾濫解析結果のUC-win/RoadによるVR化プロジェクト「UC-win/Road for xpswmm」に関する開発報告が行われました。
 都市浸水被害が多発化している昨今、計画を上回る降雨に対して、ハード対策だけでなく、ハザードマップ等のソフト対策まで含めた対応が求められています。ハード対策に際しては、調節池などの浸水対策事業内容や事業効果をわかり易く説明する手段が必要になります。また、ソフト対策では、地域住民に対する浸水リスクと防災意識の向上の認知を図るため、ハザードマップをどのように活用して減災につなげていくかという視点からの取り組みが求められます。
 そのため、住民向け説明会・講習会などのフォローアップに際しては、従来のハザードマップに加え、あらゆる一般住民に視覚的にも解り易いVRにより氾濫解析結果を可視化する試みのポテンシャルは非常に高いと考えられます。
 Kuch氏より、氾濫解析については解析結果の解釈が非常に重要であることが強調され、開発中の「UC-win/Road for xpswmm」のVR画像が紹介されました。


▲Road for xpswmmの紹介
 このFORUM8とXP Softwareとの将来的ニーズを見越した新たな技術開発により、水関連行政局間での連携した水施策のマスタープランづくりや、行政部局と地域住民とでの意思決定ツールとしてUC-win/Road for xpswmmが活用されていく展開に期待が持てる報告となりました。

xpswmm体験セミナー  詳細

●時間 13:30 〜 16:30  ●参加費 無料   2008年7月3日(木)、9月25日(木)
  本会場:フォーラムエイト東京本社 GTタワーセミナールーム
  TV会議システムにて 東京・大阪・名古屋・福岡にて同時開催


  
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