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●はじめに
今回の改訂は、3柱式ラーメン橋脚への対応を中心に行っています。従来からのデータベースを用いたプログラム(以下、「既存プログラム」とします。)とは別に、2,3柱式ラーメン橋脚の設計計算を行うプログラムを新たに作成し、ラーメン橋脚の入力についても、これまでにお寄せいただきましたご意見を基に操作性の改善を行っています。主な改訂項目は、次のとおりです。
(1)3柱式ラーメン橋脚の設計計算 (新設、既設、補強の設計および直接基礎、杭基礎の設計)
(2)データファイル方式の採用
(3)入出力画面の操作性向上
(4)コーベルとしてのはりの照査
(5)PHC杭の杭頭カットオフ区間の杭本体照査
●3柱式ラーメン橋脚
3柱式および2柱式ラーメン橋脚の設計計算機能をサポートします。既存プログラムの2柱式ラーメン橋脚の設計計算機能を維持し、これを3柱式へ機能拡張しました。したがって補強モデルおよび直接基礎,杭基礎の設計も従来どおり対応しています。
3柱式の橋軸直角方向(面内方向)の地震時保有水平耐力法照査は、2柱式と同様に、各柱の上下端と支間ごとのはりの両端に塑性ヒンジ候補点を設けます。このモデルに上部工慣性力を載荷し、塑性ヒンジ候補点のいずれかが塑性に達するまでを1ステップとしてステップ解析を行います。塑性化後の候補点はヒンジ結合とします。7つ目の塑性ヒンジが発生したステップを終局状態として骨格曲線(Pu、Py0、δu、δy0)を求め照査を行います。塑性化の判定は、各塑性ヒンジ候補点のN-Mu相関関係から求め、軸力の変化が考慮されます。また、橋軸方向(面外方向)では、各柱の降伏剛性から分担重量を求めた後、各柱ごとに単柱として計算を行います。 |
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▲3柱式ラーメン橋脚の面内(橋軸直角方法)
保耐法照査結果画面 |
●データファイル方式の採用
既存プログラムでは、データベースを利用したファイル管理を行っていましたが、バージョンが更新されるごとに事前にデータをエクスポートしていただくなど、ご不便をおかけしておりました。Ver.6では、他のUC-1製品と同様に1つのモデルを1つのファイルに保存,読込ができるように変更しました。
●入出力画面の操作性向上
今回のプログラム開発ではデータ構造の見直しから行っています。この際、操作性の向上をはかるため、これまで製品に対してお寄せいただいたご意見を基に入力画面、出力画面の改善検討を行いました。
・既存プログラムでは、「はり」ごと、「柱」ごとなど、部分ごとに入力を設けていましたが、Ver.6では「形状」,「鉄筋」など入力の種類によって入力画面を分けました。これにより、モデル全体の形状の把握や確認が容易になりました。
・3柱式では入力項目も多くなります。これに対応するため、表形式の入力を多用しました。これにより、カット&ペーストによる一括入力が可能となり、入力値の確認も容易に行えます。
・入力画面にはモデル図を多く取り入れました。入力中の値の影響する場所をハイライト表示することで、入力値の確認が可能となります。
・断面照査の結果画面では、断面図が表示されます。照査断面の鉄筋の配置などを確認することができます。 |
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▲はり、柱、フーチングの寸法入力画面 |
●コーベルとしてのはりの照査
張出し部をコーベルとして照査する機能を追加しました。
張出し部の形状がコーベルと判断できる場合は、以下のコーベルとしての照査を行うことが可能です。
・指定した荷重ケースごとの上面引張鉄筋量の照査
・側面用心鉄筋の照査 ・上面鉄筋位置の照査
・載荷点位置の有効高さの照査
・側面用心鉄筋の配置間隔の照査
●PHC杭の杭頭カットオフ区間の杭本体照査
本照査では、次に挙げる2点
・曲げモーメントに対する照査(杭体部と中詰め部の抵抗曲げモーメントの合計が杭頭に作用する曲げモーメント以上であること)
・せん断力に対する照査(杭体部と中詰め部の許容せん断力の合計が杭頭に作用するせん断力以上であること)
の照査を行います。なお、せん断力に対する照査では、「杭基礎設計便覧(平成18年度改訂版)(平成19年1月)社団法人日本道路協会」に記載されているせん断に対する照査の方法にも対応しています。
■RC下部工の設計計算 Ver.6,ラーメン橋脚の設計計算 Ver.6 リリース予定日:2008年3月末 |
(Up&Coming '08 早春の号掲載) |
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