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新製品紹介

●橋脚の設計 Ver.6 震度法・保耐法による橋脚の耐震設計・補強設計、図面作成プログラム

 「橋脚の設計 Ver.6」では、柱テーパー形状について拡張を行い、新設設計時において全ての柱形状で逆テーパーモデルへの対応(図面を含む)を行いました。小判柱では橋軸方向にのみテーパーが付く形状を新たに追加し、また、橋軸方向と直角方向で異なるテーパー幅の指定も可能としています。その他の拡張としまして、せん断摩擦理論によるコーベルの必要鉄筋量照査などの機能追加を行っています。以下にその概要をご紹介いたします。


●柱逆テーパー形状の対応
 従来バージョンまでは、柱に逆テーパー形状を設けることはできませんでしたが、「橋脚の設計 Ver.6」では、新設設計時において全ての柱形状で逆テーパーの設定ができるように拡張しました。特に小判柱におきましては、テーパーが橋軸方向にのみ付く形状を新たに追加し、橋軸方向と直角方向とでテーパー幅の異なる形状への対応、および、橋軸方向と直角方向とでテーパーの付き方が逆となる「順・逆テーパー混在」の形状にも対応しています。

※逆テーパー形状は新設設計のみを対象とし、中空部、非対称形状は設定できません。
制限項目 矩形柱 面取り柱 小判柱 円柱
橋軸方向テーパー 順テーパー ×
逆テーパー
直角方向テーパー 順テーパー ×
逆テーパー
両方向テーパー 順テーパー ×
逆テーパー
順・逆混在 × ×
▲柱形状とテーパー形状の対応一覧(※赤丸が新たに作成可能となった形式です。)


▲小判柱橋軸直角方向逆テーパー形式  ▲橋軸順テーパー・直角逆テーパー混在

●図面作成の拡張
 本バージョンより、柱にテーパーが付くモデルに対しても図面作成が行えるようになりました。従来は、柱にテーパーが付いたモデルでは図面作成を行うことはできませんでしたが、今回の逆テーパーモデルへの対応に伴い、図面作成においても機能を拡張し、逆テーパーモデルはもちろん、従来の順テーパーモデルに対しても図面作成が可能となりました。


●形状寸法入力画面での形状図確認
 従来バージョンまでは、形状寸法の入力画面における形状図の確認は、3D形状図による確認機能のみとなっていましたが、今回新たに2D形状図(側面図、正面図、平面図)による表示機能を設け、逆テーパー形状に対しても入力状態が捉えやすくなっています。


●柱主鉄筋段落し数の上限拡張
 既設橋脚の耐震性能を照査する際の柱主鉄筋段落し位置数の上限拡張につきまして、以前から多くのご要望をいただいておりましたので、今回10段まで入力できるように上限を拡張しました。


▲小判柱の形状入力画面


●せん断摩擦理論によるコーベルの照査
 コーベル(短スパン片持ちばり)の照査におきまして、一部地域の設計マニュアルで採用されております、せん断摩擦理論による必要鉄筋量照査について対応しました。はり付け根でのせん断スパンとはり高との比(a/h)が0.5以下となる場合に、下式のせん断摩擦理論により求まる必要全鉄筋量ΣAsから、上面と側面の必要鉄筋量を求めます。

 ・必要全鉄筋量  ΣAs=S/1.4σsa
 ・はり上面に配置する鉄筋量 As1=ΣAs×2/3
 ・はり側面に配置する鉄筋量 As2=ΣAs×1/3

ここに、 S : はり付け根でのせん断力(自重を含む)
      σsa : 鉄筋の許容引張応力度


●補強時せん断耐力算定機能拡張
 補強設計時において、せん断耐力算定条件の内部計算機能を追加しました。従来はせん断耐力算定条件として、有効幅be,有効高d,引張主鉄筋比ptを常に直接指定する仕様としており、柱にテーパが付く形状などでは設定区間が不足したり、補強部の形状や主鉄筋配置を変更した場合は設定を毎回変更・確認する必要がありましたが、内部算定機能の追加により、一般的なモデルであれば、これらの入力を省略することが可能となりました。


●「UC-win/FRAME(3D)」データエクスポート機能拡張
 「UC-win/FRAME(3D)」データエクスポート機能について、以下の点を拡張しました。
1) 柱の逆テーパー(上広がり)形状モデルに対応。
2) 任意中間部節点の上限を10個所から20個所へ拡張。
※逆テーパモデルエクスポート時の制限事項は、設計計算時と同じです。
 逆テーパーモデルのテーパー区間につきましては、部材長/2の位置の平均断面を用いて、各部材のi端,j端に割り当てモデル化しています。適用するM-φ関係や横拘束効果等は、テーパーがない場合と同様です。なお、主鉄筋については、各平均断面位置の鉄筋状態を再現するために、鉄筋を1本ごとに生成します。


●今後の予定
 「橋脚の設計 Ver.6」では、今後、補強設計機能の拡張項目としまして、
 ・RC巻立て補強時の帯鉄筋間隔変化対応
 ・連続繊維補強時の検討用部材幅の内部計算
を予定しています。また、その他の対応項目として、
 ・大口径深礎上の土砂重量,浮力算定および連動
 ・洗掘状態におけるケースごとの土砂高さ指定(常時,L1地震時)
 ・張出し梁のテーパが柱内に位置する形状(図面を含む)
などの対応を検討しています。

■橋脚の設計 Ver.6  リリース予定日:2008年6月末
(Up&Coming '08 盛夏の号掲載)
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