LCCライフサイクルコスト |
昭和40年代以降に建設され、わが国の経済成長を支えてきた大量の社会資本は供用後30〜40年を超え、これから維持管理もしくは更新時代を迎えることになるでしょう。全国には約14万の橋梁があり、そのうち建設から50年以上経過する橋梁は、平成18年度には6%ですが、平成38年度には47%に達する見通しです。(図1)
以上のような現状から、今後は効率的かつ戦略的な補修計画の策定(アセットマネジメント)の導入が不可欠となります。国でも自治体が橋梁の「長寿命化修繕計画」を策定する場合に費用を補助する制度を創設しています。この制度は自治体が橋梁の長寿命化に最適な点検サイクルや手法などを盛り込んだ修繕計画を作成し、それに関わる補修費用の半分を国が補助するものです。この補助が受けられる期間は都道府県と政令指定都市が管理する国道・主要地方道は5年、市町村道は7年となります。
このように、ライフサイクルコストを最小とするアセットマネジメントを導入し、予防的修繕を行うことで社会資本の長寿命化を図る動きが広がりつつあります。
右の図2はFORUM8が現在計画中の「道路橋LCC評価システム」の流れです。このシステムでは道路橋の設計から積算・コンクリートの劣化予測を含む維持管理までを一元管理します。設計の段階で入力した鉄筋のかぶりおよび架橋条件に応じてコンクリートの劣化予測を行い、シナリオに応じたLCCを算出します。既設橋の場合には、橋梁点検結果を取りまとめる帳票を作成し、その指標から定量的な損傷状況を評価します。弊社「コンクリートの維持管理支援ツール」では中性化・塩化物イオンの侵入による劣化過程の判定および劣化進行予測を行うことができます。
また、UC-win/Roadとの連携により損傷状況の経年変化をアニメーション表示、および施工ステップをシミュレーションすることが可能となり、設計時および施工時の住民説明に大きく役立つものと思われます。
LCCの比較では、各シナリオ毎に経過年数と維持管理コストの関係を可視化し、一目でどのシナリオでLCCが最小となるか判断できます。
FORUM8は上記システムを構築することで、土木設計のソフトウェアメーカーとして既存社会資本の有効活用に取り組みます。
▲図1. 建設後50年以上経過橋梁の割合(母数=14万)
(国土交通省 平成19年度道路関係予算概要より) |
|
|
|
|
>> 製品総合カタログ
>> プレミアム会員サービス
>> ファイナンシャルサポート
|