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今回のバージョンアップでは、適用形状，待ち受け擁壁，杭基礎，示力線の拡張、動水圧の考慮、バネ基礎の安定計算、荷重図の表示等について、入力から出力までの広範囲にわたる機能強化を行います。
●天端張り出し形状，任意形状の拡張，置き換え基礎
天端張り出し形状として、既存道路における擁壁外側方向の拡幅等に対応できる形状を追加します。主だった形状において張り出し部分と高覧の入力を可能にし、作用荷重として高欄・舗装等の死荷重や群集荷重による分布荷重，自動車等の集中荷重を考慮し、張り出し部分の影響を考慮した安定計算，張り出し部分の部材照査及び図面作成を行うことができます。
任意形状の入力では、入力操作において部材位置や仮想背面の確認が忘れがちになり、ミスにつながる場合も多いため、マウス操作により簡単に形状入力ができるようにインターフェースを刷新します。これにより、形状を構成する変化点の追加，削除，移動をマウス操作により確認しながら形状入力ができ、計算書においては構造寸法の表示も可能となります。
また、形状入力の拡張とあわせて土圧算出では多点折れに対応し、躯体壁面が多点に折れた波返しや上下の仮想背面が異なる逆台形の擁壁にも対応できるようになります。
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▲任意形状の寸法入力画面 |
置き換え基礎においては、２段まで検討できるように拡張し、作用荷重の計算過程を詳細に確認することが可能です。
●複数勾配を考慮した崩壊土砂による衝撃力算出
崩壊する恐れがある斜面に関しては側点毎に地質データを算出しますが、測点の平均の層厚により衝撃力を求めた際は斜面の角度，層厚によって必ずしも平均の層厚で算出した結果が最大値とならずに、危険側の設計となる場合があります。このため、観測地点毎に崩壊の恐れがある層厚，傾斜等を入力し、衝撃力算出時は最大となる地点を自動的に求め、土圧力算出時は崩壊後の土砂形状により検討できるように拡張します。
●動水圧の考慮
外水位，内水位がある時の地震時ケースでは、静水圧に加えて慣性力作用方向に作用するWestergaard式による動水圧を考慮できるようにし、Ｕ型擁壁の部材設計では分割位置毎に求めた荷重強度を骨組モデルに台形に作用させて照査します。
また、耐震設計においては、静水圧の作用方向には慣性力と静水圧，動水圧を考慮しますが、受動側の部材設計としては安全側を考慮して静水圧及び動水圧を無視し、慣性力と土圧力により設計することも可能です。
●杭基礎の拡張（PHC杭のカットオフ，杭体の断面変化，せん断照査の拡張）
その他杭を除いた杭種において、杭体（上杭，中杭，下杭）の断面変化を考慮して部材照査を行い、場所打ち杭では鉄筋の段落とし位置を自動決定できるようにします。
また、ＰＨＣ杭においてはカットオフ区間の検討を追加し、ＰＨＣ杭，ＲＣ杭，場所打ち杭ではスパイラル鉄筋，帯鉄筋を考慮したせん断照査を検討できます。
●示力線の拡張，バネ基礎の安定計算，荷重図の表示
示力線の拡張では、壁体の控長変化への対応，試行くさび法における土圧係数換算方法の改善，クーロン土圧における部分分布載荷荷重の考慮に対応し、計算書においては示力線算出時の詳細な算出過程を表示できるようにします。Ｕ型擁壁のバネ基礎では、フレーム計算より求められた結果より剛体として滑動，地盤反力等の安定計算を行うように対応します。また、計算書においては、次のような荷重図を大幅に追加することでわかりやすくします。
・設計条件における根入れ位置，土被り位置，土圧を考慮しない高さ，前面土砂，水位、載荷荷重，任意荷重の図示
・安定計算，部材設計における載荷荷重，任意荷重，浮力，水圧，土圧の算出過程、作用力集計結果の図示
その他として、Ｕ型擁壁の剛域指定，鉄筋材料の丸鋼指定等を含めて、多くの要望への対応を予定しています。リリースまでしばらくお時間を頂くことになりますが、Ver.8にご期待ください。
擁壁の設計セミナー 参加費 \15,750
2008年 7月 16日（水）
本会場：フォーラムエイト東京本社 GTタワーセミナールーム TV会議システムにて 東京・大阪・名古屋・仙台・福岡にて同時開催 |
■擁壁の設計 Ver.8 リリース予定日：2008年6月 |
| （Up&Coming '08 新緑の号掲載） |
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