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●はじめに
本製品はVer.4からVer.5にかけて格子モデルや波形鋼板ウェブ断面など、様々な機能を追加してまいりました。こうした一連の開発ではユーザ様のご要望にお応えすることを最優先に考え迅速な作業を行ってきましたが、その結果、コンクリート橋上部工の設計ツールとして機能は増えてきたものの、設計計算業務における使用性という観点からは十分なものとは言えない品質になっていました。たとえば、メモリ消費量が多い、計算時間がかかる、使用が難しいデータロック機能、設計書に不向きな印字書式などです。
こうした諸点について多くのユーザ様からご質問をお受けし、早い段階から改善の必要を認識していたところですが、実際には根本的な改善を行うことが出来ずにVer.6にて個々のご要望にお応えするのが現状でした。
しかしながら、開発元としては常にプログラム構造改善の重要性を認識し続けその作業を進めてきた結果、このたびプログラムの基幹部分について皆様にご使用いただけるものになってまいりましたので、初期バージョンのリリースに先立ち、何をテーマに改善作業を進めてきたかを以下にご紹介いたします。
●Ver.7の新機能
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1)入出力画面の改善(図1):
Ver.6では入力タブと詳細データ編集タブの関係、データロック機能の使い方とその影響が分かりにくいというご指摘を様々なユーザ様からお受けいたしました。そこでVer.7では画面構成を見直して、従来の入力タブのデータはすべてメニュー「入力」に移動させモデルジェネレータのための入力データとして位置付けました。本製品の計算に必要な入力データは入力データ編集タブ(図1の画面の左側)にまとめて示しました。従来すべての入力データに付いていたデータロック機能は断面力、各種の設計用係数など限られたデータだけに絞り、結果確認タブ内の「設計用諸量(予備計算結果)」、「断面力」ほかに整理しました。
新しい機能としてメイン画面下部にメッセージを表示する部分を追加し、入力データのチェック状況や計算状況を表示するようにしました。表示されるメッセージに関連するデータやヘルプを簡単に表示させる機能が付いているので、その指摘されている意味やデータ修正などの対応方法を容易に理解できるようになりました。 |
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▲図1 入出力画面 |
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図の描画では入力データや結果データの確認が容易になるように大幅な改善を行っています。たとえば有効幅を考慮するとした場合、Ver.7では断面図にそれを描画し、どの部分が有効幅内であるかを確認できます(図2の黄色の部分)。また各ウェブ内にPC鋼材を配置できるようにして図でも確認できるようにしました。 |
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▲図2 図の描画の改善 有効幅内の確認が可能 |
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2)メモリ使用量、計算時間の改善:
本製品の旧バージョンVer.3では計算可能であったモデルがVer.6ではメモリ不足で計算出来ないなどのご指摘をお受けしていました。その原因は、利便性を向上させるために組み合せデータを個々の照査事項まですべてオープンにし変更を可能にしたことなどに伴い、データ構造に冗長な部分が内在していたことにありました。そこで、現状の利便性を損なうことなくプログラム内部で保持しているデータ構造を見直し、メモリ使用量の改善を行っています。その結果、従来計算できなかった施工ステップ数の多いモデルの計算が可能になりました。
3)印字出力の改善:
印字書式については設計計算書に使用できる品質であるかを再度検討し全般的に見直しを行っています。特に罫線付きの無駄な書式が多かった部分についてはコンパクトで分かりやすい書式を新たに準備いたしました。Ver.6で既に「新書式」という出力機能を追加サポートしましたが、Ver.7ではこの部分のサポート内容を拡充し、たとえば断面力の印字では曲げモーメント図などの図形を含めた書式をサポートしています(図3)。 |
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▲図3 コンパクトな書式 |
●UC-win/FRAME(3D)へのデータファイルエクスポート
本機能はUC-BRIDGEで作成したモデルをUC-win/FRAME(3D)で動的解析することを念頭に、そのデータファイルをエクスポートするものです(図4)。エクスポートに際してはスケルトンデータやPC鋼材、鉄筋配置を含む断面データだけでなく、UC-win/FRAME(3D)側でのデータ追加を可能な限り少なくするために、減衰定数や部材の非線形タイプを事前に指定できるようにしています。UC-win/FRAME(3D)のためのモデル作成ツールとしてご利用いただけるものと思います。 |
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▲図4 UC-win/FRAME(3D)へのエクスポート |
●おわりに
今回Ver.7の初期バージョンは、その基幹部分について提供させていただきます。Ver.6でサポートしていた格子モデルの計算や様々なジェネレータは時期をずらして、順次追加サポートする予定です。たとえば、桁高変化がある連続桁のジェネレータを作成し、各照査点の断面形を自動生成する機能、桁下面に沿うPC鋼材を簡単に配置できる機能などをVer.7に取り込んでいくことを考えています。また、今までに皆様からいただいている多くのご要望はVer.6にて主なものはサポートいたしましたが、まだサポートできていない項目についてはVer.7の後続バージョンにて検討いたします。どうぞご理解をいただきますようよろしくお願いいたします。 |
UC-win/UC-1ユーザ協議会 〜第5回UC-win/FRAME(3D)協議会 FORUM8デザインコンファランス〜 |
2007年 9月 27日(木) 東京本社 東京コンファレンスセンター・品川
技術セッション : 橋梁上部工
●ユーザ特別講演 : 「UC-BRIDGEによる設計事例と課題」 株式会社ポンテック 伊東
義敏 氏
●開発者講演 : 「UC-BRIDGEVer.7新機能と今後の開発」
詳 細 |
■UC-BRIDGE Ver.7(分割施工版) リリース予定日:2007年11月予定 |
(Up&Coming '07 秋の号掲載) |
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